2018.08.08
全国で拡大中!発育に遅れがある子どものための“もうひとつの母子手帳”って知ってる?
低出生体重児や病気や障害などで発育に遅れがある子どもたち。そんな子と母親に向けて作られた“もうひとつの母子手帳”があるのをご存知でしょうか。
全国に広がりつつある“もうひとつの母子手帳”。その内容とは?
“標準”と比べない独自の工夫が満載
妊娠が分かると各自治体で交付してもらえる『母子手帳』。この従来型の母子手帳の場合、子どもが月齢ごとに “標準的に育っているか”をチェックする項目が多いのが特徴でした。
しかし、これが発達に遅れのある子どもを持つ親にとっては、健常児との差に傷ついてしまうことも多々あったのです。
そこで考えられたのが、発育に遅れがある子どものための“もうひとつの母子手帳”。現在民間団体や自治体などで独自の“もうひとつの母子手帳”が作成されており、その内容はそれぞれ異なりますが、従来の母子手帳と併用して使えて、子ども自身の成長ペースに合わせた記入ができるよう工夫されているのが特徴です。
例えば、お座りや一人歩きなど、初めてできるようになった記念日を記入できるものや、赤ちゃんから成人までの医療歴を残せる“健康カルテ”がついているものなど、さまざまなものがあります。
人気の“もうひとつの母子手帳”をチェック!
それではさっそく、民間団体や自治体などで提供されている“もうひとつの母子手帳”をいくつか見ていきましょう。
『新・母子健康手帳』(「日本の母子手帳を変えよう」プロジェクト)
株式会社博報堂と親子健康手帳普及協会が運営する『日本の母子手帳を変えようプロジェクト』が作成したもので、2018年4月現在で216の自治体へ提供しています。
赤ちゃんから成人するまでの医療歴を記録する“健康カルテ”や、親子の記念日の記録、子どもとの向き合い方や子育てのヒントなどのアドバイスが記載されたページなどがあるほか、パパの協力を促す項目やパパになる心構えなど、パパに関連するページも充実しているのが特徴的です。
2016年からはスマートフォン、タブレット向けアプリの配信もされています。
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『+Happy しあわせのたね』(公益財団法人 日本ダウン症協会)
愛知県にあるダウン症児の母親たちが発案した母子手帳で、2015年にパイロット版、17年に完成版を発行しました。これまでに5千部以上を無料配布、ダウンロード版も3千ダウンロード以上を記録するなど多くの反響を得ています。
“あやしたら笑った”“つかまり立ちをした”“階段を上れた”など“初めてできた日”を記録するページや、かかった病気、通園通学の記録などができるページなど、ダウン症の子どもとそのママがポジティブな子育てができるような工夫が満載です。
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『たいせつなきみ -長野県極低出生体重児フォローアップ手帳-』(長野県)
長野県では、出生体重が1,500g未満の低体重児とその母親向けの母子手帳が作成されています。
低体重児で生まれた赤ちゃんは出生直後から長期入院で母子分断されるなど両親の不安も大きくなるもの。そこで、この手帳で発育や発達の記録とともに、療育支援の情報を提供することで、子どもの成長や両親の子育てをサポートすることを目的としています。
『たいせつなきみ -長野県極低出生体重児フォローアップ手帳-』はNICU退院時に配布されていますが、公式サイトよりダウンロードすることもできます。
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低体重児とその母親向けの母子手帳はこのほか、熊本県の『リトルエンジェル手帳』、静岡県の『リトルベビーハンドブック』など、他の一部自治体でも作成されています。
これまでの母子手帳とは違い、発達に遅れがある子どもも、その子のペースに合わせてゆったりとした気持ちで子育てできる手助けになってくれそうな“もうひとつの母子手帳”。
子育て中のママが活用するのはもちろんですが、こういった動きが発育に遅れのある親子への理解につながると素晴らしいですね。
TOP PHOTO/Africa Studio/shutterstock
参照/
ヨミドクター「ダウン症、低体重…「標準」とは比べない、もう一つの「母子手帳」」
LITALICO発達ナビ「ダウン症のある子どもの子育て手帳『+Happyしあわせのたね』刊行!」
マイナビウーマン「「新・母子健康手帳」が158自治体で使用 博報堂」
AllAbout「「他の子と違う…」新母子手帳に見る発達障害の気づき」
mamaPRESS編集部
mamaPRESS編集部です!“「ママ」であることをもっと楽しみたい!輝きたい!”そんなママたちのために「ママ」が知りたい情報だけをお届けしています。mamaPRESSを読むことで、心に...
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