〇〇を履く男性は精子の質が高い!?下着が男性不妊対策になるかも！

近年、不妊に悩む夫婦が増えていますが、WHO（世界保健機関）の不妊症原因調査によると、男性が原因の不妊割合は実に48％も（不妊の原因が男女どちらにもある場合も含む）！　また、過去30年の調査では、日本人男性の精子数に10％の減少が認められているといいます。

そんな中、男性の下着のタイプが精子の質や量に影響しているという興味深い研究結果が発表されているのをご存知ですか？　今回は、男性の下着と精子の関係についてご紹介します。

履くならボクサーパンツよりトランクスがおすすめ!?

下着の種類と精子の質・量との関係を発表したのは、アメリカのハーバード大学の研究チーム。

調査は2000年～2017年にボストンの病院で不妊治療に訪れたカップルの、18～56歳の男性656人を対象に行われたもので、調査対象の男性に日常的に履いている下着について回答してもらったところ、トランクスを着用している男性は、ブリーフ、ビキニ、ジョッキー（密着型の下着で、丈が膝上まである）を着用している男性に比べて精子の濃度が25％高く、精子の総数も17％多かったそうです。

また、子宮内の受精にかかわる運動能力が高い精子の割合についても、トランクス着用者の方が33％高いという結果が！　しかもこれらの結果は、肥満や喫煙などの要素を考慮しても同じ傾向が見られたのだといいます。

近年日本人男性が履く下着といえば、ボクサーパンツが多い傾向にありますが、この調査結果から考えると、不妊に悩む男性であればボクサーパンツなどの体にフィットする下着を着用するよりも、体を締め付けないトランクスを着用した方がよいのではないかということになります。

なぜトランクスが良いの？

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そもそも、なぜトランクスはほかのタイプの下着に比べて、精子の質・量の割合が高い傾向にあるのでしょうか。

実は睾丸の温度は体温より低く保つ方がよいということは以前から知られており、近年の研究ではさらに、“睾丸は自然にぶら下がり、一般的な体温37℃より3～4℃低いくらいが精子の生成に適している”ということがわかりました。

ぴったりした下着を履くと男性器が体に密着してしまい、精巣の温度が上がってしまいます。トランクスのようにしめつけない下着の方が、精子の生成に適した温度を保つことができるということが、調査によって裏付けられたのです。

また下着だけでなく、細身のぴったりしたボトムスも男性器を体に密着させてしまうので、ゆとりのあるものを選んだほうがよいでしょう。さらに、長時間自転車に乗ることも、サドルに男性器を密着させ精巣の温度を上げてしまうので注意が必要ともいわれています。

今回の研究だけでは根拠に乏しいという意見も

その一方、今回の研究では、下着を変えたら精子数に変化があるのか、という点については調査されていないため、不妊対策への根拠には乏しいという意見もあります。また、精子数の多さと繁殖力は必ずしも関係するとはいえないことも、考慮しなくてはいけないでしょう。

男性の不妊にはさまざまな原因があり、原因不明のものも多いのです。

下着を変えるだけでただちに不妊が解消するとはいえませんが、下着をトランクスにするという行動は、すぐにでも取り組むことができるもの。不妊に悩んでいるカップルは、ひとつの可能性として下着をトランクスに変えてみることを試してみても良いかもしれませんね。

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参照／ MIDS男性不妊ドクターズ「男性不妊症の基礎知識」
ニューズウィーク日本版「トランクス着用で「精子の量と質」が向上：最新調査で裏付け」
Gigazine「トランクス派の男性はブリーフ派よりも精子の数が多い」
助産院ばぶばぶ「パンツはトランクスでお願いします」