2017.09.23
小1算数のつまずきを克服!『さくらんぼ計算』のやり方&教え方
最近、小学校低学年の算数の授業では、10以上の数字が出てくる足し算・引き算の解き方として、『さくらんぼ計算』という方法を教えているのをご存知ですか?
さくらんぼ計算をマスターしてしまえば、数を全体的に把握したり、量的に把握したりする力が身につき、計算も速くなるのだとか!
学校と家庭で算数計算の教え方が違うと子供も混乱してしまいますので、パパやママもぜひこの計算方法を覚えておきましょう。
繰り上がり計算は、小1算数でつまずきやすい代表格
「1+2=3」などの1桁の計算はかんたんにできる子供でも、「7+5」のように2桁に繰り上がる計算になると、とたんにつまずいてしまう子は多いといいます。
これは、数を“順番に数える”ことはできても、“量として把握する”ことができていないのが原因なんだそうです。
さくらんぼ計算は、数を量として把握し、この繰り上がりのある足し算・ひき算をわかりやすくするための計算法なのです。
具体的な計算方法とは?
それでは、さくらんぼ計算の具体的なやり方をみていきましょう。
たとえば、7+5=( )という問題を解く場合、まず5を3と2にわけ、そのうちの3を計算式にある7に足して10にします。そこに残りの2を足すと答えは12になるという考え方です。
数字の組み合わせでまず10を作ると簡単に計算しやすくなるため、あわせて10になる数字の組み合わせ(1と9、2と8、3と7など)を覚えておくことが必要です。
さくらんぼ計算(足し算)の詳しいやり方は、こちらの動画もチェック
次に、引き算の場合をみていきましょう。たとえば、13-8=( )の場合、まず13を10と3に分けて、10から計算式の8を引きます。そして、引いた数(5)にとあらかじめ分けておいた3を足すという考え方で行うと、かんたんに計算がしやすくなります。
こちらも10が8と2を合わせた数であるということがわかっているのが前提になります。
さくらんぼ計算(引き算)のやり方は、こちらの動画もチェック
このようにさくらんぼ計算は、計算式からあらかじめ10になる数を作り、そこから足したり引いたりするので、かんたんに計算しやすくなるというのが特徴。これによって、“計算時間を大幅に短縮できる”というのも、さくらんぼ計算のメリットだといわれています。
さくらんぼ計算ができない子供にはこんなトレーニングを
計算が速くなるというさくらんぼ計算法ですが、数を量的に把握できていない子供にとってはかえって難しく感じる場合もあります。
そんなときは、家庭で量的な数概念を育てる次のようなトレーニングを行いましょう。
- 適当におはじきやお豆などをつかんで、2つのかたまりをつくり、パッと見ただけでどちらの量が多いか当てさせる
- おはじきや碁石などを10個用意してふたつに分け、片方から1つ移動させて、足したり引いたりする。
- 「1と9で10」「2と8で10」と、10の組み合わせを覚えられるように口頭で練習する
算数は、中学受験などでも合否をわける重要な科目のひとつとされていて、早いうちから数の概念や算数のセンスを身につけておくことは、今後の子供たちの学力に大きく影響してくると思われます。
まだ就学前というお子さんも、小学校1年生の出だしでつまずかないためにも、ぜひ早めに親子で量的な数概念を育てるトレーニングをしてみてくださいね。
PHOTO/Lorelyn Medina/Shutterstock
参照/
プレジデントオンライン「頭がいい子の家は「ピザの食べ方」が違う それ間違い! 親の算数の教え方」
明治図書教育ZINE「スッキリ解決☆学びにくい子への学習つまずきサポート(6)算数「サクランボ計算」ができない子
ハッピーノートドットコム「小1算数 つまずきの代表選手「たし算の繰り上がり」/2016年5月」
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記事提供:ならいごとキッズ マガジン