2017.07.24
子どもが「性同一性障害かも…」と思ったらどうすればいい…?
最近、『LGBT』への注目度が高まっていますよね。
LGBTとは、レズビアン・ゲイ・バイセクシュアル・トランスジェンダーの頭文字をとったもので、性的少数者全般を表す言葉で知られていますが、最近では、渋谷区や世田谷区で、同性パートナー証明の発行が始まるなど、日本でも理解が広まり、制度が徐々に整ってきています。
その中でも特によく知られているのは、トランスジェンダーの1つである『性同一性障害』ではないでしょうか。
一般認知度も高くなっている今、「男の子だけどお人形あそびやおままごとばかりしている…」「女の子なのにスカートを絶対に着たがらない」などの傾向が子どもにあると、少し心配だと感じる方もいるかもしれません。
性同一性障害とは?
テレビ番組やニュースなどで『性同一性障害』というワードをよく耳にしますが、一体、どんなものなのでしょうか。
性同一性障害は、生まれ持った生物学的な(身体の)性別と、本人が認識している(心の)性別が一致しない状態を指します。心の性と身体的な特徴が一致しないため、身体的な性別を心の性に近づけるために医療的な処置を希望する方もいます。
また、男女どちらかではなく、その中間、男性でも女性でもないという自己認識を持っている場合もあり、性同一性障害の定義も変わってきているようです。
近年では性同一性障害ではなく、『性別違和』という名称を使おうという動きもあります。
子どもは違和感をうまく表せないことも…気付いてあげたいサインとは?
Photo/Monkey Business Images/Shutterstock
性同一性障害の子どもは、通常は小児期に違和感を抱きはじめます。しかし、子どもはその違和感をうまく言葉で表現できず、大人に伝えるのが難しいということも珍しくありません。
そのため、親や周囲の大人もなかなか気づけず、子ども自身が「周りの子と自分はなんだか違う」「この違和感を周囲に伝えたら仲間はずれにされるかも」などの不安から打ち明けられなくなり、1人で悩んでしまう場合も…。
小児期のうちに、子どもが抱いている違和感に、ママや周囲の大人が気づいてあげることが大切です。
性同一性障害の子どもは、何かしらのサインを出している可能性があります。
男の子の場合…
- 女の子が好む遊びを好み、女の子と一緒に遊びたがる
- スカートなど女の子向けの服を着たがる
- 海水パンツなど男の子の服装を嫌がる
- 大きくなったら女性になると主張する
女の子の場合…
- ごっこ遊びでママなど、女性の役割に興味がなく、女の子の典型的な遊びを拒む
- 男の子と一緒に遊びたがる
- スカートなど女の子の服装を嫌がる
- 大きくなったら男性になると主張する
このようなサインが、代表的なものです。
しかし、こういった行動をしているからといって、必ずしも性同一性障害だとは限りません。もしかして…と気になり、子ども自身も違和感を抱いているようなら、一度、専門機関へ相談してみることをおすすめします。
否定は絶対NG!親が理解者になってあげて
体の性と心の性が一致せずに悩んだり苦しんだりしている子どもに対して、「どうしてスカートは嫌って言うの!」「いいから着なさい!」「その遊びはやめたら?」など、体の性へ無理に合わせるようなことを言うのはNGです。
「誰も自分の気持ちをわかってくれない」「真剣に取り合ってくれない」と思ってしまうと、心を閉ざし、誰にも相談できなくなってしまうおそれがあります。
周囲の理解が得られず、例えば学校の制服や体育の授業などで、何の配慮もされなかった場合、不登校になってしまったり、ひどい場合には自殺を考えてしまったりする子も。
子どもの悩みに寄り添い、親が一番の理解者になって、早めに心のケアをしてあげましょう。
性同一性障害のサインは小児期から表れますが、思春期が近づくにつれてはっきりしてくることが多いといいます。まずは経過をそっと見守り、必要に応じて専門医のいる病院など専門機関へ相談しましょう。
また、身近にこういった症状の子どもがいるなら、柔軟な対応をしてあげたいですね。
Top Photo/Tomsickova Tatyana/shutterstock
参照/
Huffington Post「同性パートナーシップ証明書とは 今までと何が変わる? わかりやすく解説」
医療財団法人ハートクリニック「小児期の性同一性障害(こころの病気のはなし/専門編)
クローズアップ現代+「子どもの性同一性障害~揺れる教育現場~」
メディカルノート「性同一性障害を自覚する子どもへの対応」
レインボープライド愛媛「性的マイノリティ基礎知識」
mamaPRESS編集部
mamaPRESS編集部です!“「ママ」であることをもっと楽しみたい!輝きたい!”そんなママたちのために「ママ」が知りたい情報だけをお届けしています。mamaPRESSを読むことで、心に...
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