2017.07.12
学力UPにも効果的!?小さいうちから刃物を使わせるべきメリットとは
子供が工作するときに使う、ハサミやのり、ペンなどの道具類。その中でも子供に使わせるのをちょっとためらってしまうのが、カッターや小刀などの刃物類なのではないでしょうか。ケガをさせてしまうかもしれないからと、なんとなく遠ざけていませんか?
でも実は、ナイフを使うことが学力UPにもつながる興味深い研究結果も! 刃物類は他にも、小さいうちから使うべきメリットがたくさんあるんです。
計算するより学習効果アリ!?ナイフで鉛筆を削ると効果的に集中力UP!
よく、勉強開始前にます計算をすると集中力が高まる、などと言われていますよね。それよりもさらに効果的なのが“ナイフで鉛筆を削ること”ということがある調査で分かりました。
小学3~4年生の男の子を対象にナイフで鉛筆を削ったときの脳活動量を計測したところ、注意力、集中力をつかさどる前頭前野の活動が高まり、その脳活動量は、マス計算をさせているときよりも高かったのです。
さらに、ナイフの使用前と使用後では、ナイフ使用後のほうがマス計算をさせたときの脳活動量よりも高いことがわかりました。
ナイフでの鉛筆削りでは両手をコントロールして使います。つまり、利き手(右手)の動作をつかさどる左脳だけでなく右脳の活動量も高くなるため、脳の広い範囲を活性化させることができるんですね。
このように、ナイフで鉛筆を削ることは脳を効率的にフル活動させられて、“脳活”にぴったり。勉強開始前にナイフで鉛筆を削るだけで、学習の効果を高めることも期待できるんです!
非常時に身を守る力も身につく
ナイフやカッターなどの刃物は、震災時など、本当に自分が困った、危機的な状況になったときに使いこなすことができると、自分の身を守るツールとしても役立ちます。
たとえば食料の缶詰を開ける、梱包のひもを切るなどの作業を、刃物を使って普段から子供にやらせてあげると、いざというとき役立つことでしょう。
とくにツールナイフは“小さな工具箱”とも言われており、アウトドアや非常時にあると何かと重宝します。スイスをはじめとして欧米では、親が子供に5歳くらいからツールナイフを使わせる家庭もあるそうです。
出典:Amazon
このような子供用のツールナイフも販売されていますので、アウトドアによく行くご家庭なら、出かけるたびに子供に訓練させてみるるといいかもしれません。
刃物を安全に使いこなすために教えるべきポイント
刃物を子供に使わせる場合は、親がナイフは危ないということを子供にきちんと教えて、それを認識できるようになる年齢になったら与えてみましょう。個人にもよりますが、だいたい5歳くらいから始めるとよいでしょう。
とはいっても、いきなりナイフで鉛筆を削るのは難しいですよね。道具を使いこなすためには慣れが必要です。
まずは台所でのお手伝いが始めやすいかと思います。刃先の危なくないギザギザの歯のナイフやテーブルナイフでチーズやバナナなどの柔らかいものを切ることから始めてみましょう。
できるようになったら子供用包丁に切り替え、切る素材を柔らかく細長いものから、徐々に固く丸い形のものへ移行するとよいでしょう。
鉛筆を削るための子供用ナイフなども販売されています。
出典:Amazon
この『スカッター』という商品は、安全ガードが刃先の前についていますので、指先を傷つける心配がありません。カッターや小刀を使う前の慣らしとしておすすめです。
刃物を使わせる前には、道具の持ち方や扱い方、置き方、親の許可をとってから利用することなどをしっかりと教え、使わせるときは必ず大人が付き添い、目を離さないようにしましょう。
安全に対する意識も重要。刃物はすぐれた道具だけれども、同時に人を傷つけたり、自分もケガをしたりするものであることを普段から子供に教えることが大切です。
一度切ったものは元には戻らないことや、切れ味の悪いものはケガにつながるので使わないことも、その都度伝えていくとよいですね。
いかがでしたか? 刃物は危ないからと使うのを避けてしまいがち。しかし、大人が刃物に対する認識をきちんと教えて正しく使うことができれば、脳を効率的に活性化させたり、身を守る力がついたりと、小さいうちから使わせるべきメリットはたくさんあります。
ぜひ、親子で刃物を少しずつ慣らし、活用してみたらいかがでしょうか?
TOP PHOTO/EvgeniiAnd/Shutterstock
参照/
ビクトリノックスジャパン公式Tumblr「ナイフで鉛筆を削ると学習効果が向上するかもしれません」
第5回 子どもと刃物③ 「ナイフメーカーの脳育教育の取り組み」
ベネッセ 教育情報サイト「料理のお手伝い、子どもに刃物を安全に使わせるには」
ベネッセ 教育情報サイト「一緒にお料理、お手伝い! 【第2回】刃物の扱い」
ベネッセ 教育情報サイト「一緒にお料理、お手伝い! 【第4回】包丁の使い方」
ダイヤモンド社書籍オンライン「刃物の危険さと便利さを教える――子どもの脳力が120%アップする心得7」
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記事提供:ならいごとキッズ マガジン