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子ども

2016.08.20

義務感で行くんじゃもったいない!乳幼児健診の楽しみ方

義務感で行くんじゃもったいない!乳幼児健診の楽しみ方

「平日で仕事を休めない」「人込みで待たされそうだし、特に問題なさそうだから今回はいいか」「なんか言われたら嫌だから、ササッと終わらせちゃおう」…乳幼児健診に対して、こんなことを思っていませんか?

健診は、地域の子育ての専門家たちとともに、子どもの成長を喜び確かめ合う場でもあります。せっかくなので、楽しまなければ損!なんです。

今回は1歳半検診3歳児健診について、どのようなことをしてどんな意味があるのか、実際に筆者が健診の相談員として関わった立場からお伝えします。

1歳半健診の内容と意味

1歳半健診は、自治体にもよりますが多くの場合、1歳半~2歳までの間に集団で行われています。検診では、医師、歯科医師、保健師、栄養士、臨床心理士などの専門家が、子どもの体の発達や異常がないか確認します。歯、口の中のチェック、離乳食から普通食への移行の状態、心や言葉の発達状態、ママの健康状態や家族の状況などまで確認します。

素人目にはわかりにくい斜視や、骨、皮膚の微妙な異常、普段ずっと一緒にいると気づきにくいクセや行動の特徴を見つけてもらえることもありますし、この時期にこそ大切な栄養素の摂取アイデアなどを教えてもらえることもあります。

またこの時期に、大きなポイントになってくるのが、言葉の発達です。自治体にもよりますが、いくつかの意味のある言葉が出ているかどうかのチェックがされることが多いようです。

言葉は出ていないけど、理解はしているのか、コミュニケーションの方法はどのようなものか、指さしはどんな場面で出るのか出ないのか、言葉以外の力の成長はどうなのかを総合的に確認し、毎日の生活でできるような言葉を育てるヒントを教えてくれたり、今後の見通しを伝えてくれたりします。

3歳児健診の内容と意味

3歳児健診は、こちらも自治体によりますが、3歳から4歳の間に集団で行われることが多いようです。内容は、1歳半健診のものに加え、視力、聴力の検査や、尿検査が加わります。また、多くの子どもが集団に入っていく時期でもあるために、言葉やコミュニケーションの発達とともに、行動面や生活習慣、しつけといった社会性の成長の確認も大切になってきます。

4歳、5歳児の健診がない自治体では、就学前の最後の成長確認の場でもあるため、子どもの健やかな成長と家族の安定を全般的に診る場となります。自治体によりますが、簡単な視力、聴力検査を家庭で行ってくるよう指示される場合があります。でもママが忙しかったり、子どもが指示を理解できなかったりしてそれらの検査が事前にできないことがあります。

また、尿検査のための採尿も、まだオムツが外れていなかったり、タイミングが合わずに採れなかったりすることがあるかもしれません。でもこれらは当日会場でできれば良いし、また後日でも大丈夫です。

健診では、子どもがきちんと答えられなくても大丈夫。相手をどう意識しているか、徐々に緊張がほぐれてくるのかなど、子どものさまざまなサインを見ています。大切なのはママからの普段の情報なのです。ママと子どもの3歳までの確かな歩みを、地域の専門家に診てもらいましょう。子どもの成長に太鼓判を押してもらえれば、親子ともに励みになりますよ。

健診の楽しみ方

健診に行ったからには「疲れただけだった」ではなく、実のあるものにしたいですよね。そのためにはどんどん質問しましょう。こんな質問してもいいのかな?という遠慮はいりません。

また、「何か質問はありますか?」と聞かれても、すぐには思い浮かばないものです。つねに、体、歯、耳、目、食事、排泄、睡眠、遊び、クセ、生活習慣、ことば、コミュニケーション、テレビなど、気がついたことはメモをしておきましょう。

さらには、パパや他の家族にも気になることがないかを確認しておくと、意外な視点がみられたりすることもあります。質問が専門的な内容や、込み入った内容だと、別室の相談員の部屋へ案内されるかもしれません。そうなったら、“しめた”と思ってください。

多くは、子どもの喜びそうな玩具のある部屋で、臨床心理士や臨床発達心理士、言語聴覚士などの相談員が丁寧にママの話を聞き、子どもの遊ぶ様子も見ながら、ママの心配事を受け止め、よりよい解決法を提案してくれますよ!

健診に行きたくないと思ったときにこれを読んで!

さまざまな事情で健診に行きたくないと考えるママも多いようです。そんなママたちに伝えたいことがあります。

“仕事が忙しい”ママへ

ママばかりがすべてを背負わないで、誰かに頼んでもいいのです。パパがもしかしたら、運よく有給が取れて、喜んで行ってくれるかもしれませんよ。おじいちゃん、おばあちゃんでも、頼りにされたらがんばってくれるかもしれません。

また、家族に頼れない方でも相談すれば、自治体から指定された日以外の他の日や月へ調整してくれる場合もあります。

“かかりつけのお医者さんに診てもらってるから必要ない”ママへ

普段から専門的なサポートを受けていることは、とても心強いことだと思います。しかし、健診で同じ年齢の子どもやそのママたちと一堂に会する機会に参加し、同じ地域で子育てをする仲間を知っておくことや、さまざまな個性をもつ子どもたちの様子を見ておくことは、ママの子育て力をあげてくれますよ!

“検査をされるようでイヤ”なママへ

わが子のことは自分が一番知っているのに、ちょっと会った他人にとやかく言われたくないかもしれません。でもここでの検査とは、子どもの成長や個性を確認し、今後の子育てに活かしていく意味合いが強くなります。ちょっと客観的な立場で、わが子と大人がやりとりをしている姿を見てみると、意外な子どもの姿が発見できるかもしれませんよ。

“自分の子育てが否定されそうで怖い”ママへ

健診で「もっと気持ちを楽にしていいんだよ」「こんなアイデアもあるけど、良かったら試してみない?」といったアドバイスをもらえることがあります。また、ママのがんばりだけではいかんともしがたい、子どもの個性についても、専門家として意味のあることを教えてもらえるかもしれません。

“子どもの発達が心配。だから何か言われたら怖い”ママへ

「うちの子なんか違う気がする」という気持ちと、「これは個性だから」「そのうち追いつくから」という気持ちを抱えながら、日々育児をこなすママは他にも大勢いますから、安心してください。それに病院に行っても、なかなか何名もの子育てや発達の専門家がさまざまな角度から診てくれる場はありません。

健診は、診断の場ではないので、子どもの様子やママの話を聞いて、必要があれば保護者の了承を得てそのあとも経過を見守ることが多いです。子どもを見守る応援団が増えるというイメージが近いと思います。また逆に、専門家から「平均の範囲内、心配のし過ぎ」と言われたり、ママも気づかない子どもの強みを指摘されたりして、元気になって帰っていくママもいるんですよ。

健診は、人と人とが出会う場なので、相性もあるし、すべての人が満足できるというのは難しいかもしれません。でも、地域の子どもをみんなで見守りながら、安全に健康に育てたい、という願いは同じです。ぜひ、質問をたくさん書いたメモを持って、楽しんで健診に行ってきてくださいね!

PHOTO/Arkadiy Pavlov
参照/ Wikipedia「乳幼児健康診査」

あおみ

あおみ

まさかの高齢出産にて自分が母となり、現在5歳の女の子を子育て中です。これまで、乳幼児健診や療育施設、病院等で、ことばとコミュニケーション、発達について、様々な心配を抱え...

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