2019.07.14
『クッキー』と『ビスケット』って何が違うの?【違い検証シリーズvol.05】

ミキサーとブレンダーの違いって? パンケーキとホットケーキって同じじゃないの!? 私たちの身のまわりには知っているようで、よくよく考えてみるとイマイチ違いが分からない…なんてモノが多いんです。
そんな似ているようで実は異なる両者を比べてみるこちらの企画。連載第5回目は、普段なんとなく使い分けているけど厳密な違いとなると区別が難しい、『クッキー』と『ビスケット』についてご紹介します。
アメリカとイギリスではそれぞれ異なる意味
甘くておいしいクッキーやビスケットは、みんなが大好きなおやつの定番。それぞれ元の言語を比較してみると、どちらも“英語”ではありますが、アメリカとイギリスで微妙に使い方が異なっているようです。
アメリカでは、サクッとしたお菓子すべてを『クッキー』と呼んでおり、日本人がビスケットと言っている焼き菓子もすべてクッキーにあたるのだとか。
『ビスケット』についてはもう少し意味が狭く、アメリカではスコーンに似た厚みのあるパンに近い焼き菓子のことをいうのだそう。そういえば、アメリカが本家のケンタッキー・フライド・チキンの人気メニュー・『ビスケット』も、スコーンに似た形状ですよね。
一方、イギリスには『クッキー』という言葉はなく、小麦粉を使ったお菓子の総称が『ビスケット』となっています。
じゃあ日本ではどう使い分けているの?
あの甘くてサクサクした薄い焼き菓子全般のことを、アメリカでは『クッキー』、イギリスでは『ビスケット』と呼んでいることがわかりましたが、そこで疑問になるのが、日本では薄いサクサクの焼き菓子を『ビスケット』と『クッキー』で微妙に使い分けているということ。なぜその違いが生じたのでしょうか。
2017年8月2日に放送された『チコちゃんに叱られる!』で紹介されたところによると、実は日本では最初に『ビスケット』という言葉が定着していて、クラッカーや乾パンもパイもビスケットの一種(!)だったそう。今でいうクッキーも『ソフト・ビスケット』の呼び名で親しまれていました。
その後の1927年、実業家の泉伊助・園子夫妻が、アメリカ人宣教師の婦人から教えてもらったレシピを参考に日本で初めて『クッキー』と名付けた焼き菓子を販売します。ただ当時は両者の区別が曖昧だったため、違いが分からないと苦情が殺到したとのこと。
1971年になってようやく、菓子業界で「糖分と脂肪分の合計が40%以上含まれていて、手作り風の外観をもつものをクッキーと呼んでもよい」という決まりができました。
すでに当時はクッキーもビスケットも広く流通していたのですが、クッキーはビスケットよりも高級品という位置付けでした。安物のビスケットまでクッキーと呼ばれてしまうと消費者に誤認を与えてしまう恐れがあるとして、クッキーの明確な定義づけがなされたそうです。
『クッキー』と『ビスケット』は、アメリカ・イギリス由来の外来語であるものの、それぞれ異なる時期に入ってきた言葉のため、日本独自の使い分けがされるようになったのですね。
微妙な違いではありますが、何でも気になる子どもに違いを聞かれたら、ぜひ優しく答えてあげてくださいね^^
TOPPHOTO/ Kailash.K.Soni/shutterstock
参照/
macaroni「え、知らなかった…「クッキー」と「ビスケット」の違いが微妙すぎる!?」
MORINAGA「ビスケットとクッキーの違いは何ですか。」
LOTTE「ビスケットとクッキーの違い」

mamaPRESS編集部
mamaPRESS編集部です!“「ママ」であることをもっと楽しみたい!輝きたい!”そんなママたちのために「ママ」が知りたい情報だけをお届けしています。mamaPRESSを読むことで、心に...
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