2017.05.14
ママになっても営業職を!キリンの“なりきりママ社員実験”から生まれた働き方改革のアイデアとは?
ママになっても営業の仕事を続けたい!と思っていても、現実には難しそう…。実際、営業職の女性の9割が入社10年以内に営業職をやめてしまうというデータもあります。
営業職の女性が働きやすくなるためにはどんな改善が必要か、その検証事例として、キリンの営業独身女性たちが、“ママ社員として働いてみる”シミュレーション実験を行いました。
その結果、残業時間は前年比51%減、業績は前年分を維持もしくは上回ることに成功! 気になるその働き方改善案とは?
ママの就業スタイルで1ヶ月間のシミュレーション実験
この実験では、キリンの営業チームの女性5人が、それぞれの職場で「これからママになります」と宣言し、周囲にも“ママがいる職場”を体験してもらうことに。
実験の詳細としては、
- 定時出社・定時退社(保育園の送り迎えのため)
- 突発的な終日休み(子どもの急な発熱を想定)
- 突発的な早退(子どもを急に保育園に迎えに行かなければならないことを想定)
- 週に1回の残業や飲み会(夫のサポートがあることを仮定)
などのルールを徹底。ママ社員の大変さを感じながら、改善点や効率化すべき点が徐々に明らかになっていったそうです。
そして1ヶ月の実験の結果、期間中のやるべきタスクは80%をクリア、周囲のアンケートでも迷惑だったとの回答はゼロ! 残業時間は前年比51%減、業績は前年同様、全国平均を上回る数字を出すことができました。
好結果を支えた理由とは?
この良い結果を支えた理由はいくつかありますが、具体的には、
- 『ママ日記』を書いた(日々ママとして気づいたことを記して、効率化のノウハウをチームで共有)
- 視野が広がり新しい視点での発想・提案ができるようになった(ママの時間で生活することで、生活者・消費者としての視点が加わった)
ママ社員になったことで、罪悪感やプレッシャーと戦う恐怖をはあったそうですが、結果的に効率的な働き方を学べて、「ママになっても営業を続けられるだろうか」という不安が払しょくされたということです。
働き方改革に必要な2つの工夫
このシミュレーションを経て、働き方改革には、時間内にいかに成果を挙げるか本気で考えること、そして多様な働き方への理解を深めることが必要だとして、実験メンバーから2つの提言がなされています。
1.“ママ&パパ実験研修”の実施
営業ママやその周囲の立場を知るために、未婚・既婚・子どもの有無は関係なく、ママやパパになってみよう!というもの。制限のある働き方を実体験することで、それまでの働き方を見直して意識を変えること、多様な働き方への理解を深めることを目的としています。
2.マママークのついた名刺を作成する
営業の必需品である名刺を最大限活用して、得意先の理解を得ることを目的としています。子どもがいることを得意先にいつ言えばいいか悩んでいても、このマークがあれば話すきっかけになります。
実験メンバーは、「かつて私たちも『ママになったら営業は無理だ』と思っていましたが“なりきりママ”を経験して、『やる前から漠然と無理だと思っていたのは自分だった』と気がつきました」と語っています。
また、「男女問わず仕事と育児が両立できる社会、不安を抱えずに働ける社会がつくれる」とし、今後はキリングループを皮切りに全国的に“なりきりママ”を研修として取り入れてほしいとしています。
子育てをしながら働くということが、実際にどのようなものなのか、実際にママになってみて初めてわかったという人も多いかと思います。こういった取り組みが社会全体に広がっていくといいですね!
PHOTO/Diego Cervo/Shutterstock
参照/
The Huffington Post 「ママになっても営業できる?『なりきりママ』から生まれた2つのアイデア」
営業type|転職@type「『独身営業女子がママ社員として働いてみた』残業51%減・業績維持に成功したキリンに学ぶ‟営業の働き方改革”のヒント」
mamaPRESS編集部
mamaPRESS編集部です!“「ママ」であることをもっと楽しみたい!輝きたい!”そんなママたちのために「ママ」が知りたい情報だけをお届けしています。mamaPRESSを読むことで、心に...
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