2015.05.04
音を表現してみよう!耳の感性を鍛える『音育』に注目!
「音育(おといく)」をご存知ですか? 「音の教育」を略した造語で、食育の次はコレ!といま注目を集めています。
人間はママのお腹の中にいるとき、最初に発達して育つのが「耳=聴覚」だと言われており、その耳を鍛えることができるのは3歳までという説も。
子連れでジャズを聞くイベントや、音育プロジェクト、ワークショップが開催されるなど、様々な企業や団体が「音育」に関して動き始めています。
耳を鍛えると豊かな心も育まれる! 注目の「音育」をはじめてみませんか?
赤ちゃんの頃はとにかくたくさん話しかけて
「音育」といっても、難しいことをする必要はありません。赤ちゃんの頃でいえば、ママが自然に赤ちゃんにしている、ゆっくりと、イントネーションを大きくした話し方。これを「マザリーズ(Motherese)」といい、赤ちゃんの言葉の学びにとって有効だと考えられています。
少し高めの声で、抑揚を大きく、ゆっくりと、赤ちゃんの反応をみながら、そして同じ言葉を繰り返す。このことを意識しながら語りかけると、赤ちゃんがたくさんの音と言葉を聞き、学び取ってくれるそうです。
ワンワン、ブーブーなどの育児語も、理にかなっていることなんですね。
幼児期は周りの音を意識して聞いてみる
少し大きくなってコミュニケーションがとれる年齢になったら、身の周りの様々な「音」を意識して聞いてみましょう。室内はもちろん、外に出てやってみることがオススメ。
大人でも、少し目を閉じて耳を澄ましてみると、いかにたくさんの音に囲まれているかに気付くと思います。お子さんと一緒に、いくつ音が聞こえてきたか、数えてみるのも面白いですね。
たとえば、トンネルの中で手を叩いたり大きな声を出すと、音が響いて聞こえてくること。公園や、広い部屋の中で同じように手を叩いたら、今度はどう聞こえるか……。実際に試してみると、いろいろな発見がありますよ!
電子音(デジタル音)は極力避けるのがベター
最近は、ゲーム機、スマホなどから聞こえてくる数々の電子音に囲まれています。でもこれって、本来の五感の発達には、あまりよろしくない音たち。
デジタルのピコピコ音ではなく、小鳥のさえずり、川のせせらぎ、風がそよぐ音……といった、なるべく自然の音に耳を傾ける機会を増やしたいものです。
音を聞いて、表現して。身近にできる遊びがいっぱい
いろんな音に耳を傾けたら、次はその音を言葉で表現してみましょう。「ザーザー」「パチパチ」「ヒューヒュー」…これらはオノマトペ(擬音語・擬声語・擬態語の総称)といって、繊細な感覚を育てるために大切だと言われています。
他にも、音に合わせて体を動かしたり、聞こえてくる音を絵で表現してみたり…チャンスがあれば楽器に触れてみるのもいいですね。
普段何気なく聞いている「音」も、意識してみるといろいろな違いに気付けて、子どもだけでなく大人も面白い!
特に教室に通わなくても、家庭でできることがたくさんあります。ぜひ今日から「音育」を普段の生活に取り入れてみてくださいね。
文/水谷 花楓
写真/Philippe Put
参照/
ヤマハ音楽研究所 音研スコープ
保育のお仕事「音育のススメ♪音とリズムを保育に活かして子どもの感性を磨こう」
五感プロデュース研究所!「音育の推進!」
小松正史Official Website「音育のご紹介」