2016.08.23
日本最高齢の現役助産師に学ぶ!親子が幸せに暮らすためのヒント
日本最高齢の現役助産師である『坂本フジヱ』さん。2人の子どもを育て上げ、70年にも渡りお産の現場で活躍してきた坂本さんだからこそ言える説得力のある言葉には、親と子どもが幸せに暮らすためのヒントがたくさん隠されています。
今回は、坂本フジヱさんの著書と過去のインタビュー記録から、ぜひ子育てに奮闘中のママにご紹介したい言葉をピックアップしてご紹介していきます。妊娠・出産、育児に関係なく、どう生きていくかを考える上でも、心に響く言葉に耳を傾けてみませんか?
日本最高齢の現役助産師『坂本 フジヱ(さかもと・ふじえ)』さん
大正13年生まれの92歳! 1945年から2016年現在まで、約70年に渡り赤ちゃんを取り上げ続けている現役の助産師さんです。取り上げた赤ちゃんは4千人を超え、親子3代にわたって取り上げたケースも。現在も和歌山県田辺市に助産所を設け、現役で活動を続けられています。
お産も子育ても“来たものを受け止める”こと
予定日を過ぎても赤ちゃんが出てこない。何度寝かしつけても寝てくれない。「3時にはお出かけするよ」と言っておいたのにグズりだす。挙げるときりがないほど、お産も子育てもママの思いどおりになんていかないものですよね。
きっとみんな、頭では分かっているはずなんです。それなのに、ついイライラしてしまうのは、やっぱりどこかで、子どもと過ごす時間や行動をコントロールしようとしているから。
坂本先生の言う「来たものを受け止める」という言葉を聞いてハッとしました。ママの思いどおりになんていかないものとわかっていても「じゃあどうしたらいいの?もぉ〜!」っていう心の声に、スッと応えてくれた気がしました。
当たり前ですが、子どもはロボットじゃありません。特に小さいうちは、親の言ったことを理解する力もまだ未熟で、好き勝手にしたい時期。親の思うように事を運ぼうとしたって、うまく機能するはずないんですね。明日からもう少し肩の力を抜いて、“来たものを受け止める子育て”、意識してみませんか。
0歳児は愛して愛して愛しぬけばいい
感覚が敏感な0歳児の間に、とにかく徹底して愛情を与えて与えて与え切る。それで育児の50%は終わりです。お母さんと子供との間に、強力な信頼関係ができる。そしたら自己肯定感が磨かれて、お父さんやおじいちゃんおばあちゃんとか、年上の人らと信頼関係を築いていけるようになる。そういう性根はね、その子の一生続くんですよ。
引用元:『日経ビジネスオンライン』
自己肯定感とは“自己を肯定する感覚”、つまり“自分は大切な存在だ”と感じる心の感覚のことです。そういった気持ちを小さい頃から育むためには、感覚が敏感な0歳のうちに、本人が“愛されている”ということを認識できるように接してあげることが大切なんですね。
これは決して、一緒にいる時間の問題ではないのですよ。坂本さんは次のように言います。
働いてええで。でもその代わり、夕方迎えに行った時に、あんたよう遊んでくれたからお母ちゃん本当に仕事できて嬉しい。と、心の底から喜びを伝えてやり
引用元:日経ビジネスオンライン
わたしも0歳と2歳の子どもを丸1日預けて仕事に行くことがあります。そんな日のお迎えは、いっぱいハグをして、「ありがとう」を口に出して、いつにも増して、あからさまな愛情表現をしますし、自然としたくなるものです。
子育ての仕方には、それぞれ方針があると思いますが、愛情をきちんと伝えることは、どんな子育てにも共通していえる大切なことではないでしょうか。子どもにとって一番身近な存在であるママが、小さいうちからめいっぱいの愛情を表現してあげられたらいいですね。
“自分が大事にされている”と子どもが実感するためには
子どもって、ママが忙しいときにかぎって「ママ、ママ~!」とくっついてきませんか。そんなときは、洗い物をしていても、洗濯を干していても、用事より子ども優先にしてあげましょう!
『自分が大事にされている』と子どもが実感するためには『いま、この瞬間』のタイミングを逃したらダメ。
引用元:『大丈夫やで 〜ばあちゃん助産師(せんせい)のお産と育児のはなし〜』
いまこの瞬間に応えてあげないと子どもは納得しない。ほんの一瞬、しっかり子どもと向き合うだけで、その子は「自分は愛されている、大事にされている」と実感できるんですね。これは、前述した自己肯定感にも繋がってきます。
たとえば、洗い物をしている最中に抱っこを求められたとき、抱っこは無理でもギューッと濡れた手が子どもにくっつかないように抱きしめてあげることはできますよね。それだけでもいいんです。それを「今は洗い物してるから無理でしょ!」と突き放してしまうと、「ぼく、わたしは洗い物より大事にされてない」と思ってしまうんですね。
そんなアホな!と思うかもしれませんが、子どもにとって、ママを求める“いま、この瞬間”のタイミングは、本当にそのときでしかないんです。「あなたは大事な存在なの」という表現は、ママを求められたときに、日々の態度で示していくことが、何よりも大切なんですね。あとから「さっきはごめんね。」と取り返そうとしても、なかなか子どもには伝わらないんです。
日本最高齢の現役助産師、坂本先生が語ることは、ご本人いわく「本当に当たり前のことばかり」。でもその当たり前のことが、育児に翻弄されている当事者にはなかなか気付けないことだったりします。それぞれのご家庭によって、環境やルールの違いはあると思いますが、ママ、親子、家族がより幸せに過ごすヒントになればいいなと思います。
参照/
戦後70年特別企画 遺言 日本の未来へ「【坂本フジヱ】「男と女が同じなら、そらセックスもせん」」
「大丈夫やで 〜ばあちゃん助産師(せんせい)のお産と育児のはなし〜」産業編集センター/坂本フジエ
YUUKI
1988年生まれ、一姫二太郎のママ。大学卒業後、テレビ局勤務を経てフリーランスに。ライターのお仕事のほか、webプラン二ングや商品プロデュースを行っている。健康オタクでもあり...
詳しくはこちら