2017.01.05
子どもだけの病気じゃない!離婚の原因にもなる“大人のADHD”
『ADHD(注意欠陥多動性障害)』は、子どもだけの病気だと思っていませんか? 実は、大人にも“大人のADHD”と呼ばれるものがあります。
子どもの頃からADHDの症状があり、状況が改善しないまま大人になった方々です。それが原因で、夫婦ゲンカや最悪の場合は離婚も引き起こしてしまうことも…。自分やパートナーに思い当たる症状がないか、チェックしてみましょう。
ADHD(注意欠陥多動性障害)とは?
ADHDは注意欠陥多動性障害と呼ばれ、症状の表れ方はそれぞれ異なります。子どもの場合、学校で座っていることができず教室を走り回ってしまう、忘れ物が多いといった症状が目立ちます。年齢に釣り合わない衝動性や多動性が特徴で、学校や社会活動などに支障をきたすものです。
症状が現れるのは7歳以前。周りからは“集中力がない”“忘れ物が多い”など、軽く扱われることがあります。そして、ADHDと気付かないまま大人になると、仕事のミスや夫婦ゲンカなどにつながることもあるのです。
「片付けられない」「約束が守れない」…その症状ADHDかも
自分やパートナーがADHDかもしれないと思ったときには、『大人のためのADHD.co.jp』で紹介されているチェックリストを見てみてください。
チェック項目には以下のようなものがあり、5つの段階(全くない・めったにない・時々・頻繁・非常に頻繁)でチェックができるようになっています。
01 物事を行なうにあたって、難所は乗り越えたのに、詰めが甘くて仕上げるのが困難だったことが、どのくらいの頻度でありますか。
02 計画性を要する作業を行なう際に、作業を順序だてるのが困難だったことが、どのくらいの頻度でありますか。
03 約束や、しなければならない用事を忘れたことが、どのくらいの頻度でありますか。
▼詳細はこちらから
大人のためのADHD「大人のADHD症状チェックリスト:成人(18歳以上)用」
こういった症状が多発する場合、単なる“性格”ではなく、ADHDの可能性があります。これが引き金となって、家庭不和が起こるケースも。でも、夫婦で協力して症状に対処をすれば、家族関係を改善させることもできるのです。
もしもママorパパがADHDだったら…?
“大人のADHD”のほとんどは、自覚症状がありません。「みんなが普通にできることが私にはできない」と一人で悩み続けて、うつ状態になってしまうことも多い傾向にあります。
反対に、パートナーがADHDと気づかずに、「何度言っても約束を守ってくれない」「私は愛されていないのかも」と感じていることも…。このような悪循環が、離婚危機を招く可能性があるのです。
これを取り除くには、まずは精神科できちんと診断を受け、相手の特性をきちんと理解することが大切です。
また、ADHDだとわかった場合には、『性格』や『病気』ではなく『障害である』と理解することが重要。そのうえで、「この障害を乗り切るためには、何が必要か」と対策を考えてみましょう。
たとえば、アラーム付きのスケジュール管理アプリを使用する、収納場所が明確にわかるようラベリングして片づけるといったやり方もおすすめ。一度に「あれもこれも済ませないと!」と考えてしまうことも多いので、優先度が高いものがわかるようにすることがベストです。
以下のように毎日の作業を書き出して優先度順にスケジュールを登録していくという方法も良いでしょう。
ただし、一度にすべて完璧にするのはとても困難。自身がADHDだったとしても、「この方法なら夕飯の時間までに買い出しができた!」「約束通り、待ち合わせ場所に来てくれた!」など、よかったところを振り返ってみるのも◎。
パートナーがADHDだった場合には、相手を“子ども扱い”するのではなく、対等な視点から見ることを忘れないようにしてくださいね。
ADHDの症状を持つ人に対して“世話係”というよりも、『相手と助け合っていく』という気持ちが大切。仕事を分担したり、一緒に計画を考えたりすることで、2人で乗り越えていきましょう。
参照/
キャリコネニュース「もしも夫が、妻が「ADHD」だと分かったら…夫婦で協力して関係を改善する「10のヒント」」
大人のためのADHD