2019.05.18
『ソーセージ』と『ウインナー』って何が違うの?【違い検証シリーズvol.03】
ミキサーとブレンダーの違いって? 首都圏と関東地方って同じじゃないの!? 私たちの身のまわりには知っているようで、よくよく考えてみるとイマイチ違いが分からない…なんてモノが多いんです。
そんな似ているようで実は異なる両者を比べてみるこちらの企画。連載第3回目は、お弁当や朝食の定番『ソーセージ』と『ウインナー』の違いをご紹介します。
『ウインナー』は『ソーセージの』一種だった!?
冷蔵庫に常備しておくと安心! 使い勝手のいい『ソーセージ』や『ウインナー』。普段意識することはありませんが、このふたつって厳密にはなにが違うのでしょう? それとも実はどちらも同じ意味?
結論からいうと、“ウインナーはソーセージの一種”という位置づけなんです。
日本農林規格(JAS)の基準を見てみると、ソーセージは、豚や牛、鶏などの肉を挽いたりすりつぶしたりして香辛料などを混ぜたものを、ケーシング(ソーセージの表皮部分)に詰めたものとしていて、ウインナーよりも広い意味をもっています。
一方、肉を詰めるケーシングに“羊の腸”を使っているのがウインナー。正式名称を『ウインナーソーセージ』と呼び、日本で加工・販売されているソーセージはこちらが主流です。
つまり、ソーセージは腸の中に肉を詰めたあの細長い形状の加工品全般を指し、その中の一種として羊の腸を使ったウインナーがあるというわけ。
国内で製造されているソーセージはほとんど羊の腸を使った『ウインナー』なので、消費者からするとどちらも同じ意味に感じられるのですね。
ただし、『魚肉ソーセージ』の場合はビニール等でできている人工ケーシングを使っているため、その区分もウインナーではなく、“ソーセージ”と付くのが一般的です。
『魚肉ウインナー』という呼び方はしませんものね。そうした点からも分かるように、実はなんとなく『ソーセージ』と『ウインナー』は区別されていたりするのです。
ちなみに、牛の腸を使ったものが『ボロニアソーセージ』、豚の腸が材料になっているものは『フランクフルトソーセージ』という名称だそうですよ。
日本発祥のソーセージ&ウインナーも!
ひとくちにソーセージといっても、使われているケーシングによって実にさまざまな種類があることが分かりました。にもかかわらず、日本は『ウインナーソーセージ』ばかりで、バラエティが少ない…と思った方もいるかもしれませんね。
でも実はウインナーソーセージ以外にも、日本でよく食べられているソーセージがあります。それが先ほども紹介した『魚肉ソーセージ』。戦後の食糧不足の時代に開発された新しい加工食品で、いまではすっかりおなじみの商品になっています。
また、お弁当に入っている真っ赤なウインナーも日本発祥です。ウインナーが量産されはじめた昭和初期、質の良い材料が手に入らなかったため、商品の発色の悪さを隠すために赤色に着色したウインナーが生まれたといわれています。
ソーセージの本場はドイツですが、日本でも独自の進化を遂げて広く愛される国民食になりました。『ソーセージ』と『ウインナー』の違いを比べてみるだけでも、その背景を垣間見ることができますね。
TOPPHOTO/yajima/Shutterstock
参照/
オリーブオイルをひとまわし「ソーセージとウィンナーの違いとは?さらにはハムとの違いとは?」
TABILABO「「ウィンナー」と「ソーセージ」の違いをあなたは知っていますか?」
水産研究・教育機構中央水産研究所「水産加工品のいろいろ「魚肉ソーセージ」」
川村通商株式会社「ケーシングとは?」
JAS(日本農林規格)「ソーセージの日本農林規格」
mamaPRESS編集部
mamaPRESS編集部です!“「ママ」であることをもっと楽しみたい!輝きたい!”そんなママたちのために「ママ」が知りたい情報だけをお届けしています。mamaPRESSを読むことで、心に...
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