2016.01.10
今は治療より予防する時代!子どもの歯とフッ素、シーラント
歯科医院にむし歯の治療をしに行く時代から、むし歯にならないために予防処置を受ける時代へ変わりつつあることをご存知でしたか?
グローバル社会となった現在、口や歯に対する健康の大切さがより注目されるようになりました。アメリカでは歯並びや歯のきれいさが就職に影響するほど、歯の健康は重視されているんですって!
歯の健康意識の高い欧米諸国と比べて日本は…?
先進欧米諸国の子どもは、皆大きなお兄さんお姉さんの歯の矯正装置に憧れ、それはある種のステータスでもあり、歯を非常に大事にする文化が定着しています。それに比べて、日本ではまだまだ歯の矯正装置はかっこ悪いというイメージすら残っているのではないでしょうか。
海外では98パーセントが予防やメンテナンスで歯科医院に通い、2パーセントの人が治療で歯科医院に通う。日本は逆で、2パーセントがメンテナンスや予防で歯科医院に通い、98パーセントの人が治療に通うのです。それだけ、日本のむし歯予防は世界から出遅れているという悲しい現実があります。
むし歯は予防することが可能ですし、子どもの健康な歯を守れるのはやはりママです。子どもの歯の治療費は、自治体によっては一律200円または500円ととてもお得で、予防の処置も受けられる場合もありますので、利用しない手はないでしょう。
フッ素入りのお水がある国も
歯に定期的にフッ素を塗ることでむし歯になりにくくなるのは有名ですよね。フッ素がむし歯予防になるのは、歯の構造を不安定なものから安定した構造に変化させることができるから。予防の進んだ欧米諸国には、すでに水道水にフッ素が含まれている国すら存在し、フッ素がすごく身近なものなんです。
さて、わざわざ歯科医院にフッ素を塗りに行かなくても、フッ素入り歯磨き粉はたくさんあるじゃないかと思われがちですが、実は日本の歯科医院で認められているフッ素の濃度は市販の10倍の濃さ。定期的に歯科医院で高濃度のフッ素を歯に取り込むことで、より一層のむし歯の予防効果を発揮します。
自治体によっては、1歳半検診や3歳児検診でもフッ素塗布を無料で受けられる場合もありますので、お住まいの自治体について調べてみてはいかがでしょうか?
もちろん、フッ素入り歯磨き粉を日々のメンテナンスで使うのも効果はあります。子どもは「ぶくぶくぺ」ができるようになる2歳ころから歯磨き粉を使っていければ理想的です。ママは歯周病健診、子どもはフッ素でむし歯予防、上手に歯科医院を利用したいものです。
シーラント
フッ素で予防以外にも、歯をむし歯にしないための画期的な処置が、実は存在するのです。シーラントという言葉を聞いたことがあるでしょうか。これはかなり優れた歯の予防治療で、高確率で今後のむし歯を防ぐことができます。
子どもの歯は奥歯の噛む面の溝からむし歯になりやすいのですが、歯の溝にあらかじめ予防の詰め物を入れておくことで、むし歯になりにくい状態を作ることができます。
子どもの歯の溝は大人よりも深く、溝の中まで歯ブラシの毛先がなかなか届かないので、ここを埋めてしまうのです。大学病院でも必ず子どもに行うかなりメジャーな処置です。もちろん保険も適応で、嬉しいですね。
昔のようにむし歯になってから治療する時代は終わりを向かえ、むし歯にならないように処置する時代に変わってきています。子どもの歯や口の健康を守れるのはママ。むし歯のない健康な歯で強く噛めることは、ただ健康なだけでなく脳への良い刺激となり、運動神経の向上や成績の向上も期待できると言われています。
予防の知識を一つでも多く持っていてほしいものですし、子どもと一緒に歯磨きする習慣が、自然と生活の一部になるのが理想的ですね。
文/歯科医 彦坂実な美
mamaPRESS編集部
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