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2012.11.30

電通総研「ママラボ」北風祐子さん

電通総研「ママラボ」北風祐子さん

ママライフや育児をもっと楽しく、

もっとラクにするヒントを授かる

【チアママ★インタビュー】

 



第11回目の今回は、ママの視点を活かし、ママの生活に寄りそうモノ&コトづくりをお手伝いする電通総研の研究チーム「ママラボ」の所長、北風祐子さんにお話を聞いてきました!


電通総研「ママラボ」北風祐子さん_1



 【PROFILE】
電通総研「ママラボ」所長
北風祐子さん
株式会社電通 電通総研「ママラボ」所長。2008年に「母親の視点にこだわって、次世代家族マーケットを活性化したい」という考えのもと、小学生以下の子どもを持つ母親と家族を対象にした研究チーム「ママラボ」を設立。母親視点を活かした商品開発や商材提案、また他にも広告企画、マーケティング調査やコンテンツ開発など活動は多岐にわたる。


 



★INTERVIEW★


私はいま電通総研のプロジェクト、「ママラボ」の所長をしています。このママラボは、商品企画から市場調査、販促活動など、実にさまざまな活動を行っています。メーカーや企業の方がママ&子ども向けのサービスを開発するときに“お手伝いをする”といったらわかりやすいかもしれませんね。ママラボの活動をわかりやすく紹介したマンガも制作したりもしているんですよ。


 


私がママラボを立ち上げたのは2008年。でも、1999年頃から実はいまと似た活動をしていたんです。じゃあなぜ、しばらく経ってからママラボを立ち上げたのか?って思いますよね。仕事で関わったあるプレゼンでの出来事が、ママラボ設立のキッカケでした。ある日、主婦をターゲットにした車の競合プレゼンに出た際、社内のチームリーダーに「ママのオーソリティの北風です」って紹介されたんです。



その紹介のされ方にすっごく違和感があって。オーソリティって「専門家」や「権威」っていう意味を表すんですけど、わかりづらいですよね。ただ単に自分が“ママ”っていうだけじゃないの?と思われてしまうかもしれないし、「これはまずい」と思いました。そしてそのプレゼンは、最終的に負けてしまったんです。


 


悔しかったから「“ママ”の生活に特化した研究チームをつくりたい!」そう思って、会社の上司に「ママラボを作らせてください!」と直訴しに行ったんです。とにかく自分の中で“これじゃダメだ”と気づき、行動に移した瞬間でした。OKが出て、それからすぐにママラボを立ち上げました。


 


ママラボは有志のユニットなので、メンバーの入れ替わりもあるし、とっても自由です。それに、プロジェクトによってメンバーも変わるんですよ。いつも同じメンバーだとアイディアが偏ってしまうし、どうしてもマンネリになるじゃないですか。プロジェクトによって「これだったら〇〇さんとやろう」、「外部のこういう人と組もう」とか、常に変化があるような組織にしています。


 


そのほうが絶対におもしろいし、出来るモノの幅が広がると思うんです。設立から早5年が経ち、今後はさらにママたちと企業とを繋ぐチームに育てていきたい、そう思っています。いまのママラボのメンバーを後継者として育成していきたいし、他にもやりたいことはたくさんあります。


 電通総研「ママラボ」北風祐子さん_2


ママラボが対象としているのは、“小学生以下のお子さんを持つ母親と家族”。子どもが0~3歳の時期って、特殊な期間じゃないですか。泣くし暴れるし、会話も通じないから、ママはどうしてもいっぱいいっぱいになりますよね。



特に出産した直後は自分だけの時間がグッと減るし、どうしても子ども中心の生活になるし。どれだけ大変でも、頑張っても、誰にも褒められない。そうなると1日が終わったときに「今日1日、何だったんだろう…」って、孤独やモヤモヤを感じてしまいがちです。



でも本当は、その期間って一瞬なんですよ。その最中にいたら先を考える余裕もないし、“この生活がずっと続くのかな…”と思いがちだけど、後々になって振り返ってみたら、ほんの数年なんですよね。だったら耐えて暮らすより、おもしろがるくらいのほうが楽しく過ごしていける。



私たちは、ママたちが「おもしろい!」と思ってくれるようにお手伝いがしたい。カウンセラーのように「悩みを解決します!」ではなくて、ママたちの生活に「楽しさ」を提供できるような、そんな存在でいたい。だからメーカーさんと商品を作る際は「これはママが楽しい気分になるかな? おもしろいかな?」と、ママの気持ちを考えながら試行錯誤しています。“ママ生活”のマイナスをゼロにするんでなくて、ゼロをプラスにしていきたいんです。



★こうすれば育児はもっと楽しく、ラクになる!★
北風さんおすすめの「3つの秘訣」


その1. 「~じゃなきゃだめ」「~あるべき」をやめる


ママ自身が「こうじゃなきゃだめ」「こうあるべき!」という考えをやめることでしょうか。「料理は手作りじゃなきゃ“だめ”!」や「母親は家にいる“べき”」など、そういうのを一度無視するのもアリだと思います。旦那さんやお姑さんに言われるからじゃなくて、実は育児や家事が辛いなって思っている人は、自分で自分を「こうあるべき!」って思い込んでいることが多いんですよ。だからその縛りを解いてあげる。じゃないと、息苦しくなってしまいますから。



その2. 周りに期待しすぎない



「周りの人に期待しないこと」、これも育児をラクにする秘訣です。周囲の人に「こうしてほしいのに、何でやってくれないの!?」と思っても、大体の場合はそんなにこちらの要望に100%応えてくれるわけではない。人は誰しも「こうしてほしい!」っていう期待が思った通りに叶わないと「どうして!?」とガッカリして、どんどん不満が溜まっていく。だったら最初からあてにしないほうが、精神的にラクだと思いませんか(笑)? あくまで「必要ない」んじゃなくて、「期待しない」んです。そこで「じゃあ自分で出来ることって何だろう?」と考えて、1人で出来ることから少しずつ欲張らずにやっていきましょ。



その3.自分は自分。他人と比較しない



他の人と比べて「どうしてあの人はあんなに恵まれているんだろう…」とか「何で私だけこんなに辛いの?」と自分より恵まれている人を羨ましがったり比べたりすると、どんどん辛くなっていきます。それが続くと、一生涯他人と比べ続けることになってしまう。人と比べるということは、今の自分にないものを“もっともっと!”と欲しがるから。でも“自分は自分、他人は他人!”と割り切って自分へのハードルを下げてしまうと、無重力状態というか、心は楽になりますよ。大事なものと大事じゃないものを決める。全部を欲しがったり、完璧にやろうとしないことですね。



★ママプレス読者のママたちへメッセージ★


「自分の気持ちに正直に」by北風祐子

 電通総研「ママラボ」北風祐子さん_3


 
いつも“正直”でいいと思います。我慢しないで、自分の気持ちに素直になる。子どもに怒ってしまって後で後悔したら正直に謝ればいいんです、「ごめんね」って。話が出来ない0歳に対しても「さっきはごめんね。今度は気をつけるから」と声に出して言う。声に出すことがポイントです。黙っていては溜まる一方ですから。私の持論ですが、「よく頑張ったね」「ありがとう」「ごめんね」の3点セットがあれば、育児は乗り切れる! それを繰り返せば、いつかイライラしない瞬間がきます。「まぁ、いっか!」とふっと力が抜けてラクになれるときが、きっとくるから。


 


【関連サイト】電通総研「ママラボ」プロジェクト


 


 


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