2017.03.22
こんなに大変なのに…!「今が一番かわいいときよ」はママを苦しめる呪いの言葉?
赤ちゃんが生まれる前は、「どんなにかわいい赤ちゃんが生まれるのだろう」と、期待と不安でドキドキしていました。
実際生まれるともちろんかわいいわけですが、一方で初めての育児に翻弄されると、“かわいい”とばかり思っていられる状態ではありませんよね。
でも外に出れば、子育て経験を終えた世代の女性たちから、「今が一番かわいいときよね」の嵐。3歳くらいまではその“今”が続きます。
筆者はかつてそう言われるたびに「え? 今が一番? 確かにかわいいけど、ここからどんどんかわいくなくなるの? そこまでかわいいと思えない自分って子育て向いてないのかも。子育てムリ~!」と自信を無くしていました。
今まさに同じような気持ちになっているというママ、大丈夫です。かわいいと思えなくなるのも、なぜ「今が一番」と言われるのかも、ちゃんと理由があったんです!
「今が一番かわいい」が呪われたようにつらく響く…
出産した体は、子宮の傷はもちろんのこと、骨盤はガタガタ、ホルモンバランスだって狂っています。そんな傷ついた体が癒える間もなく、夜間の授乳や夜泣きで慢性的な寝不足、これまでの生活習慣をガラッと変えた滅私奉公(めっしほうこう)のような生活が始まります。
もちろん自分の時間なんてない。想像はしていたけれど、こんなに大変だとは…。
こんなにがんばっている私を認めてほしいのに、夫からは「いいなあ、一日中遊んでいられて」なんて心無い言葉が!
ちょっとの間赤ちゃんを見ていてほしいのに、泣かせては「ママのほうがいいんだって。俺もおっぱいがあればなあ」なんて言われたものなら、もうイライラを通り越して悲しくなってしまいますよね。
我が子は大切な宝物以外の何物でもないのに、こんなママの心と体の余裕のなさが、赤ちゃんを無条件にかわいいとは思えなくさせてしまうようです。
また、真面目なママは、そこそこパパは協力してくれているのにいっぱいいっぱいになっている自分を許せないのかもしれません。
そんなボロボロの状態では、何気なく「今が一番かわいい」と言われたことばが、呪われたようにつらく響くママが多いのも仕方がないことです。
Photo/kryzhov/shutterstock
呪いの言葉には、こう気持ちを切り替えよう!
筆者の経験では、「今が一番かわいい」と声をかけてくれるのは60代以降の女性が多いでしょうか。おそらく子育てを一段落し、子どもたちはもう自立して仕事をしたり、家庭を持ったり、という世代に多いように思いました。
受け手の気持ちはさておき、彼女たちにとってもちろん呪ってやろうなんて悪気は1ミリもありません。
自分から巣立っていった子どもたちが、ママが世話を焼かなければ生きていけなかった、ママだけを頼りにしてくれていた時代を、“一番かわいい”という言葉で懐かしんでいるのではないでしょうか。
筆者はまだ子育て真っ只中ではありますが、将来子どもが巣立って老夫婦のみの生活になったなら、確かに赤ちゃん時代の我が子を思い浮かべて、ただただかわいかったなあと思い出に浸りそうです。
そんなときに街でかわいい赤ちゃんを抱いたママを見たら、言ってしまうかもしれません。呪いの言葉を。
だからそんな言葉をかけられたときは、「ああ、昔を懐かしんでいるんだな」「いつか自分もそんな境地になることがあるのかな」ぐらいに思っておけばいいのかと思います。