2016.06.23
正しく使えばこわくない!『ステロイド』のウソ・ホントを知ろう!
子どもの肌トラブルがあったときに『ステロイド』の薬を処方されたことがある、というママも少なくないかと思います。
けれど『ステロイド』といえば、あまり使わないほうがいいと聞くことも多いですよね。「使っていて大丈夫かな…」と不安になってしまうこともあるのではないでしょうか。
でも、『ステロイド』は正しく使えばこわいものではありません。正しい知識を知っておきましょう!
『ステロイド』は肌トラブルの強い味方!
肌に何か異常がある場合、一緒に『かゆみ』が感じられることも多いですよね? かゆみは我慢することが難しく、かいてしまうと、症状を大幅に悪化させてしまうことがあります。
『ステロイド』は、強い抗炎症作用のある薬です。そのため、かゆみの原因になっている炎症も、一緒に抑えることができます。肌トラブルにはとても効果的な薬なのです。春・夏のあたたかい季節は、汗や紫外線によるトラブルが増えます。虫刺されや、あせもなどに襲われることもあるでしょう。
秋・冬であれば、湿度がひどく下がるため、乾燥肌やしもやけなどに悩むこともあるかもしれません。そんなときに、1年を通して『ステロイド』は、肌を健康に保つための味方になってくれるのです。
“よくある誤解”について知っておこう
効果的に利用するためには、ネガティブにいわれることの多い『ステロイド』について、正しく理解しておく必要がありますね。
“ステロイドは体内に蓄積されてしまう”は、ウソ!
そのような効果はありませんし、“蓄積されてしまうから、手放せなくなるし、どんどん強いものに変えていかなければならなくなる”というようなことも、ありません。ただし、アトピーなどの慢性的な疾患で長期的に薬の使用をする場合は、量や強さなど、しっかりとお医者さんの指示に従うことが必要です。
“糖尿病や骨粗鬆症の原因になる”は、ウソ!
注射などで大量に投与したり、強力な飲み薬を長期的に服用したり、ということでなければ、そのような事態は起こりません。肌に塗るタイプの場合は、まず心配しなくて大丈夫です。
“ステロイドを使うと肌が黒くなる”は、ウソ!
肌が黒くなって見えるのはステロイドに限らず外用薬の“添加物による日焼け状態”、“炎症が回復している途中”などのせいだそうです。
もちろん、使用には注意も必要です!
正しく使えば強い味方になってくれる『ステロイド』ですが、他の薬と同じく、当然、使用には注意も必要です。
基本的な“正しい使い方”
- 塗る場所は清潔にしておくこと。お風呂上がりの、ほてりがおさまってくるくらいのタイミングがいいようです。
- 回数と塗るタイミングは、説明書や医師の指示に忠実に!
- 量と塗る場所は患部だけに、適切に。
代表的な注意点
長期間の使用は避ける
数日〜1週間しても効果がない場合は、皮膚科を受診すること。
2週間以上の“長期使用”は、医師の指導のもとで行う以外はやめたほうがいいようです。
医師の指導で薬を使っているうちは“勝手にやめない”
肌の状態と薬の効果とを、しっかりと把握し、コントロールすることが大切です。薬をやめるかどうかには専門家の判断が必要なのです。
患部が広い・症状が強いような場合は、自己判断をしない
早めに皮膚科を受診することが大切です。
『ステロイド』は、むやみに怖がる必要はありませんが、不安なく使えるために有効なのは、やはり“病院で相談し、処方してもらう”こと。皮膚科の先生に、こまめに様子を見てもらえるのが一番です。子どもの肌のためにも、ママの安心のためにも、不安がある場合にはすぐに皮膚科に行くようにしましょう!
参照/
田辺三菱製薬「おしえて薬剤師さん『ステロイド剤の基礎知識と上手な使い方』」
ふじい皮ふ科「ステロイド外用薬の副作用について」
佐原チハル
2013年、無痛分娩にて出産。ハニーと二人三脚、子育て奮闘中のフリーライターです。執筆内容は、コラム・書評・ゲームシナリオなど雑多。性や恋愛に関するユースワーカー業・書店...
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