ユーザー名
  • instagram

子ども

2016.06.27

「わかんない」で終わらせない! ~子どもから話を引き出すママの会話術~

「わかんない」で終わらせない! ~子どもから話を引き出すママの会話術~

早く自分の時間が欲しい。子どもが幼稚園に行ったら、あれをしよう、これをしよう、と楽しみにしているママもいるかもしれません。 しかし、いざ子どもが入園すると、幼稚園で泣いてないかしら? お友達できたかな? 今頃なにしてるんだろう?と気になりますよね。

そこで、お迎えのときに「今日は何したの?」と聞くわけですが、「わかんない」、「忘れた」、「なにも」としか返ってこないタイプの子どもがいます。子どもなんてそんなものかと思いきや、どうやら事細かに報告している子どももいるようです。

お友達から我が子の様子を聞かされることもあります。子どもの言葉の発達のスピードには差があること、子ども自身の性格にもよるところがありますが、「何とかして親子で会話を楽しみたい」、「幼稚園での出来事を子どもの口から聞きたい」と願うママに、言語聴覚士の資格を持ち、こどもの発達・言語についての指導をしてきた筆者が、今日からできる会話のヒントをご紹介します!

「わからない」にもワケがあります

「今日は何したの?」という、大人からすれば普通の質問ですが、園に通いたての3、4歳の子どもにとっては、答えるのに非常に難しい質問といえます。『今日』の意味、『何』の意味がわからなければ答えられませんし、自分がしたことを記憶しておく力も必要です。

子どもは園で、靴を履き替えたり、挨拶をしたり、手を洗ったかもしれません。でも、ママはそんなことを聞きたいのではなく、多くの場合、今日園であった主な活動が何で、どうだったかを聞きたかったりします。そういった聞き手の意図をうまくキャッチしないことには、ママの求めている答えはできないのです。けっこう難しいですよね。

一生懸命答えても、「そうじゃなくて」と否定されたりすると、「わかんない」と言っておいた方が楽、と思ってしまうことがあるかもしれません。

では、どのような質問であれば、子どもは答えやすく、答えることに自信がもてるようになるのでしょうか。

まずは答えがわかっている題材で質問してみる

「今日は何したの?」「遠足行ったよ」…(それはだいぶ前のことでしょ!)なんて会話があるかもしれません。子どもが時間の感覚をしっかりと理解するのは割と大きくなってからです。以前の出来事をつい今しがた起こったかのように話し出すことはよくあることです。

そんなときも、答えを知っている内容であれば、「ああ、前に行ったね。楽しかったんだね。」と肯定的に受け止めつつ、今我が子は何がわかって何が曖昧なのかも把握することができます。

連絡帳や予定表、お知らせなどや送り迎えの際に実際に見たことで、ママが答えをわかっている題材(例えば、給食、お弁当、行事、活動、お休みなど)をピンポイントで選びましょう。

Yes-Noで答えられる質問をする

今日の給食は、予定表によると“スパゲッティ”。それならばと「今日の給食何食べた?」と聞いてみたら、やはり答えは「忘れた」…。

がっかりしないでください。大人でも昨日の夜何を食べたか、思い出すことが大変な人もいます。園では他にもたくさんの刺激的な出来事があって、よほど印象的な食事でなければ、いちいち覚えていなくても仕方ありません。

そんなときに、「今日の給食はスパゲッティだった?」と聞いたら、子どもも給食の状況を思い出しやすくなり、答えやすくなります。「うん、スパゲッティだったよ。おかわりしたよ。」なんておまけがついてくるかもしれません。

選択肢を提示する

予定表では、今日は“○○公園散歩”となっている。「今日はどこに行ったの?」と聞きたくなりますが、そこはちょっと我慢。「今日はお外で遊んだ? お部屋で遊んだ?」と選択肢を提示することで、子どもが園生活のどの部分に着目すればいいのかを、さりげなく絞ってあげましょう。

おそらく答えは両方かもしれませんが、子どもがより印象に残っている方を選んで答えてくれると思います。「お外だったよ」と答えてくれたら、「お庭で遊んだ? それとも○○公園?」「ブランコした? お砂場かな?」と更にしぼっていくことができます。そんな地道なやりとりを通して、子どもはお母さんの聞きたい内容や意図を学んでいきます。

あえて間違ったことを言う

子どものなかには、目に映るすべてのものが刺激的で、そちらに気をとられていると人の話に耳を傾けることが難しいタイプの子もいます。言葉でやりとりを行うには、まずは注目してもらえないとはじまりません。

「(担任の)○○先生、今日お休みだったね」と、事実と違うことを投げかけてみるのはどうでしょう? 大好きな先生のことであれば、慌てて「違うよ! いたよ」と話しに引き込むことができるかもしれません。

たとえば、Yes-No質問のNoバージョンを使って、「今日はカレーライスだったんだ?」とあえて間違った質問をしてみれば、「違うよ、スパゲッティだったよ」と思い出すきっかけになることもあります。子どもは大人の間違いが大好きです。これをきっかけにママに伝えたい気持ちが湧き上がるかもしれません。

上に挙げたことは、すでにママたちが意識せずに会話の中に取り入れていることもあるかもしれませんね。また更にいろいろな工夫を会話に取り入れられている方もいるかと思います。それでもなかなか期待したような答えが返ってこないと思っているママ。大丈夫です。言葉の成長、特に“話す力”の成長は、個人差が大きいのです。

大切なのは、理解している言葉を増やし深めていくことと、言葉に限らず、コミュニケーションが楽しいと感じられる体験を積み重ねることです。それは日々の丁寧な関わりにより、ママの言っていることがよくわかる、自分の伝えたいことが伝わったという体験を繰り返すことにほかなりません。

ぜひ、いろいろな質問を試しながら、子どもの成長を楽しんでください。

あおみ

あおみ

まさかの高齢出産にて自分が母となり、現在5歳の女の子を子育て中です。これまで、乳幼児健診や療育施設、病院等で、ことばとコミュニケーション、発達について、様々な心配を抱え...

詳しくはこちら
あわせてチェック!

    「ねえこれ知ってる?」
    友だちにも教えてあげよう♪

    「わかんない」で終わらせない! ~子どもから話を引き出すママの会話術~

    この記事が気に入ったら
    いいね!してね

    mamaPRESSの最新情報をお届けします