2016.05.18
子どもの貧困や一人親を助ける『こども食堂』って?
子どもの貧困が話題になる今、あわせて『こども食堂』という取り組みについてもニュースで取り上げられることが多くなりました。『こども食堂』とはボランティアの方々によって運営され、無料もしくはわずかな金額で栄養バランスの良い温かい食事を提供するサービスのことです。
経済的な理由などで満足に食事をとれない、忙しくて夕食の準備ができないという親を持つ子どもやその親を救済することを目的としています。
子どもの貧困は過去最も深刻な状況に
現在日本国内で『貧困』の状態にあるとされる17歳以下の子どもは全体の16.3パーセントといわれています。つまり、6人に1人は苦しい生活を強いられているという現実があるのです。
その背景には一人親家庭や非正規労働などさまざまな要因がありますが、『食事は1日に一度、給食のみ』とか、『母親が仕事で忙しくて、夕食はいつも一人ぼっちでカップ麺を食べる』といった食生活を送っている子どもも多くいます。
そういった子どもを対象に、食材などを寄付によってまかない、おいしくてバランスの良い夕食を提供しようと始まったのが『こども食堂』です。
子どもも親もコミュニケーションをはかることができる
子ども食堂の一番の目的は食事の提供なのはもちろんですが、ここに集まる親子にとっては人とのコミュニケーションをはかれる貴重な場所となっています。
たとえば、いつも一人きりで夕食をとっていたという子どもは、こども食堂を利用することによって『人がいる』場所で食事をとることができるようになります。そこで、ボランティアの方や同じように食堂を利用している子どもたちやその親など、いろいろな人とコミュニケーションを取る機会ができます。
日々のちょっとした出来事などの世間話や、自分が抱えている悩みを話したりすることで人との関わりを学んだり、失っていた自信を取り戻す子もいるようです。
親にとっても忙しい合間にちょっと体と心を休める場所であったり、同じような境遇の人と話をして悩みを共有したり、大切な場所となっています。特に、ひとり親家庭の母親は孤立してしまいがちといわれていますが、食堂を利用することで人や地域との関わりをしっかり持つことができるようになるのです。
子どもの貧困の解決にはさまざまな課題が挙げられます。今の子どもの貧困は『見えにくい』『分かりにくい』ことが特徴だと専門家は言います。だからこそ、このような取り組みをもっと広げることで親から子への貧困の連鎖を少しずつ断ち切ることを社会全体で考えなければならないのかもしれませんね。
mamaPRESS編集部
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