女の子は10歳までの親との関係がカギ！友達付き合いが上手な子を育てるために親ができること

「自分の子供には、思いやりがあって、友達を大事にできる優しい子に育ってもらいたい…」そう思う親も多いかと思います。でも、それには、10歳頃までの親との接し方がカギになるんだそう…。

今回は、女性の下着メーカーとして長年愛され続けている『ワコール』が開催したワークショップ『10歳キラキラ白書』に参加し、発達心理学者の小野寺敦子さんに、親と娘の関わりにおけるコツを聞いてきました。前後編に分けてご紹介します。

親との接点は10歳を機に激減する!?

ワコールが実施したアンケート調査によると、女の子の母親との接触（関わりあい）は10歳を機にどんどん減っていくんだそう。

提供：ワコール

上のグラフは、母親と一緒に“買い物にいくか”、“食事をするか”、“お風呂に入るか”などの項目で行ったアンケート調査の結果をもとに得点をつけ、接触得点として総合点数をグラフにしたものです。確かに、10歳を機にどんどん低下しているのがわかりますね。父親との接点はさらに低いものとなっていました。

小野寺先生によると、女の子の10歳は“親子関係が大きく変化する節目の年齢”なんだそう。

10歳の女の子の心は「不安定」で「自分を意識し」「大人を意識して背伸びする」時期。そして、親は「ウザいし反抗するけれど、でも困ったときは頼りにしたい…」といった複雑な存在になるんだそうです。心理的な自立が進み、家族よりも友達との付き合いを大事に思うようになるんですね。

親としては、自分から離れてしまうのは心配で、反抗する態度に不安を感じる方も多いかもしれませんが、小野寺さんは、この時期に親から精神的に自立をしたいと考え、友達との関わりの方が強くなるということは、子供の成長にとって、とても大事なことなのだと言います。

10歳頃の親との信頼関係で友達付き合いも決まる…!?

この調査では、10歳頃の親との接点の総合点が高かった子供は、その後、“悩みを話せる親友”がいる割合が高いという傾向も見られました。つまり、親との信頼関係をしっかり築けている子供は、友達との付き合いも良好だということになります。

そして、そういう子供ほど、大人への意識も強く、早くに恋愛や、化粧などにも興味を持つようになる傾向も見られたとのことです。

親子の時間は“量”より“質を高めよう

最近では、働きながら子育てをしている人も増え、子供と触れ合う時間が足りていないと感じている親も多いのが現実です。でも、小野寺先生によれば、母親が子どもと過ごす時間の“長さ”は子どもの学校成績や心の発達とはあまり関係していないそうです。

それよりも、いかに充実した時間を親子で過ごしているかという“質”の方が、その後の子どもの心の発達に影響を及ぼすとのことです。それには、子供と1対1で対話をしたり、体験を共有したりすることがとても大事になってきます。

一緒に音楽を楽しんだり、買い物を楽しんだり、休みに家族でキャンプや旅行に行って、一緒に自然体験を楽しむのもいいですね。普段できることの中には、一緒にお風呂に入るときに会話を多くしたり、宿題について話してみたり、食事中に子供の話を積極的に聞いてあげたりするだけでも変わってくるかもしれませんね。

お子さんとの普段の接し方を改めて見直してみませんか？

大人を意識するけれど、まだまだ子供…そんな微妙な10歳という年齢の女の子。そこに至るまでの親と信頼関係の深さがいかに大事かわかりました。幼い間は特に、親子で過ごす時間を大事に、信頼関係を築いていきたいですね。

後編では、子育てをもっとハッピーにする、小野寺さんが提唱する『エゴレジ力』についてご紹介します。

【小野寺敦子先生プロフィール】 目白大学人間学部　心理カウンセリング学科　教授
東京都生まれ。1984年東京都立大学大学院博士課程修了。
心理学専攻、心理学博士。
現在、目白大学人間学部心理カウンセリング学科教授。
専門は発達心理学、家族心理学。

Photo／Alena Ozerova／Shutterstock
参照／ RBBTODAY「“親子の時間”が足りていないと感じている父親・母親は約7割」

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記事提供：ならいごとキッズ マガジン