子供の幸福度世界一！オランダの教育法『イエナプラン』に脱帽

先進国における子どもの幸福度調査（2013年）で総合順位1位に輝いている国、オランダ。そのオランダで普及している教育法『イエナプラン』は、「わが子により良い教育を受けさせたい」と願うパパやママの注目を集めている教育方法のひとつです。

今回は、このイエナプランについてご紹介します。

イエナプランとは？

イエナプランは、1924年にドイツのイエナ大学の教授、ペーター・ぺーターゼンが発案し、オランダに広まった、一人一人を尊重し、自律と共生を学ぶオープンモデルの教育方法です。

オランダでは、教育の自由が憲法により保障されているため、他国の教育方法が自由に取り入れられるなど教育が多様化しています。その中でも急速に普及したのがこのイエナプランです。

オランダの国民には“国の制度は自分ら自身が作っていくもの”という意識が根付いている背景から“さまざまな立場の人も同じ権利が与えられる高福祉社会”が実現され、幸福度の高い国としても知られるようになりました。

そんな自主性が尊重されるオランダにとって、イエナプランは“幸福な民主主義に参加する市民を育てるための教育のあり方”として受け入れられ、大きく発展しました。

イエナプランの特徴とは？

イエナプランならではの大きな特徴を、環境・学習形式・学習内容の面から見ていきましょう。

環境…教室をリビングルームとして捉える

担任教師をグループリーダーとし、低学年（4～6歳）、中学年（6～9歳）、高学年（9～12歳）の3つの年齢でグループを分け、クラスを編成。これをファミリーグループ（根幹グループ）と呼びます。

このクラス編成は3年間変わらず、グループリーダーの手厚いサポートもと、子供たちは家庭の中で兄弟と過ごすような感覚で、年齢差のある相手とのかかわり方を学ぶことが可能です。

イエナプランでは教室は、子供たちが楽しく学べるリビングルーム。新年度になるとグループリーダー（担任教師）と子供たちで話し合って教室の内装を決めていき、快適な環境を整えます。

学習形式…サークル対話

教室での学習は、車座（サークル）になり話し合うサークル対話形式です。自由に話し合うオープン・サークルや、前もって話題を準備する準備サークルのほかにもさまざまなサークルがあり、チームリーダー（教師）のバックアップのもと、子供たちが主体で学習します。

学習内容…ワールドオリエンテーション

理科と社会科を統一し、ワールドオリエンテーション（総合学習）として、学校全体で同じテーマに取り組みます。テーマは、7つの経験領域と、時間と空間のうちから1年間に8～9つを選択。その学年に応じた学習内容になっています。

基本的な学習方法としては、

1. テーマに対する問いかけ
2. 問いを整理
3. 答えを探す手順を話し合う
4. 学習を計画し進行する

このプロセスを繰り返すことで、知識を深め、自分と他人との違いを知り、協力のしかたを学んでいきます。

こんな子供、ママにおすすめ！

イエナプランによって育める力は、なんといっても自主性でしょう。子供が自分から積極的に学んでいけるようにしたい。大人が一方的に与えるのではなく、子供の自主性を尊重させたいというパパやママにおすすめの教育法です。

また、一人一人の個性が尊重されるオランダで受け入れられているように、イエナプランでは個性の強い子供も無理なく楽しく学び、成功体験を得やすくなっています。

子供は成功体験を通して自己肯定感を育んでいくといわれています。そのため自己肯定感を育みたい家庭にもおすすめできます。

残念ながら、イエナプランは日本ではまだ一般的に広まっておらず、中には認可されている私立校もありますが、無認可のスクールかほとんどです。しかし、素晴らしいメリットがあるイエナプランを、子供の将来を見据えた教育の選択肢の一つに加えてみてはいかがでしょう。

PHOTO／FoxyImage／Shutterstock
参照／ 日本ユニセフ協会「先進国における子どもの幸福度」
日本イエナプラン教育協会「イエナプラン教育とは」
不登校新聞「オランダの教育を知る」
School Times「【オランダ発】教育先進国オランダのバイリンガル教育、政府と学校の取り組み」
東洋経済ONLINE「日本の教育､｢皆同じでなければ｣への違和感」
ならいごとキッズ マガジン「教育熱心な親が注目！『オルタナティブ教育』とは？メリットとデメリット」
Future Edu TOKYO「オランダで普及している「イエナプラン」教育から学ぶ、21世紀にふさわしい全人教育の形」

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記事提供：ならいごとキッズ マガジン