2018.03.19
日本語も英語も効率よく習得できちゃう!近年注目の『英語イマージョン教育』
英語を効率よく習得できて、さらには日本語もより深く習得も期待できると注目される、『英語イマージョン教育』をご存知ですか?
近年、早期英語教育としてプリスクールやインターナショナルスクールに通わせるご家庭も増えていますが、最近の幼稚園・小学校の中には、日本の学校とインターナショナルスクールの“いいとこどり”ともいえる、『英語イマージョン教育』を取り入れているところが増えているんです!
英語イマージョン教育とは?
“浸すこと”という意味を持つイマージョン(Immersion)。英語イマージョン教育は、国語以外の教科を“英語で”学んでいく教育法です。英語を教科として学習するのではなく、教科を学ぶ手段として使うことで、英語を自然に習得させる目的があります。
マギル大学のFred Genesee氏による定義では、“1年間にわたって少なくとも指導の50%を第二言語を通して指導することをイマージョン教育とみなす”とされており、母国語の使用時間が極端に短くならないという特徴から、母国語も英語もバランスよく習得することが期待できます。
現在、日本でも早い時期に英語イマージョン教育を導入した静岡県の『加藤学園暁秀初等学校』をはじめ、一部の幼稚園や小学校で早期イマージョン教育が取り組まれています。
幅広い状況で対応できる英語力が身につく!
英語イマージョン教育の指導は、日本の助教諭の免許を持つ外国人教員が教える場合が多いようです。
導入教科は、算数、理科、および体育などを英語で指導する傾向が強いのだとか。これらの教科は、指導に使用される表現に“命令形”が多く具体的であることや、授業中の学習活動に生徒の実践的・参加型の活動が多く、自然な言語習得が起こる状況が作りやすいということが理由のようです。
また、英語と様々な学習内容(授業)を統合させることで、幅広い状況においても英語で対応できるようになるといった効果もあるようです。
気になる母国語習得への影響は?
イマージョン教育が目指す4つの目標には次のようなことが掲げられています。
- 外国語のコミュニケーション力の熟達
- 十分な母語能力の習得
- 教科の授業内容の理解と必要レベルの習得
- 多文化への理解と尊重
つまりイマージョン教育では、効率的に英語を習得するだけでなく、母国語能力を向上させ、多様な文化への理解など、国際社会で必要とされる力が養われていくことがわかります。
とはいえ、日本の学校に通うのと比べたら実際は日本語の習得に支障が出るのでは…と気になるところですが、英語で習った理科・算数等の専門用語については、国語の授業時に英語と日本語の語彙を結びつける補足活動や、家庭内での読書に力を入れる学校もあるなど、指導にも工夫がされているようです。
また、テレビ・新聞・親子の会話など、日常生活で起きている時間の言語環境は圧倒的に日本語なので、影響が出ることはないのだとか。
ある研究では、母語の力は同等かまたは少しよいという結果も出ており、多様な思考力・表現力・洞察力を身につけ英語との比較により日本語をより深くとらえるからではないかと考えられています。
これからますます注目されそうなイマージョン教育。学校の休み時間などでは日本語で話せるから、適度に息抜きができ、海外で感じるような言葉が通じないストレスや、疎外感がなく、楽しく英語が習得できるのも魅力のひとつです。
今後もどのような形で広がりを見せてくれるのか楽しみですね!
PHOTO/yoshi-5/Shutterstock
参考/
PAIDIA INTERNATIONAL「イマージョン教育とは、外国語で他の教科を学ぶこと」
一般社団法人英語教育研究所「英語イマージョン教育とは」
AERA dot.「授業ではバンバン英語、休み時間は日本語 話題の英語教育」
学校法人加藤学園「イマージョンとは」
ぐんま国際アカデミー「イマージョン教育について」
ウィキペディア「イマージョン・プログラム」
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記事提供:ならいごとキッズ マガジン