2017.06.11
『新じゃが』は中毒リスク大!?じゃがいもの芽、妊婦が食べても大丈夫?
『新じゃが』がおいしい季節ですね。でも、そのまま皮ごと食べられる新じゃがは “中毒”のリスクも高まるので実は要注意なんです!
じゃがいもの中毒リスクってどんなの? もし妊婦さんが食べてしまったらどうなるの? 今回は、知っているようで実はあまり知らない人も多い“じゃがいも中毒”について正しい知識をつけておきましょう!
“芽”と“皮”に要注意!
じゃがいもによる中毒を引き起こすのが『ソラニン』や『チャコニン』と呼ばれる物質。これらを多く摂取すると、下痢やおう吐、腹痛、頭痛、めまいなどの中毒症状を引き起こし、ひどいときは命を落とす危険もあるんです。
これらが多く含まれているのが“芽”と日光に当たって変色して緑色になった“皮”の部分です。じゃがいもの皮をむくときに、芽の出るちょっとくぼんだ部分をえぐるように取り除くのはそのためなんですね。
皮が緑色に変色しているのは、ソラニンが増えているサイン。ソラニンはじゃがいもの可食部分100gに対して平均7.5mgほど含まれているとされますが、皮の緑色の部分はその13倍以上も含まれているんだとか!
また、気を付けたいのが“家庭菜園で育ったじゃがいも”。実は、大きくなりきらなかったじゃがいもや、地中の浅い部分で育ったじゃがいもは、ソラニンを通常より多く含みやすいため注意が必要です。とくに表面の色が緑のものは避けるようにしましょう。
妊婦や子どもが食べても大丈夫?
では、じゃがいも中毒を引き起こす『ソラニン』や『チャコニン』は、実際にはどれくらい摂取すると健康に影響が出てくるのでしょうか。
体重が50kgの人の場合、摂取量50mgで症状が現れ、150~300mgで命を落とす危険があるそうです。つまり、当然小さな子どもほど中毒リスクは高まるといえますよね。
実際、小学校の調理実習などでじゃがいもを食べた子どもが中毒を起こす事故も、毎年報告されています。
ちなみに、妊婦さんが食べてしまった場合、胎児にどんな影響があるかも気になるところですが、これについてはこれまで特に重大な悪影響が出たという報告はないようです。
赤ちゃんが元気に育っていれば問題はないようですが、妊娠中はママも健康に過ごすのが一番。そういった意味でもやはり気を付けるべきだとはいえそうですね。
保存法&調理法のひと工夫で中毒対策を!
中毒を防ぐには、じゃがいもを買ってきたら新しいうちに使いきるのが一番ですが、保存法や調理法に気を付けることでも中毒のリスクをグッと下げることができます。
じゃがいもは、光が当たる場所に置いておくと、芽が出たり、皮が緑色になるといいます。保存するときは、日光に当てないように新聞紙に包んで冷暗所に保存(低温に弱いので冷蔵庫は避ける)するようにしましょう。
また、リンゴと一緒に保存すると、リンゴが放出するエチレンガスが発芽を遅らせてくれる効果もあるそうです。
調理するときは、芽を根元からしっかり取り除いたり、皮が変色している場合は深くむいたりするのはもちろんですが、170℃以上の油で揚げるとソラニンやチャコニンが分解されて摂取量を減らすことが期待できるそうです。
また、小さな子どもがいる家庭では、新じゃがでも皮をむいて調理したほうが安心ですね。
今まではそこまで気を付けていなかったという人も、じゃがいも中毒の予想外の怖さに驚いたのではないでしょうか。
もちろん、しっかり処理していればまったく問題ないのは言うまでもありませんが、つい手抜きをしてしまって中毒になることのないよう、気を付けたいものですね。
参照/
macaroni「ジャガイモの正しい保存方法は?保存期間がグンと長持ちするコツ!」
農林水産省「知識があればこわくない 天然毒素」
厚生労働省「自然毒のリスクプロファイル:高等植物:ジャガイモ」
マイナビウーマン「ジャガイモは●●と一緒に入れると長期保存できる!」
Rassic「新じゃがを長く楽しむ!芽を出さない保存方法」
健康相談サイト「妊婦 ソラニンについて」
mamaPRESS編集部
mamaPRESS編集部です!“「ママ」であることをもっと楽しみたい!輝きたい!”そんなママたちのために「ママ」が知りたい情報だけをお届けしています。mamaPRESSを読むことで、心に...
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