2017.06.20
子どもの将来に関わることも?忙しすぎる親子が陥りやすい罠とは?
都市部の小学生の通塾率が過半数を超えるとの報告が上がるなど、“忙しい子ども”が増えています。
放課後の予定は毎日塾や習い事で埋まっていたり、1日に2つの習い事をかけもちしていたりする小学生も珍しくありません。習い事も塾も、一生懸命に、楽しんでくれているのであれば、もちろん良いことなのですが、一方で注意すべき点もあります。
“塾や習い事が忙しすぎる”子どもの親、特にママは、子どもの将来に関わる重大なミスを犯してしまう可能性があるのです。
“忙しすぎる子ども”のママが陥りがちの罠とは?
Photo/Karramba Production/Shutterstock
塾に習い事にと忙しい子どもを持つ親、特にママは“過干渉”になりがちです。
小学生の子どものスケジュールを分刻みで管理・決定し、行動を指示し、次の日に不足がないようすべてを完了させようとするためには、過干渉にならざるを得ないのです。
しかし、筆者が教員免許取得時にお世話になった教育関係者いわく、「ママが子どものスケジュール管理にある程度干渉していいのは、小学校1年生まで!」とのこと。それ以降については、自分のスケジュールは自分で管理すべく、子どもに主舵をとらせる必要があるようです。
ママはあくまで補佐、サポートに回るべきなのです。
なぜ多忙な子どものママは、過干渉になりやすいの?
学校から帰りランドセルを置くなり、バッグと夕飯用のおにぎりを持って塾へダッシュ! ひとつ目の習い事を済ませてから、外で待機していたママの車に乗り込み、車内で夕飯を取りつつ塾に向かう、“かけもち”の曜日もあり…。
習い事や塾を終えて帰宅後も大忙し。学校や塾の宿題・予習復習、翌日の学校の支度、やることは山積みだけど、テレビも見たいしマンガも読みたい、でもお風呂にも入らなくちゃ…。
こんな激務の社会人並みの多忙なスケジュールを滞りなく消化できる小学生は、ごく一部でしょう。
多忙な子どものほとんどが、スケジュールを管理し、1日のタスクをこなすために、ママの力が必要になってきます。けれども、やはり子ども。切羽詰まろうともなかなかママの思うようには動いてくれません。
ママが、“子どものために”細かく指示を出し過干渉になってしまうのもやむをえないのかもしれません。
ママによる“完ぺきなスケジュール管理”の弊害とは?
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多忙な子どものママは、塾・習い事に出発するまでの時間または、子どもの就寝時間に間に合うよう分刻みのスケジュールを組んでいきます。
「早く早く!」と子どもを急かしながら、多くのママが言うのはこんなことではないでしょうか。
「○分までに学校の宿題を終わらせて、明日の塾の予習をやりなさい。」
「○時までに宿題が終わらなかったら明日の朝にやればいいわ。ママが○時に起こしてあげるから。」
「塾の予習はあとでいいから、とりあえず先に学校の宿題をやっちゃいなさい。」
ママが、子どもために学習内容や予定・時間といった“学習計画”を立て、果ては行動に至るまですべてを決定してしまっているのです。
さらに、子どもが朝寝坊をすることを見越して、翌日の時間割をそろえてあげるばかりか、洋服までも準備しておくママもいるといいます。
そして、子どもにとって、この過干渉が日常になってしまっているため、何も考えず素直に従うことも問題です。ママの指示に従っていればやるべきことは終わるし、就寝時間にも間に合うことがわかっているので、“自分で考えて行動すること”をやめてしまっているのです。
ママに従っているほうがラク、と考える子どもも多いといいます。ママの過干渉が、子どもから“考えて行動する能力”を奪ってしまっているのです。