2015.06.25
他人事だと思ったら大間違い?!考えておきたい『遺産トラブル対策』
遺産トラブルと言うと、豪邸に住むようなお金持ちにしか降りかからない問題だと思いますよね。
「うちには遺産なんてないから!」と言う親の言葉を真に受けていたら、いざとなって兄弟親戚と争うなんてことも?!
自分にもあてはまるかもしれない遺産トラブルについて考えてみましょう。
遺産トラブルの75%が5000万円以下の少額
「金持ち喧嘩せず」なんて言いますが、豪邸に住むようなお金持ちは事前に相続対策を専門家と相談しているのでトラブルになりにくいようです。
むしろ遺産トラブルで裁判所に持ち込まれるのは、5000万円以下の一般的な家庭が75%を占めています。
出典:http://momenaisouzoku.net/souzoku/
1000万円以下は31%とあり、自分にも起こりうる問題だということに気づかされます。
「まさか自分が…」遺産トラブル体験談
「同居していた80歳の母は、この家だけが財産でしたし認知症だったので遺言などは残していませんでした。亡くなってから他県に住む弟夫婦から、財産分与の申し出がありましたが、現金もないので家を売ってそのお金を分配するしかありません。母の介護もしてきて挙句に住むところまで取り上げられ、言いようのない悔しさが残りました。」
「私は一人っ子で母は高校生の頃に亡くなりました。先日、父も亡くなって遺言などはなかったのですが、一等親は遺産をすべて相続できるということで相続しました。すると疎遠になっていた叔父と叔母が「一人で相続するのはおかしい」と、執拗なまでの請求と嫌がらせを受けました。
たいした財産があるわけでもないのにほとんど交流のなかった叔父と叔母から請求され、自分が遺産トラブルに巻き込まれるとは思いもよりませんでした。」
「父が亡くなって自分のためにと残してくれた預金が120万円あることがわかりました。せっかくなので子どもの教育資金の足しにしようと、相続の手続きをしました。ところが数ヶ月後、父に800万円の借金が発覚したのです。今さら相続放棄もできず、多額の借金を背負うことになってしまいました。」
遺産トラブルに巻き込まれないためにやっておきたいこと
少額の遺産でトラブルが多いのは、「大した財産もないから大丈夫だろう」と対策をしないことが原因です。
財産の多い少ないに関わらず、親子関係があるなら考えておきたい問題です。
・親の気持ちを聞いておく
生前に遺産の話をするなんて躊躇してしまいそうですが、後々のトラブルを考えたら必要なことです。「この家で私は育ったんだよね、ここに住むようになったときお父さんたちはどんな気持ちだった?」のように、親の人生や家族に対する気持ちをベースに考えていくとスムーズです。
・資産を把握しておく
すべての資産を把握するのは本人ですら大変ですが、亡くなった後に本人以外が調べるのはもっと大変です。
よく使う銀行や加入している生命保険や借金など、わかる範囲でもノートにしておいてもらうといいでしょう。
・相続する人を確認しておく
隠し子がいないか、家族に内緒で養子縁組していないかなど、相続する人(法定相続人)を確認しておきましょう。特に子どもがいない夫婦は対策が必要です。
・分けられない財産の分け方を決めておく
少額の遺産トラブルで多いのが、住んでいた一軒家だけが財産というケースです。その家をどのようにするかをあらかじめ決めておくと、トラブルになりにくいでしょう。
売って現金を分けるのか、家は誰かが相続して他のものを分けるかなど。
事前に家の価値がいくらくらいかを知っておくと、財産を分ける参考にもなります。
・任せきりにせずわからないことは専門家に頼る
難しいことはわからないからといって、誰かに任せきりにしてしまうのは後々にトラブルになるかもしれません。
特に書類のサインは必ず何の書類なのかを確認するようにしましょう。
相続するような財産なんてないと思っていても、実際の相続は大小問わず細かい手続きなども含め、やらなくてはならないことがたくさんあります。
そのときに「何もわからない」ではなく、せめて親の思いに添った相続ができるようにしておきたいですね。
文/津田マリリン
参照サイト/
日本経済新聞Web刊「相続トラブルを避ける5つのポイント」
親の老後・介護・相続・実家の処分の円満な解決法「あなたも遺産相続トラブルでもめる?」
かねこ行政書士事務所「相続・遺言体験談」少ない財産でもめています
かねこ行政書士事務所「相続・遺言体験談」思いもよらない人達と相続トラブル
津田マリリン
1977年愛知県出身。アプリ開発の経験を活かし、All aboutのiPhoneアプリガイドとして執筆中。ママのためのスマホ&アプリ活用術をお伝えしていきたいです。心理カウンセラーの資格...
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