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子ども

2016.03.12

いつから?どこまで言う?子どもの『性教育』について考えよう

いつから?どこまで言う?子どもの『性教育』について考えよう

幼児の性犯罪被害や10代での望まない妊娠が問題になっているなかで、親として「自分の子だけは大丈夫」なんて思っているのは危険かもしれません。学校任せにするのではなく、家庭での性教育も大事になってきます。でも、「子どもと性について話をするなんて…」と尻込みをして、家庭において性の話題をタブーにしてしまうケースも多いのではないでしょうか。

子どもにどこまで伝えるべきか、どのようにフォローすべきか。ここでは、家庭での性教育に関して考えていきましょう。

何歳から性教育を始める?

『性教育』というと、SEXに関連するものを思い浮かべ、「そんなことは子どもには説明できない!」と思うかもしれません。でも、生命の誕生の仕組みや男女の体の違いを知ること、子どもが産まれる仕組みを知ることは、『やらしいこと』や『やましいこと』ではないですよね。

また、性に関心を持つことや生殖機能が発達することは、人間としてごく当たり前のことであり、健康的な喜ばしい成長でもあります。まずは性教育に関するネガティブなイメージを捨てましょう。

幼いころからでも、子どもに対して「パパとママがお互い好きになったから、あなたが生まれてきたんだよ」ということは言っていいのではないでしょうか。また、子どもが疑問に思ったことは、何歳であっても、その年齢に合わせて理解できる言葉を選びながら説明してあげましょう。子どもは2歳以降から盛んにお話しするようになり、答えづらいことを「なんでなんで?」と聞いてくることもあるでしょう。ここはぜひ真剣に考えて、答えてあげてください。

筆者の場合は、上の子が3歳のころに第2子を出産しました。きょうだいが産まれることで、上の子は赤ちゃんへの興味やさまざまな疑問が湧いたようです。例えば、「赤ちゃんはどこから産まれるの?」と聞かれたこともありました。「おまたから産まれてくることもあれば、お腹を切って産まれてくることもあるよ。」と答えました。もちろん完全に理解しているわけではないのですが、「痛そう!」などといいながら、本人なりに納得したようです。

その子は今6歳になっているのですが、最近は「どんな風に赤ちゃんはお腹の中で大きくなるの?どんなかたち?」と聞いてきました。高度な質問になってきたので、人体に関する図鑑を購入し、それを使いながら説明するようにしています。わかりやすい図が載っていますし、子ども向けにまとめられているため、オススメですよ。

また、幼児期に異性の親と一緒にお風呂に入る経験をしておくのも、性教育のひとつになるでしょう。日常生活の当たり前のようにも感じる風景ですが、男女の体の違いを知るために大切なことです。

学校ではどんなことを教える?

では、幼児期を過ぎ、小学生以降はどのような性教育をすべきでしょうか。小中学生・高校生になると、学校でも性教育が行われます。学校の性教育の流れを理解しておくと、家庭でもフォローしやすいですね。

ここでは、東京都教育委員会の「性教育の手引」を参考に、段階別にどんな発達段階になっているか、どんな教育が行われるのかを抜粋して簡単にご紹介します。

小学校低学年

幼児期に比べ発達は安定してきますが、生理的な発達はまだまだ未熟な時期。生命の誕生や、男女の体の違いなどについて興味を持たせ、相手を思いやる気持ちを学びます。まずは「関心を持つこと」が大切です。

小学校中学年

初潮や精通を迎える子も出てきますし、異性への関心も高まる時期。初潮・精通の仕組みについて知り、個人差があることを伝えることで、不安を解消していきます。

小学校高学年

思春期に伴い、心身共に変化を迎えます。体の変化や異性への関心がより高まることで、不安になる時期。人によって個人差があること、異性と仲良くしたいという感情を持つのが当たり前であることなどを伝えていきます。

中学校

生殖機能が成熟し、異性に接近したいという気持ちが高まります。性に関する不安が高まり、精神的にも不安定になりやすい時期です。月経や射精、思春期における精神面での変化、性衝動、性感染症などについて学びます。

高校

人間関係が複雑化し、異性への関心・性衝動が高まります。一方で、周囲の環境や社会的な風潮に影響を受けやすい時期。学ぶ内容は多岐に渡りますが、性情報(インターネット上などの情報)をきちんと識別する力を身につけること、愛情を育む過程を大切にすべきであること、人工中絶や性感染症などに関して学びます。

ひとつポイントになってくるのは、小学校中学年以降、思春期を迎える手前や迎えてからになるでしょう。このあたりは特にしっかりと子どもの様子をみて、親としての対応の仕方を考えたいものです。なお、全年齢において性犯罪の被害から守らなくてはいけません。子どもの年齢に合わせて性犯罪への注意喚起は常に行っていきましょう。

タブー視すると、親に内緒にするようになる

性教育については、親としてどう伝えるべきかはっきりとした正解が見えないケースが多いものです。しかし、その都度真正面から子どもと向き合い、真剣に応えることが大切でしょう。逆に、子どもが関心を持って質問してきたり悩んでいたりしたとき、「そんなこと聞かないの!」と叱ったり、「何て言ったらいいかわからないから」と放置したりするのはよくありません。

また、真実を言うのが悩ましいからといって、ずっとごまかし続けているのも考えもの。こういった態度を続けていると、子どもは、性について家庭内で「話してはいけないこと」と考えるようになります。

そうすると、実際にいざ初潮や精通が来る、性犯罪の被害にあう、望まない妊娠をしてしまった・させてしまったといった事柄が起きたとき、「恥ずかしいことだ」「親にばれたら大変」と考えて、1人で悩み、隠すようになってしまうことが多いのです。

子どもを守るためにとても重要な性教育。非常に難しい問題ですし、確実に「これが正解!」といえるものはありません。伝え方に迷うこともたくさんありますが、その都度夫婦で考えながら、子どもに真摯に向き合ってあげたいものです。

参照/ 東京都教育委員会

村山明日香

村山明日香

神奈川県在住。三十路に突入しました。元雑誌編集者で、現在はフリーライター&エディター。やんちゃすぎる2人の子どもたちの育児をしながら、合間に執筆やチェック作業。おカタい...

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