2017.05.23
見逃すと危険かも!?子どもの『遠視』は早期に発見すべし!
実は、生まれつき持つといわれる“遠視”。小さい子どもの頃は気づかずに見過ごされてしまうことが多いんです。筆者自身も気づいたのは小学校高学年で、自分が遠視であることに親も気づきませんでした。子どもの遠視を放っておくと将来、悪影響を及ぼすことも…。
遠くも近くもボンヤリして見にくい『遠視』
私たちの目は、カメラと同じような作りをしています。虹彩(茶目)はカメラの“絞り”、水晶体はカメラのレンズ、網膜はカメラのフィルムと同じような役割になります(※)。
ものを見るときは虹彩で調整された光を水晶体で屈折し、網膜にピントを合わせてものを見ています。しかし、網膜面からずれてピントが合ってしまうとピンボケとなってはっきり見えません。
網膜面より前でピントが合う目を近視、後ろでピントが合う目を遠視といいます。
※こちらのサイトで詳しい図をご覧いただけます。
遠視の主な症状
- 遠くも近くもぼんやりしていて見にくい
- 目が疲れやすい
- 寄り目(内斜視)になる
- 集中力に欠ける
ピント調整力が大きいため、子どもの遠視に気づきにくい!
赤ちゃんの頃は眼球自体が小さいため、ほとんどが遠視です。体の成長と共に眼球も大きくなるので、解消されていくのが一般的。ただ、遠視が強い場合は解消されないこともあります。
遠視は生まれつきのため、それが当たり前だと思っているので、自分から見えないとは言いません。その上、子どもはピント合わせようとする調節力が大きく、遠視があっても不自由しない程度に見えていることも多いそうです。
親が子どもの遠視を発見するためのチェックポイント
Photo/Milan Bruchter/shutterstock
子どもは調整力が強く、症状が現れにくいため、本来は眼科医でなければ見つけることが難しいものです。筆者自身も小学校高学年の頃に別件で眼科へ行って検査したところ、遠視と判明しました。親もまったく気付かずに驚いたそうです。
遠視は見過ごしやすいので下記のポイントを参考にしながら、少しでも心配に思ったときは眼科で検査をしてもらうことをおすすめします。
- 疲れやすい
- 読書やお絵かきなどの細かい作業が長続きしない
- 集中力がなく、飽きっぽい
- 寄り目(内斜視)になることがある
- ときどき、見えにくそうにする
筆者のママ友に、遠視の子どもがいます。3歳児検診の際に配布された視力検査ツールを自宅で行ったところ、見え方がおかしいと感じたそうです。その後、眼科で検査して遠視と診断され、メガネをかけています。
乳幼児健診や就学時健診などで行われる眼科の検診を、きちんと受けることが大切です。
遠視を放っておくと、弱視や寄り目になる!
Photo/holbox/Shutterstock
遠視を見過ごすと、将来さまざまな問題が起こる可能性があります。
弱視になる
子どもの視力は、ものをしっかり見ることで刺激されて視力が発達していきます。遠視があると、いつもピンボケの像しか見ていないことになって刺激が足りず、視力が十分に発達せず弱視となってしまいます。
寄り目(内斜視)になる
ピント調節の際に、両目の視線も寄ってしまう場合があり、寄り目(内斜視)になってしまいます。
勉強や仕事の効率が上がらない
常に目のピント調節が必要なため、目や体が疲労しやすく、勉強や仕事に集中することが難しくなります。
遠視の治療法とは?
基本はメガネをかけることになります。子どもは調節力が強いので、そのままでは正しい屈折度がわかりません。一時的に調節を麻痺させる点眼薬をさして、検査を行う必要があります。筆者も点眼薬をさすことで、見逃されていた遠視を発見しました。
筆者は遠視が分かってからメガネをかけ、高校生以降はコンタクトレンズを付けています。弱視や内斜視になることは避けられましたが、もう少し早く発見できていれば、大人になった現在でもコンタクトで矯正する必要はなかったのかもしれません。
見過ごされがちな子どもの遠視。放っておくと深刻な問題に発展する場合もあります。定期健診ではしっかりとチェックするのはもちろん、普段の生活を通して思い当たることが少しでもあったら、眼科医に相談してみてくださいね。
PHOTO/Africa Studio/Shutterstock
参照/
日本眼科医会「子どもの遠視」
みなと眼科クリニック「遠視(内斜視・弱視)の検査・治療」
いしゃまち「遠視はなぜ起こる?どんな症状なの?」
Kayoko*
二児のママ。 大学では心理学を専攻。 卒業後はメーカーに勤務し、営業・商品企画を経験。結婚後は自宅にて小論文添削。現在はWEBライターとして活動中。 仕事・育児・趣味のディ...
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