2016.07.22
赤ちゃんが吐いても慌てないで!『噴門弛緩症』の対処法
生後半年くらいまでの赤ちゃんが、母乳やミルクをあげるたびによく吐いていたらとても心配になりますよね。 でも、それはもしかしたら『噴門弛緩症(ふんもんしかんしょう)』かもしれません。
噴門弛緩症は、乳児にはよく見られる病気で、それ自体は自然に治っていくため特に心配はいりません。でも、栄養障害など注意したい点もあります。
今回は、噴門弛緩症の症状や対処法についてまとめました。
噴門弛緩症は赤ちゃんの胃の状態がもとで起こる
赤ちゃんの胃は、大人のような横長の形ではなく、とっくりをそのまま立てたような形をしています。このため、胃に入ったものが逆流しやすい構造になっているのです。
それに加え、『噴門(ふんもん)』と呼ばれる胃の入口の筋肉が、生まれつき弱く、締りが悪い場合があります。この噴門の締りが悪いと、母乳やミルクが胃から逆流しやすくなり、すぐに吐いてしまいます。これを噴門弛緩症といいます。
噴門弛緩症は、1歳くらいの乳幼児にはよく見られますが、噴門の筋肉が発達する2歳頃までには、ほとんどが自然に治るといわれています。
噴門弛緩症の具体的な特徴は5つ
噴門弛緩症そのものはそこまで心配がいらないものとはいえ、赤ちゃんがいつも吐いていたら心配になりますよね。
赤ちゃんが母乳やミルクを吐く原因には、噴門弛緩症だけではなく、治療を必要とする深刻な病気や、ウイルス感染も考えられますので、噴門弛緩症の症状の特徴を覚えておくことをおすすめします。
噴門弛緩症には以下のような特徴があります。
- 飲んだものを口からたれるように吐く
- ゲボっと吐くのではなく、ダラダラと吐く
- 授乳後に寝かせたり、少し体を動かしただけで吐く
- 機嫌はよく食欲もある
- 便の状態は普通と変わらない
すぐに吐いてしまいますが、大量に勢いよく吐くのではなく、口からダラダラ流れていくような吐き方が特徴です。もし噴水のような吐き方をしたら、『肥厚性幽門狭窄症(ひこうせい ゆうもんきょうさくしょう)』という病気も考えられます。
また、元気がないなど、その他の症状が気になれば、ウイルス感染の可能性もあります。少しでも気になることがあれば、すぐに小児科を受診してください。
噴門弛緩症の注意点と対処方法
先程もご紹介しましたように、噴門弛緩症そのものは、自然に治ることが一般的で、それ自体はさほど心配することではありません。 しかし、何度も嘔吐することによる弊害もあります。
- 飲むたびに吐いてしまうことで、体重が増えず、栄養障害を起こしやすい
- 吐いた母乳やミルクが喉につまって窒息したり、肺に入って肺炎を起こしてしまうことも
このような危険性がありますので、できるだけ吐く回数を減らしてあげるようにしましょう。
吐く回数を減らすためにできること
噴門弛緩症の赤ちゃんは、一度にたくさんのミルクを飲んで胃をいっぱいにすると、逆流しやすくなります。そこで、一回の量は減らし、授乳回数を増やしてみましょう。飲ませたあとにゲップをさせるのも吐きにくくさせるのに有効です。
他にも、授乳後すぐに寝かさないことも重要です。抱っこしたままがつらい場合は、ラックやベビーカーなどをうまく利用し、上半身を起こした状態を作ってみてください。寝かせるときには、なるべく嘔吐物が口の外に流れ出るよう、横向きに寝かせるのも重要ですよ。
赤ちゃんがミルクや母乳を吐くのは珍しいことではありません。同様に噴門弛緩症の赤ちゃんのように、よく吐いても、ほとんど心配がいらないケースもありますので、冷静に対処しましょう。ただし、栄養がきちんと摂れないほど吐いてしまっている場合や治療が必要な病気なこともあるので、何か気になることがあれば、小児科を受診するようにしてくださいね。
参照/
ケータイ家庭の医学「ミルクを飲んだあと寝かせると、吐いてしまう赤ちゃん」
ママベビ「赤ちゃんと子供の病気 噴門弛緩症/胃食道逆流症」
ミナカラ「赤ちゃんが元気なのにミルクをダラダラ吐く「噴門弛緩症(ふんもんしかんしょう)」の症状と原因、治療法を知ろう」
mamaPRESS編集部
mamaPRESS編集部です!“「ママ」であることをもっと楽しみたい!輝きたい!”そんなママたちのために「ママ」が知りたい情報だけをお届けしています。mamaPRESSを読むことで、心に...
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