2017.06.06
子供が「ごめんなさい」を言えないのはなぜ?素直に謝れる子になるために必要な3つのこと
子供がお友だちを泣かせてしまったのに、どこふく風で謝らない。悪いことをしたから叱ったのに、謝るどころかこちらをにらみつける。一言「ごめんなさい」と言えば丸く収まる場面なのに、なぜ子供はその言葉を言えないのでしょうか。
今回は、「ごめんなさい」が言えない子供の心理と、親がとるべき対応についてご紹介します。
実は難しい「ごめんなさい」の言葉
朝起きたら「おはよう」、ご飯を食べるときには「いただきます」、寝る前には「おやすみなさい」…このような挨拶はタイミングが決まっているので、子供にとってもわかりやすく、難なく身に着けることができるでしょう。
しかし、「ごめんなさい」という言葉はこれらの挨拶より抽象的で、実は子供にとって難しいんです。
大人は、「悪いことをしたら『ごめんなさい』と言うのよ」と教えますよね。しかし、“悪いこと”のパターンは数限りなくあります。相手を悲しませてしまっても、子供本人は悪いと思っていないということもあり得ます。
「ごめんなさい」を言うためには、“これは悪いことだ”という知識を多く持っていて、かつ相手の気持ちを思いやれる能力が必要なのです。
ですから、子供が「ごめんなさい」を言えないのは、“言うべき場面がまだ理解できていない”ため、ということが考えられるのです。
「ごめんなさい」を言うべき場面は経験から学習する
それでは、子供はどのように“これは悪いことだ”という概念や、“ごめんなさいを言うべき場面”を学ぶのでしょうか。
それは、実際の経験に尽きます。自分の行動が原因で親に怒られたり、友だちを泣かせてしまったり…そんな経験の積み重ねが、これはいけないことなんだ」学ぶ機会となります。
そのためには、子供が悪いことをしたときに親はきちんと叱ることが非常に大切。叱ることは、その行為が“悪いこと“と教えることだからです。
注意したいのは、状況によって叱る基準を変えないこと。「自分の家ではおもちゃを投げても叱られないのに、よそで同じことをすると叱られる」などということがあれば、子供は混乱してしまいます。
わかっていても「ごめんなさい」が言えない…子供心を理解しよう
中には、自分が悪いことも、ごめんなさいと言うべき場面であることもわかっているのに謝れない子供もいます。そんな子供の姿を見て「なんて素直じゃないんだろう」と腹を立てる方もいることでしょう。でも、それにはこんな理由があるのかもしれません。
1.緊張して言えない
人見知りが強い子供、目立つことを嫌う子供、完璧主義の子供は、自分が悪いことをしたと理解していても、緊張のあまり「ごめんなさい」が言えないことがあります。
2.自分の非(負け)を認めたくない
「ごめんなさい」と言ったのに、悪者にされてさらに怒られた、状況が改善しなかった…そんな経験がある子供は、「ごめんなさいと言ってもどうせ叱られる」という思いから、悪いことを認められないのかもしれません。
いずれの場合も、親が「ごめんなさいを言いなさい!」と強要してもいいことはありません。親は、子供の気持ちを受け止めて気持ちを代弁しながら、なぜ「ごめんなさい」を言わなければいけないかを繰り返し伝えましょう。
謝ることができたらそれ以上責めることはせず、「ごめんなさいを言ったことで状況が良くなった」という経験を多くさせて、「ごめんなさい」は、言うと笑顔になったり、仲直りができる言葉であることを実感させてあげましょう。
親自身が「ごめんなさい」を言えていますか?
親の姿は子の鏡と言います。子供自身に使って欲しい言葉は、親がまずきちんと言葉にして伝えることが大切です。
「さっきのはママの勘違いだった。ゴメン!」「つい強く言いすぎちゃった。ゴメンね」など、普段から子供に対して素直に謝りましょう。「ごめんなさい」と言われることで自分の心がほどける経験を積めば、自分も「ごめんなさい」と言えるようになるでしょう。
様々な理由で子供にとってハードルの高い「ごめんなさい」の言葉。素直に言えるようになるためには、何が悪いことかを認識する経験や、ごめんなさいを言うことで状況が好転する経験を積むことが大切です。
まずは親が鏡となって、ごめんなさいを言う場面を教えてあげましょう。
PHOTO/Niwat singsamarn/Shutterstock
参照/
mamaPRESS「『ありがとう』や『ごめんなさい』が言える子どもに育ってほしい。そのためにママが心がけたいこと。」
マイナビニュース「子どもが『嘘をつく』『ごめんなさいが言えない』――どうしたらいい?」
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記事提供:ならいごとキッズ マガジン