アルコールやエタノールは効果なし！ノロ・ロタの二次感染対策は『キッチンハイター』が有効！

ノロウィルスが落ち着いてきたと思ったら今度はロタウィルス…。例年立て続けに流行シーズンを迎えるこれらのウィルス性感染症。もしも子どもがかかってしまったら、家庭内での二次感染を防ぐにはどうしたら良いのでしょうか。

冬から春にかけては感染症の流行シーズン

毎年冬から春にかけてはウィルス性感染症の流行シーズン。11月から1 月にかけてノロウィルスがピークを迎えたあとには、今度は2月から4月にかけてロタウィルスの流行シーズンが到来と、まさに気を抜けない状況です。

ノロもロタも、症状としてはどちらも嘔吐や下痢が主ですが、ノロウィルスは発熱の頻度は低く嘔吐の回数は1日10回以上になることも。一方で、ロタウィルスは発熱（38℃以上）頻度が高く、嘔吐回数は少なめで、白っぽい水様便が出るのが特徴です。

また、ノロウィルスは全ての年齢の人がかかりやすいのに対して、ロタウィルスは生後2ヶ月から2歳くらいの子どもがかかりやすいとされています。

家庭内二次感染に注意！

子どもがノロやロタにかかってしまったとき、注意しなければいけないのが“家庭内二次感染”です。

これらは主に飛沫感染や接触感染、経口感染など人を介して感染していくので、看病しているうちに自分や他の家族も次々に感染してしまうことも。家庭内の二次感染を予防するには、まずは患者との接触を避け、できることなら隔離するのがベストです。

特に嘔吐物や排泄物にはウィルスが多く排出され、感染力も高くなっているので処理するときは細心の注意が必要です。突然の子どもの嘔吐や下痢はつい慌ててしまうものですが、この処理方法を誤るとあっという間に一家全滅…ということも十分にありえます。

慌てずに正しい方法で処理することが何よりも大切です。

アルコールやエタノールは効果なし！正しい処理方法は？

嘔吐物や排泄物を処理するときには使い捨ての手袋を使い、マスクも着用します。

まずは嘔吐物・排泄物をキッチンペーパーなどで取り除きますが（ポリ袋などに密閉して捨てる）、残った嘔吐物・排泄物の上にはキッチンペーパーを被せ、上から消毒液（次亜塩素酸ナトリウム）をかけて汚染範囲を広げないよう床などをきれいに拭き取りましょう。

消毒液と言えば一般的に思い浮かぶのはアルコールですが、ノロウィルスやロタウィルスなどには実はこれらの消毒液は効果が期待できません。

効果があるのは“熱湯消毒”と“次亜塩素酸ナトリウム消毒液”です。この次亜塩素酸ナトリウムは家庭にある『キッチンハイター』などの家庭用塩素系漂白剤に含まれることが多いため、該当する漂白剤がある場合はそれを代用して消毒液を手作りすることもできます。

便や嘔吐物が付着した床や便器には、家庭用塩素系漂白剤の濃度にあわせて50～100倍に薄めて使用します。

500mlのペットボトルのキャップは約5mlなので、ペットボトル1本分の水（500ml）にキャップ1杯の漂白剤を入れれば100倍、2杯で50倍の希釈液ができます。原液濃度が5%の場合は50倍、10%なら100倍に薄めて使いましょう。

嘔吐物が付着した服は100倍に薄めた消毒液に5～10分つけおきしますが、漂白による色落ちが気になる場合は、熱湯消毒も有効です。85℃以上の熱湯に2分以上つけおきしてから他の洗濯物と分けて洗うようにしましょう。

処理に使用した使い捨て手袋やマスク、拭き取ったキッチンペーパーなどはすべてポリ袋などに入れて密閉してから捨てます。ウィルスは乾燥すると空気中に漂うので、空気感染を防ぐためにも嘔吐物・排泄物が乾燥する前にできるだけ早く処理することが大切です。

最後にしっかりと手を洗うことも忘れずに！

突然の嘔吐や下痢にも正しく対応できるように、あらかじめ手順やポイントなどの知識をきちんと持っておくといざといときでも安心ですね。家の中にあらかじめ処理に必要なものセットして常備しておけば、もしものときでもサッと対応できて便利ですよ！

ノロウィルスの感染予防についてはこちらの記事でもご紹介しています。ぜひ参考にしてみてくださいね。

PHOTO／Bignai／shutterstock
参照／ たかだこどもクリニック「感染性胃腸炎の時の嘔吐物の処理の仕方」
認定病児保育スペシャリスト「【突然の吐き気は感染性胃腸炎をうたがえ！】ノロからロタへ、まるでリレーのように！～冬に流行する感染性胃腸炎対策～」
広島市「消毒液の作り方と使用上の注意（次亜塩素酸ナトリウム）」