2016.12.16
『左から』の車に要注意!子どもに教えたい横断歩道を渡るときの新常識とは?
子どもの頃、道路を横断するときは「右見て、左見て、もう一度右見て!」と習いましたよね。その常識が、最近覆されそうなことをご存知ですか? 実は、左側から走ってくる車にはねられた事故が多発しているということがわかったんです!
左側から走ってくる車に要注意!
警視庁の分析によると、2015年(平成27年)の一年間に発生した“歩行者(自転車を含む)が道路を横断中に車などにはねられて死亡した事故”のうち、左から走ってきた車にはねられた事故は右からの事故に比べて3倍近くになったことがわかりました。
この原因について警察庁は、「歩行者が右側から車両が走ってくる手前の車線を渡った後、左側から車両が近づいてくる奥の車線を渡りきれずにはねられたケースが多いのでは」と発表しています。道幅が広い場所を渡るときほど、注意が必要です。
昼間よりも夜間の方が危険!
さらに分析結果を詳しく見てみると、昼間に起きた事故では、左側からの事故が右側の1.2倍にとどまり、夜間が特にこの傾向が顕著になるのだとか!
これは、ドライバーが夜間に自分の右側から歩いてくる歩行者に気づきにくい点も影響していると考えられます。 でも、どうして右側からの歩行者に気づきにくいのでしょうか?
車のライトの構造にも問題があった!
車のライトには『ハイビーム(遠目)』と『ロービーム(下目)』の2種類あることはご存知ですよね。ここで注意したいのが、ロービームのとき。
実は車のライトは、左右対称ではないんです! 左側通行の日本では、歩行者をより明るく照らせるように左のライトの方が少しだけ照射範囲が広くなっており、運転席側よりも助手席側の方が遠方まで見渡せるよう義務付けられています。
つまり、夜にロービームで運転していると右側の方が見づらく、ドライバーにとって右側から渡ってくる歩行者に気づきにくい、ということなのです!
運転するときは、こまめにライトの切り替えを!
子どものお迎えなどで夕方や夜に車を運転するママも多いですよね。前方に車がいないときや細い路地、住宅街などを走るときは、基本的にハイビームにして走るように心がけましょう。暗闇から、特に右側から飛び出してくる歩行者にいち早く気づくことができます。
警視庁もライトの使い分けをドライバーに促しており、各県の警察本部も使い分けを推奨しています!
みなさん、車のライトのハイビームとロービームを使い分けていますか?正確な名称はハイビームは走行用前照灯、ロービームはすれ違いよう前照灯となります。照射距離は、ハイビームは100m、ロービームは40m先の障害物が確認できます。状況に応じて使い分け事故防止に努めましょう。
— 愛知県警察交通部 (@AP_koutuu) 2016年9月27日
ハイビームで照らすと、歩行者側にとっても、車に早くから気づけるというメリットも。もちろん、すぐ前に車がいる場合などは、眩しく感じさせてしまうので、ロービームに切り替えて!
いつもはロービームのみで運転していたというママは、状況に応じてハイビームも使うことが事故を防ぐポイントのようですよ。
夜道を歩くときは、反射材を身につける
これからの季節は日の入りが早いので、学校や部活、塾などから帰る頃にはすっかり暗くなってしまった、ということもありますよね。そんなとき黒っぽい色の洋服を着ていると、車から歩行者が見えづらいため、事故に巻き込まれてしまう可能性が。
子どもたちには、左側からの車に特に気をつけること、そして何より反射材などを必ず身につけるよう、今一度よく言って聞かせましょう!
これからは『左見て、右見て、もう一度左見て!』が新常識になるかもしれませんね。歩行者のときも運転手のときも、事故には十分気をつけましょう!
TOP PHOTO/Malinda Rathnayake
参照/
朝日新聞DIGITAL「高齢歩行者、左からの車にご用心 渡りきれず事故多く」
毎日新聞「危ない、夜間の道路横断 運転手、右からの歩行者気付かず 県警、安全確認徹底呼びかけ」
交通安全かわら版「ライト切り替えによる交通事故防止」
GOO Pit「車検時のヘッドライトは左右対称の色や角度が必要なのか」
警視庁「光が命を守る~暗くなったら必ず付けよう反射材~」
水谷 花楓
東京の出版社で雑誌広告営業を7年間、その後、結婚して大阪に移転、リフレクソロジーの資格取得、受付嬢、社長秘書とやりたかった職種はすべてクリア!現在は、パンダで有名な和...
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