2017.03.16
ちょっと待って!ママのその『手出し』が、子どもの「できた!」を奪ってるかも
筆者は2、3歳児の健診で相談員をしています。ママたちの相談を受けたあとに、興味をもって見る場面があります。それは、相談が終わってママと子どもが帰るときに、子どもの靴をママが履かせるのか、それとも子どもが自分で履こうとするのかというところです。
健診では言葉の相談を受けることが多いのですが、“言葉の成長には、経験が何より大切”と伝えたすぐあとで、“子どもが自分で靴を履く”という経験の機会を奪っている場面によく出くわします。
真面目なママは、“自分がやらなきゃ”と思い込んでいるかもしれません。“この子にできるわけない”というのもあるかもしれません。
でも、ただ単に親が“待てない”だけかもしれません。こうしてよく考えてみると、子育ての中で、親が待てないことで子どもの経験・成長の機会を奪っていることは意外に多いのではないでしょうか。
どこまで親がやるべき?1人でやらせることの見極め
“子どもが王様で親が家来”のように、かいがいしく子どものお世話をしているママにお会いすることがあります。しかし、子どものお世話を何もかもしなければいけないというのは、生まれて間もなくの赤ちゃん時代まで。
自分で歩いて言葉も少しずつ話す1歳くらいから、子育ては、子どもが将来自立して豊かに生きていくために、今どう関わっていくか、何を伝えていくかという視点に変えましょう。
だからといって、まったく無理なことをやらせては、子どもに苦手意識を植え付けるばかりか、ママとの信頼関係まで悪くなりそうです。例えば、このようなとき、いつもどうしているか考えてみましょう。
靴を履く場面
靴をそろえておけば、足を入れることはできるのか。足を入れるところだけ手伝えば、マジックテープは留められるのか。すべてやってあげるのではなく、どこまでやってあげればいいのかを見極めましょう。
子どもが「自分で履けた!」という気持ちになり、次からも挑戦しようという気持ちで終われるといいですよね。
片づけ場面
散らかり放題の部屋を片づけろと言われても途方にくれます。一つ入れる場所を決めて、そこに“そーっと入れる”ゲームをやってみたり、大方ママが片づけて、最後のいくつかを子どもが片づけることで、片づけのスッキリ感を体験させるのもいいでしょう。
ママが楽しく片づけているのを見せて、一緒にやりたくさせるなど、“片づけ=嫌なこと”という常識をやぶってみてはどうでしょう?
待てないのは実は親の都合!?
「待てるようになりたい!」
これは何を隠そう筆者の願いです。待てない。待てない。待てない。
偉そうに書いていますが、理想を知っていてもその逆をやってしまう自分に自己嫌悪の連続です。
なぜ待てないのかを考えてみると、“時間に追われているから”、“時間がかかりすぎるから”、“待っていたって終わりそうにないから”など、理由はたくさんあるのですが、根本的な理由は“せっかち”であり、“自分の時間をそんなことで奪われたくない”という性格的なものが大きいようです。
でも、子どもにはさまざまな経験をさせ、成長を促したい。そんななかで思いついた妥協案は、“いま時間をかけることで、早く私が楽になる”という悟り(?)の境地です。