2016.06.20
生後半年間が勝負!全身保湿でアトピーの発症を防ぐ!
赤ちゃんが生まれると、何かと心配はつきものですよね。特に、近年増加傾向にあるといわれているアトピー性皮膚炎や食物アレルギーについては、自分の赤ちゃんが発症してしまうのではないか、ということが気になる方もいらっしゃるでしょう。
実際、パパやママが花粉症などのアレルギーを持っていると、赤ちゃんがアトピーになってしまう可能性が高まるといわれています。でも、体質だからと諦めるのはちょっと待って! なんと、アトピーの予防法が発見されているんです。未然に防ぐことができるのであればぜひその方法を知りたいですよね!
今日はそんなアトピーの予防法をご紹介いたします。
赤ちゃんのアトピーの予防には毎日の全身保湿が有効
現代病のひとつに数えられ、アレルギーの一種であるアトピー性皮膚炎。一度発症してしまうと、そのかゆみと戦い続けなければなりません。赤ちゃんのうちにアトピーを発症してしまうと、力加減がわからない赤ちゃんは自分の肌をかきむしって血だらけになってしまうこともあります。
アトピーの症状を緩和させる主な方法はステロイドの使用ですが、アトピーを発症させないようにできるのであれば、それに越したことはありませんね。
実はそんなアトピーを予防するために、生後半年間のスキンケアが重要だということが研究結果によりわかりました。
国立成育医療研究センターの臨床研究により、赤ちゃんに保湿剤を全身に塗り続けることで、アトピー性皮膚炎発症のリスクを32%減らすことができると明らかになりました。
アトピーの予防法を発見した研究内容とは?
まず、家族の誰かにアトピー性皮膚炎の疾患歴がある生後間もない赤ちゃん118人を59人ずつ、AとBの2つのグループに分けました。
①Aのグループには市販の保湿剤を毎日全身に塗る
②Bのグループには乾燥している部分にのみワセリンを塗る
これを8カ月間続けた結果、Aのグループでは19人がアトピー性皮膚炎になったのに対し、Bのグループでは28人がアトピー性皮膚炎になりました。
つまり、市販の保湿剤を使って全身保湿を続けたAのグループの方がアトピー性皮膚炎になる割合が低かったのです。このことから、赤ちゃんのアトピー予防には、毎日全身を保湿することが有効だと結論づけられました。
そもそも赤ちゃんの皮膚はバリア機能が未発達なため、皮膚を通して抗原が体内に入りやすく、その結果アトピーを発症すると考えられています。この皮膚のバリア機能の役割を、保湿剤が果たすというわけです。だから全身保湿が大切なのですね!
ところで、保湿剤として知られるワセリンですが、実は保湿成分は入っておらず、厳密には保湿剤とは呼べないそうです。このため、ワセリンでは皮膚のバリア機能を劇的に高めることにはつながらず、アトピーの予防という観点からは、市販の保湿剤の方が適していると考えられています。
毎日の全身保湿で完全にアトピーを防げるわけではありませんが、それでも発症確率を下げることができるのであれば、ぜひ取り組みたいものですよね!
全身保湿でアレルギーからも赤ちゃんを守ろう
先ほどの研究では、乳児期のアトピー性皮膚炎が、食物アレルギーなどのアレルギー疾患を発症させる原因となりうることも指摘されています。また、アトピーを発症すると成長とともに、ぜんそくや花粉症など他のアレルギー疾患が連鎖的に起こってしまうともいわれています。
つまり、アトピーを防ぐことで、結果的に食物アレルギーやぜんそく、花粉症などのアレルギーをも防ぐことができるかもしれないのです。
大切な赤ちゃんを、アトピーやアレルギーから守るために。赤ちゃんが生まれたら、ぜひ毎日、たっぷりの保湿剤で全身スキンケアをしてくださいね。スキンシップや安心感を与えるためにもおすすめですよ!
参照/
国立研究開発法人 国立成育医療研究センター「世界初・アレルギー疾患の発症予防法を発見(アトピー性皮膚炎発症が卵アレルギーの発症と関連)」
Dot「アトピー予防のカギは「生後半年のスキンケア」 その方法は」
mamaPRESS編集部
mamaPRESS編集部です!“「ママ」であることをもっと楽しみたい!輝きたい!”そんなママたちのために「ママ」が知りたい情報だけをお届けしています。mamaPRESSを読むことで、心に...
詳しくはこちら