2017.03.20
妊娠中に太りすぎた人は要注意!子宮が体外に出る『子宮脱』の可能性があるかも!?
妊娠中や産後、何かが出ているような感じがして気付くことも多い『子宮脱』。突然の出来事にビックリしてしまう人がほとんどだと思いますが、症状の軽いものも含めると何と出産経験者のうち半数近くの人がなっているんだとか!
妊娠中になってしまったら赤ちゃんはどうなるの? また、ならないための予防法ってあるの? そこで、意外と身近な『子宮脱』の疑問を解消していきたいと思います。
『子宮脱』は“骨盤内臓器脱”の一種
女性の骨盤内には、膀胱・子宮・直腸などさまざまな臓器がありますが、通常は『骨盤底筋群』と呼ばれるハンモックのような筋肉や靭帯によって支えられています。ところが、この筋肉の力が緩んでしまったり、切れて伸びてしまうと臓器を支えきれなくなり、重力に逆らえずに下がってきてしまうのです。
膣が下がってしまっている状態を『子宮下垂』、膣から外に出てしまうことを『子宮脱』といいます。
子宮下垂の状態や、軽度の子宮脱の場合は痛みや出血といった自覚症状がほとんどないため、体外に子宮が出てしまうまで気付かない人が多いようです。
くしゃみをしたときに尿漏れをするなどの尿トラブル、陰部になにか挟まっているような感覚があるといった症状があります。
放っておくと、子宮が膣を圧迫し、排尿困難などの症状があらわれます。また子宮頸部が外に露出することで、下着と擦れて炎症を起こす可能性もあり注意が必要です。
妊娠中に子宮脱になってしまったら赤ちゃんはどうなる?
妊娠中はホルモンの影響でゆるむため、妊娠中に子宮脱になることは珍しくありません。胎盤が正常に機能していれば、子宮脱が原因で胎児が成長不良になるということはまずないといわれています。また、子宮脱と診断されたあとでも妊娠することに問題はなく、直接不妊の原因となることもないので、安心してくださいね。
産後になる子宮脱は一時的なものがほとんどなので心配ありません。産後4~6週間ほどかけて徐々に回復していきます。
産後に無理をすると骨盤底筋郡の回復が進まず、子宮脱になる可能性が高まります。いつまでも治らない場合や高齢が原因の場合には、『ペッサリー』という器具を膣内に入れて臓器を支える治療や手術を行うこともあります。
手術の場合には“子宮全摘出”と“子宮温存”の大きく分けて2種類ありますが、どちらも入院期間は1週間から10日くらいです。
こんな人は注意!『子宮脱』になりやすい人の特徴
以下に当てはまるものがある場合、一般的に子宮脱になりやすいと考えられます。
- 肥満体形
- 便秘ぎみで強くいきむことが多い
- 重いものを持つなど腹圧に負担のかかる仕事をしている
- 妊娠中に体重が大きく増加した
- 3,500g以上の赤ちゃんを出産したことがある
- 3回以上経腟分娩をしている
- 多胎妊娠
子宮脱を予防するにはトレーニングが有効です。例えば、おしっこをしているときに途中で2~3回止めてみたり、『ケーゲル体操』と呼ばれるトレーニングで骨盤底筋群をひごろから鍛えましょう。
ケーゲル体操の方法
- 仰向けに寝て膝を30cmほど開いて立て、足の裏は床にぴったりと付ける
- 排便時と同じように力を入れて、膣と肛門周りの筋肉をギュッとしめる(8~10秒)
- 力を抜く
これを10~20回1セットとして、一日3セットほど行うようにします。ただし、すでに子宮脱になっている場合には意味がありません。あくまで予防手段として考えてくださいね。
初めて気付いたときはギョッとしてしまうかもしれませんが、恥ずかしいからと思って放っておくのはNG。「あれ?」と思ったら、なるべく早く病院に相談するようにしてくださいね。
PHOTO/staras/Shutterstock
参照/
いしゃまち「出産経験者に多く見られる子宮脱…3つの原因と、ステージ別の症状とは」
AskDoctors「子宮脱の手術などの治療」
NPO快適な排尿をめざす全国ネットの会「骨盤底筋体操(ケーゲル体操)について」
mamaPRESS編集部
mamaPRESS編集部です!“「ママ」であることをもっと楽しみたい!輝きたい!”そんなママたちのために「ママ」が知りたい情報だけをお届けしています。mamaPRESSを読むことで、心に...
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