2017.02.28
3歳までが大事!“気持ちを言葉で伝えられる子”に育てる声かけのコツ
“気持ち”は目に見えません。図鑑にも載っていません。子どもは自分の気持ちに気づき、それに“うれしい“”悔しい”といった名前がついていることを徐々に体験を通して学んでいきます。
小さい子どもがかんしゃくを起こしたりするのは、まだ気持ちをどう表していいかを知らないから。まだまだ経験も語彙も少なく、言葉を自由に表現することが難しい幼少期は、感情を行動で表します。
泣く、怒る、といった行動ではなく、豊かな言葉で気持ちを伝えられる子どもに育てるには、まずは子ども自身が“自分の気持ち”を知ることが大切。今回は、そのためにママが心がけたい声かけのコツを紹介します。
気持ちを言葉で表せるようになるには、小さいころからのママの声かけがカギ
私は“クリニックの言語外来”や、“放課後デイサービス”などで仕事をしているのですが、「どうしたら子どもが自分の気持ちを言葉で伝えられるようになりますか?」「うちの子はよくおしゃべりするんだけど、気持ちを表現するのが苦手」という質問や声を、幼稚園・小学生のママから受けることがよくあります。
気持ちを言葉で表すことは、 感情のコントロールにもつながります。かんしゃくや直接的な行動ではなく、豊かな言葉で気持ちを伝えられるようになってほしいですよね。そのためには、3歳までのママの声かけの積み重ねが大切。
子どもは3歳くらいになると、それまで繰り返し聞いてきた言葉を徐々に自分で使えるようになってきます。「〇〇してほしくなかったよ」「△△っていったらいやだよ」など、それまでつい手が出てしまったり泣いて訴えていたことを、目に涙をためながら相手に言葉で伝えるようになります。
だからこそ、小さいころからのママの声かけにちょっとした工夫を加えることがカギになるんです。
こんなときどうする? 場面別・声かけのコツ~友だちトラブル~
では実際、普段の生活の中でどのように声かけを工夫したらよいのでしょうか。いくつかの場面別に、ポイントを紹介します。
お友だちとのおもちゃの取り合い場面
1歳を過ぎて行動範囲が広がるころ、公園の砂場や児童館などで見かける“おもちゃの取り合い”。子どもにとっては、すべて自分のものであった時代から一歩次のステージにいく大切な瞬間です。
ママにとっても、子どもへの対応を他のママに見られる場面でもあり、ついつい場を繕うような対応になってしまうかもしれません。でも、誰もが大なり小なり通る道ですので慌てなくても大丈夫。
「急に取られてびっくりしたね」「いいなあって思ったんだね」など、子どもの気持ちを言葉にしてみましょう。園の先生たちの声かけはまさに子どもの気持ちの代弁。
「叩かれて嫌だったね」「このおもちゃ、いいなって思ったんだね」など、まだ子どもが自分で言えない頃から、場面に応じて聞かせてくれています。
目の前に相手のママがいる場合など、自分の子の気持ちばかり代弁している場合ではないこともありますが、相手の子の気持ちも代弁することで子ども同士のやりとりが成長する貴重な機会にもなります。