2019.04.11
男性の風疹予防接種が原則無料に!なぜ男性のみ?対象となる人は?
2019年より3年間、成人男性の風疹予防接種が無料で接種できることになったのをご存知ですか?
風疹といえば、妊婦さんがかかると赤ちゃんに障害のリスクをもたらす怖い病気。ところが日本では首都圏を中心に感染者が増えているというニュースもあり、世間を騒がせています。そんな風疹の予防ワクチン、なぜ男性のみが無料接種できるのでしょうか?
今回は、風疹予防接種が無料となる対象やその背景についてお伝えします。
風疹の男性感染者は女性の約3.5倍!20~40代に多い
首都圏を中心に風疹感染者の増加が報告されている風疹。患者の9割は成人で、そのうち男性の感染者は女性の約3.5倍! 発症は20~40代に多いといいます。
なぜ男性が感染しやすいのでしょうか? 実は、風疹予防接種の定期接種が始まった1977年当初、ワクチン接種の対象となるのは女子中学生のみでした。
一方、男児の風疹予防接種が広く行われるようになったのは1979年から。そのため、風疹の抗体がないまま成人した30~50代の男性の風疹抗体保有率は約80%と他の年代よりも低く、この年代の男性らが感染源となって職場等で広まり、首都圏を中心とした風疹の集団発生が報告されているのです。
これを受けて厚生労働省は、風疹抗体保有率の低い1962年4月2日~1979年4月1日生まれの男性、約1,610万人を対象に、2019年から約3年の間、抗体検査とワクチン接種を原則無料にすることを発表しました。
妊婦が感染すると、赤ちゃんに障害リスクが!
そもそも風疹とはどんな病気なのでしょうか。
風疹とは、ウイルスが引き起こす感染症で、主な症状として発熱、発疹、リンパ節の腫れなどがありますが、インフルエンザよりも感染力が強く、咳やくしゃみを介して1人の患者から5~7人にうつってしまうとも言われています。
成人男性が感染しても、発熱や発疹だけで大事にならずに済むことが多いのですが、妊娠初期の妊婦さんに感染してしまうと、赤ちゃんが『先天性風疹症候群』という病気を発症して難聴や白内障、心臓病などの障害が残る恐れがあります。
しかし予防接種を2回接種すれば確実に抗体ができるため、予防効果が高まって感染はほぼ防げるといいます。
「子どものころかかったから大丈夫」に要注意!
よく「子どものころに風疹にかかっているから、もう自分は大丈夫」という人がいますが、その記憶自体が間違っていることも多いといいます。
間違った記憶のせいで風疹の感染源となってしまうことを避けるためにも、まず病院や診療所で抗体検査を受け、抗体を十分に持っているかどうかを確かめ、不十分であれば予防接種を受けるのが望ましいでしょう。
対象となる男性への風疹予防接種の無料化については、2019年4月から開始される見込みですが、自治体によっては既に予防接種や抗体検査の費用の助成を始めているところもあります。ぜひお早めにお住いの市区町村に確かめてみましょう。
今妊娠中のママにとって恐ろしい風疹。パパはもちろん、職場の同僚や子供の先生などに風疹抗体保有率の低い年代の人がいるなら、ぜひ無料でワクチン接種できることを知ってもらいたいところ。それとなく風疹の話をしてみてもいいかもしれませんね。
PHOTO/VGstockstudio/Shutterstock
参照/
日本経済新聞「風疹予防接種、なぜ男性が無料?(Q&A)」
ヨミドクター「風疹、39~56歳の男性に無料接種…抗体検査も無料化、来年から3年」
長崎市医師会「トピック:風疹(ふうしん)の感染者増加について」
薬事日報「【厚労省】定期接種を3年間無料実施‐風疹で追加対策、来年4月から」
mamaPRESS編集部
mamaPRESS編集部です!“「ママ」であることをもっと楽しみたい!輝きたい!”そんなママたちのために「ママ」が知りたい情報だけをお届けしています。mamaPRESSを読むことで、心に...
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