2016.10.19
赤ちゃんのスキンケア、アリ派?ナシ派?
筆者が第一子を出産した産院は“赤ちゃんのスキンケアは不要”という考え方の病院でした。しかし第二子を出産した産院は、赤ちゃんのスキンケアは必須と講習まで開くほど。たった3年で常識が変わったのか、それとも専門家さえこれだけ意見が分かれるのか…。
赤ちゃんのスキンケアのアリ派とナシ派、一体どんな主張があるのでしょうか。
スキンケアのあり、なしを経験した筆者の場合
生まれたときはツルンツルンだった第一子。スキンケアはまったくしていませんでした。生後1カ月頃から出てきた乳児湿疹が落ち着いたかと思えば12月頃、冬の乾燥とよだれかぶれも重なってカサカサ肌に。
ほっぺたはひび割れ、皮膚科へ連れて行くも「赤ちゃんはみんなこんなもの」と一蹴されました。それからはひび割れのひどい部分へワセリンを塗る日々。そんな状態が半年ほど続き、梅雨頃にはようやく乾燥も落ち着き始めました。
一方、二人目。こちらももれなくツルンツルンから乳児湿疹。しかしスキンケアは一人目のときと変えました。新生児の頃から徹底的に全身スキンケアをしたのです。
保湿クリームをお風呂上がりに全身たっぷり塗り、おむつ替えの度にお尻に保湿クリームを塗っていたおかげか、乳児湿疹もさほどひどくなく、肌荒れを経験せずに成長しました。
性別や生まれた季節が違うため、スキンケアの有無だけでこれだけ違ったのかどうかはわかりませんが、第一子のときもしてあげていれば…と後悔が残りました。
世間での賛否両論
そもそも、どうしてここまで意見が二分するのでしょうか。
アリ派の主張
“赤ちゃんの肌の薄さは大人の半分、だから守ってあげるべき”という考えが多いようです。赤ちゃんの皮膚の水分は蒸発しやすく、刺激の侵入を防ぐ機能も未熟なので、スキンケアで補うべき、という考え方です。大人の肌は弱酸性で雑菌の繁殖を防いでますが、乳児の肌は中性に近く、雑菌が繁殖しやすいため肌トラブルを起こしやすくなっています。
ナシ派の主張
“もっとも優秀な保湿剤は自身の皮脂、余計なものは新陳代謝の妨げになる”とのこと。“臭いや汚れの出やすい脇や足、陰部など以外は毎日石鹸で洗わなくてもいい”“人間にとって保湿という行為は、本来ほとんど必要ない”と考える先生もおられるようです。
もちろんどちらも“清潔”が鉄則。大人と赤ちゃんは体の大きさは違いますが汗腺の数は同じ、なんと大人の3倍も汗をかくそうです。だからこそ、アリ派もナシ派もこまめに汗を拭きとるなど、皮膚を清潔に保つことを大前提としています。
適切な保湿がアトピーを防ぐ?
以前もmamaPRESSで紹介したのですが、全身の保湿がアトピーの発症リスクを下げるという研究結果が出ています。
乾燥した皮膚はバリア機能が弱く、皮膚から抗体が侵入することでアトピーを発症しやすくなるそうです。皮膚のバリア機能を保湿によって高めてあげることで、アレルギー反応が出るのを防ぐ効果があるようです。
両親や兄弟にアトピー性皮膚炎やアレルギー疾患がある場合は、発症するリスクが高くなります。生まれてすぐにスキンケアを取り入れることで、発症リスクを下げてあげることができるかもしれません。
季節の変わり目はお肌の変わり目。あせもとにらめっこだったのに急に乾燥を気にしないといけない季節がやってきます。アリ派もナシ派も、どちらも子どものことを思ってしていること。子どもにあったスキンケアが見つかるといいですね。
参照/
ヘルスケア大学「乳児のお肌は大人よりもデリケート」
Ameba皮膚科医が放射能やアトピーについて考える「保湿と洗浄について」
minami
1984年生まれ。新卒で入社した会社で求人広告の書き方を覚え、人に何かを伝えることの楽しさを知りました。退職後は求人関連のコラムを書いていました。今は4歳と1歳の怪獣2匹に囲...
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