2015.05.27
実は50%のパパが陥っている!?『パタニティーブルー』とは
待望の赤ちゃんが生まれた後、ホルモンバランスの関係などからママがプチ鬱状態になってしまう「マタニティーブルー」は有名ですが、実は妻の産後に鬱になってしまうパパ達の「パタニティーブルー」というものがあるのをご存知ですか?
「突然悲しくなる、やる気がでない」症状はママと同じ
突然悲しくなったり、やる気がでない、物事に興味がもてないなどの鬱症状が現れる「パタニティーブルー」。
その症状はママ達の「マタニティーブルー」とよく似ています。
医学誌ジャーナル・オブ・ジ・アメリカン・メディカル・アソシエーションには、16カ国で行われた43件の研究結果を基に父親についてのデータがまとめられ、研究結果が発表されました。
それによると、赤ちゃんの誕生3~6か月の間に、パパになった男性の約10%鬱状態になり、その割合は一般男性の2倍にも及ぶそうです。
ママになった女性が「マタニティーブルー」に陥る割合が10~30%であることからみても、決して少ない割合ではなく、また国を越えても発生していることが分かります。
日本人男性の約50%が「パタニティーブルー」を経験
日本には、株式会社Timersによる「出産にまつわるプレッシャーに関しての意識調査」という興味深い調査結果があります。
これによると、なんと日本人男性の約50%が「パタニティーブルー」を経験しているそうなのです。
その実態はパパの3人に1人が「子どもに愛されるか不安」「いいパパになれないかもしれない」というマイナスの感情を抱いたというものです。
「マタニティーブルー」が、産後のホルモン量の変化や、育児による生活環境の変化、肉体疲労など“体”主体の原因が挙げられているのに対し、「パタニティーブルー」はパパとしての不安感や、妻との関係の変化など“心”の問題が原因として考えられています。
解決策は夫婦間のコミュニケーション強化!
赤ちゃんが誕生すると、夫婦の生活環境は大きく変化します。当然のことながら妻との関係も変化し、社会的な立場や役割もおのずと変わっていきます。
個人差はありますが、主にはこの変化に対する不安感が「パタニティーブルー」を生み出しているといえそうです。
この症状を防ぐためには、まず妊娠中から夫婦で話し合い、意識的にパパになる準備をし、環境の変化に備えておくことが大切です。
また、産後も「パパだから」という理由で我慢をしすぎないよう、夫婦でのコミュニケーション強化を意識したいですね。
当然のことながらこのコミュニケーション強化が「マタニティーブルー」を改善するものにもなるはずです。
本来、赤ちゃんの誕生は喜ばしいものであるはずです。不安や不満をため込みすぎることなく、環境を受け入れていくことで、辛い鬱状態を避けることもできるはずです。
しかし、いくら頭で考えても気持ちがついていかないこともあります。
その時には、専門家に相談してみるのも一つの方法といえそうですね。
文/矢野はな
参照/
Famm
Bloomberg.co.jp「新米パパに「パタニティブルー」、産後の「うつ」はママと同じ-研究」