2018.06.18
子供の主体性が育つ!?フランス生まれの教育法『フレネ教育』とは?
近ごろ海外の教育法に敏感な幼稚園や小学校で取り入れている『フレネ教育』をご存知ですか?日本ではあまり知られていないですが、海外で注目されている教育法の1つです。
今回は、フレネ教育の特徴や、家庭での取り入れ方についてご紹介します。
子供に寄り添ったフランス生まれの教育法
フランスの教育者、セレスタン・フレネがはじめたフレネ教育は、子供が主体であることと具体的実践を重視した教育法です。
フレネは、授業中の子供達が楽しくなさそうである原因を、「教科書が子供の世界とかけ離れているから」と考え、子供達といっしょに川や野原を散歩し、畑で作業している人の様子や物作りの様子を見せることを始めました。
すると、子供達の目が輝きはじめ、好奇心や探求心が生まれたことから、“子供は自ら興味を持ったことには意欲的に活動する”ことを実感。そして、子供が自発的に学習する方法として、子供達が書いた文を教科書にすることを思いついたのです。
フレネが教室に印刷機を置いて子供達の文章を印刷し、それを教科書として授業を行うと、子供達は意欲的に授業に取り組むようになったのです。
5つの特徴から分かるフレネ教育のメリット
こうして始まったフレネ教育には、次のような5つの特徴があります。それぞれどんなメリットがあるのかまとめてみました。
3歳から書いて表現する練習をする
自分が思ったり感じたりしたことや、新しく発見したことを3歳から書かせるようにし、文章で表すクセをつけます。子供は、自分で書いた文章がみんなに読まれることで、「もっと書いて自己表現しよう」という意欲がわきます。
自分が決めた活動計画表で勉強をする
文法の説明や作文、詩の朗読の時間以外は自分で立てた計画表で学習をすすめ、勉強が終わったら、計画表のマス目をぬりつぶしていきます。こうすることで、子供が「わかった」と感じるまでじっくり学習できます。
自分のペースで学習をステップアップすることができるので、おちこぼれの子供はいません。
さまざまな年齢の子供がいっしょに学ぶ
フレネ教育では、異なる年齢の子供達が同じクラスで学びます。小さい子供は大きい子供の真似をすることで、自然と学ぶスピードが速くなってきます。一方大きい子供は、小さい子供を気にかけることで思いやりの気持ちをはぐくみます。
意見交換をして対話のセンスをみがく
フレネ教育では、朝の会や帰りの会、全校集会などの場で話し合いをする習慣があります。テーマについて自分の意見を発表したり、相手の発言を聞いたりすることで話し合いのスキルを学んでいきます。
ひとりひとりを尊重して、プライドを大切にする
子供が自分の意見を発表しているときなど、子供の声にしっかり耳をかたむけることを大切にします。子供は“聞いてもらえる”という経験をすることで、自分の意見を発表する意欲が高まります。
家庭で『フレネ教育』を実践してみよう
フレネ教育は、やり方次第で家庭でも簡単に取り入れられることができます。
たとえば、自分が思ったり感じたりしたことや、新しく発見したことを文章で表現する習慣作りとして、子供と交換日記をはじめてみるのはどうでしょうか? お父さんやお母さんと文章を交換するのは楽しいものです。日記で話題になったことについて夕食のときなどに家族で話してみるのもいいですね。
また、勉強では子供に問題を作らせてみて、家族みんなで挑戦するのも楽しそうです。話題になったテーマや子供が作った問題を表にして、終わったところにシールを貼るのもおすすめです。
フレネ教育の一番のポイントは、子供に自由に表現させて、積極性の向上を目的としている点です。そのため家庭で取り入れる際は、大人の正解を押しつけず、選択肢を与えてあげることを意識していくとよいかもしれませんね。
フレネ教育を上手に取り入れると、なにごとにも意欲的に取りくめる子供になるかもしれません。文章で表す習慣や話をよく聞いてあげる習慣をつけることで、「自由に表現してもいいんだ」と自分に自信を持つようになるはずです。
ぜひ家庭でもできることを取り入れてみてくださいね。
PHOTO/Teguh Mujiono/Shutterstock
参照/
ジャパンフレネ「フレネ教育学とは?」
多様な教育を推進するためのネットワーク「フレネ教育」
保育ぷらす+「日本の未来を変える!?フランスで生まれた自主性を磨く「フレネ教育」とは?」
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記事提供:ならいごとキッズ マガジン