2015.05.13
家ではおしゃべり外では寡黙…もしかして『場面緘黙』かも!?
家ではおしゃべり上手なのに、保育園や幼稚園、学校などに行くと話せなくなってしまう……。
そんな症状の子どもが200人に1人の割合で存在するという、『場面緘黙(ばめんかんもく)』。
日本での認知度はかなり低いことから、大人になってから気づくといったケースも多いようです。今回は、この場面緘黙についてまとめてみました。
「極度の恥ずかしがり屋」という認識は間違い!
一般的には2~5歳の幼児期の子どもに発症するといわれています。また、家庭外のことなのでママやパパが気づかず、とはいえ先生や周囲からも「おとなしい子だな」という認識で終わってしまい、つい見落とされてしまうことが多いのだそう。
そういわれてみると、幼いころクラスに1人くらいはそういった「おとなしい」「ほとんどしゃべらない」と言われていた子がいましたよね。
いじめられる、ということはないけれど、なんとなく周りからは距離を置かれてしまっている……という子。
ああ!! この状況が自分の気づかないところでわが子に起こっていたら、と想像するだけで心配になってしまいますよね。
場面緘黙とはどんな症状なの?
言葉やものごとを理解する能力はほぼ正常にも関わらず、社会的な状況で声を出したり話したりすることができない状態のことを指します。
なかには特定の場面だけでなく、家族を含めてどんな場面でも話せなくなってしまう「全緘黙症」になる子もいるようです。
また、しゃべることができても、小声だったり、答えるまでに時間がかかる、特定のお友だちや先生とだけしか話さない、電話なら他人と話すことができる、といった状態もこれに含まれます。
原因は? どうしたら治るの?
実は場面緘黙の原因についてははっきりとわかっていません。お友だちに失敗をからかわれたトラウマ、生まれつきの性格、引越しや転校などの環境の変化など原因はその子によってそれぞれ。
そして、これまでは「大人になれば自然と治る」と言われていましたが、最近は大人になっても治らないまま緘黙症の状態が続き、社会に適応できずひきこもりになってしまった、というケースも少なくないことがわかってきているのです。
また、発見が遅れると、周囲も「あの子はおとなしい子なんだな」と固定した見方になってしまい、それによって本人もますます孤立して話しづらくなってしまい、克服するのに時間がかかってしまうこともあるんだそう。
「もしかしたら?」とわが子に対して疑問に思ったら、早めに専門医や医療機関へ相談しましょう。
ママがやって良いこと、悪いこと
なにより重要なのは、子どもの症状にママがいち早く気がついてあげること。
この場面緘黙は、子どもが自分以外の周りに脅威や不安を感じてしまい、沈黙によって精一杯自分を守ろうとする自己防衛法であること、沈黙という形で自分を理解してもらいたいと思う自己主張であること、そして子ども自身が話したくても話せない状況であることを理解してあげましょう。
その上で、ママは子どもに話させようと無理強いや、「なぜ話すことができないのか?」といった理由を問いただすのはNG!
担任の先生やお友だち、ほかのママたちへの理解・協力をあおぐなど、みんなでサポートする体制を作ってあげることが大切のようです。
もし、子どもが場面緘黙に苦しんでいたら……?
声にならない心の声を、ママだからこそ誰よりも早く聞きとってあげられるよう、心がけておきたいですね!
文/よしだみすず
参考/かんもくネット
長崎教育センターweb情報
よしだみすず
10年の編集経験を経たのち、妊娠を機に活字の世界から離れるも、やっぱり忘れられないのとちゃっかり帰ってきた出戻りライター。趣味の酒とゴルフはどこへやら。日中は、2012年生...
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