2019.08.05
子どもの『スポーツドリンク』飲み過ぎに注意!ビタミンB1不足の原因にも…
暑い夏、熱中症対策として子どもにスポーツドリンク(イオン飲料)を飲ませているというママも少なくないと思います。でもちょっと待って! 過度なスポーツドリンクの摂取には思わぬ弊害もあるそうですよ。
スポーツドリンクの飲み過ぎが引き起こす悪影響
外遊びやスポーツのお供としてすっかりおなじみの『スポーツドリンク』。もちろん、適切に飲むには問題ないのですが、過度に飲むと弊害があるってご存知でしたか?
ビタミンB1欠乏症の原因に!
一般的なスポーツドリンクには、100mLあたり5g程度の糖分が含まれています。この糖分を体内で分解するのがビタミンB1。つまり、飲み過ぎてしまうとこのビタミンB1が不足してしまい、特に子どもの場合は深刻な不調に陥る可能性があるのです。
近年では、ビタミンB1不足が深刻化した『ビタミンB1欠乏症』になる子どもが増えていると警鐘を鳴らす専門家もいます。ビタミンB1欠乏症にはいくつか種類がありますが、代表的なのが『かっけ』と呼ばれる疾患です。
国内の小児科医が5000人以上の子どもの尿検体を調査したところ、そのうちの10人が“かっけによる心不全”と診断され、うち9人が1日1L以上のスポーツドリンクを飲んでいたことが判明しました。
かっけは、全身の倦怠感の他、動悸、手足のむくみ、感覚異常、さらに重症化すると心不全などの症状が現れることで知られています。食糧事情の悪かった戦前に多かった病気ですが、現代では“糖分の摂りすぎ”という別の原因で発症する子どもが増えているのです。
虫歯になりやすい
スポーツドリンクの飲み過ぎには、ビタミンB1不足の他に “虫歯になりやすい”というリスクもあります。
スポーツドリンクに多量の糖分が含まれているのは先ほども説明した通りですが、ジュースなどの嗜好品と異なり、スポーツドリンクだと水分補給の代わりとしてつい飲みすぎてしまう傾向があるようです。
また、口の中のイオン指数(pH)が5.4以下になると、歯のエナメル質が溶けて虫歯のリスクが増えるといわれていますが、イオン飲料のpHは3.6~4.6となっています。
つまり、口の中にスポーツドリンクが長く残っているほど虫歯になる確率もあがるというわけなんですね。長時間だらだらと飲むことは避けたほうがよいでしょう。
生活習慣病の原因にも
また、スポーツドリンクを水分補給の度に飲んでいると、糖質過剰になってしまい生活習慣病の原因になってしまう恐れがあります。
糖尿病などの生活習慣病は遺伝的な要因もありますが、過食、肥満、運動不足といった生活習慣の乱れも原因となりえます。近年では成人だけでなく子どもの生活習慣病も増えているといわれていますから、ママも注意したいですね。
必要なときに必要な分だけ!スポーツドリンクとの付き合い方
プラスイメージの強いスポーツドリンクですが、一般的なスポーツドリンクはあくまで“大人向け”の栄養補給のためにつくられているもの。
基本的には離乳食が完了していれば飲むこと自体は問題ありませんが、特に脱水状態にもなっていない子どもがスポーツドリンクをガブガブ飲んでいると、塩分によって喉が渇き、さらにに繰り返し飲んでしまうという悪循環に陥るのでオススメできません。
スポーツドリンクは、発熱などで大量の汗をかいたときなどに失われたミネラルを補給する目的で飲むのは良いのですが、普段の水分補給は水や麦茶などにしておくようにしましょう。
また、虫歯を防ぐためには、スポーツドリンクを飲んだあとは水やお茶で口をゆすぐことも大切。
出典:Amazon
こちらは、子ども用のタイプのイオン飲料。大人用に比べると糖分も抑えめで、全体量も少ないので、できればそちらを選ぶようにしてみてくださいね。
良かれと思って飲ませていたスポーツドリンクが、まさか子どもにとってはあまり体に良くないと知って驚いたママもいるのではないでしょうか。熱中症対策に気を配るこの時期、水分補給のドリンクもぜひ見直してみてくださいね。
PHOTO/Tanasan Sungkaew/shutterstock
参照/
NIKKEISTYLE「イオン飲料、子どもには注意 ビタミンB1の不足誘発」
ヨミドクター「スポーツドリンクが虫歯の原因に…どうして?」
ヨミドクター「ビタミンB1欠乏症」
時事メディカル「子どもの2型糖尿病に注意=親子の食習慣で発症を予防」
ポカリスエット公式サイト「よくあるQ&A」
mamaPRESS編集部
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