2017.07.23
これって個性?それとも障害?子どもの行動で悩んだときの相談のポイント
うちの子、元気すぎる? 人見知りすぎる? ことばが遅い? 目が合わない? 子育てをしていると、次々にいろいろな悩みにぶつかりますよね。
これが、顔色が悪い、熱がある、お腹が痛いといった、病気を疑わせるサインであれば、ママはすぐに病院に連れて行くでしょう。
ところが、ほかの子と比べて、“ちょっと違う”、“ちょっと〇〇すぎる”ケースの場合、誰に相談していいのか、相談するほどなのか、悩んでしまいますよね…。
今回は、乳幼児健診の相談員をしている筆者が、相談に来られたママたちにしているお話や感じていることをお伝えします。
子どもはみんな“個性的”だと思って
Photo/Oksana Kuzmina/ShutterStock
子どもはそれぞれの個性をもって生まれ、家族や集団といった環境の中で学習し育ちます。
筆者も、子どもが5ヶ月の頃に初めて保育室へ入れたのですが、保育室の赤ちゃんたちが、みんな0歳のうちからもう、それぞれの個性がハッキリと表れているのを目の当たりにし、びっくりしたのを覚えています。
親が違うから子どもも違う。そして発達のスピードも、動き、周囲への興味、コミュニケーション方法、そのほかどれをとってもさまざま。双子を同じように育てても、同じ個性にはなりませんよね。
でも、育児書を見ると、“6ヶ月ごろにできること”、“1歳のころにできること”、などと一応の目安がのっているわけです。
真面目なママは、少しでも我が子がその目安からずれていると不安になるかもしれませんね。不安を1人で抱えて、自分を責めたり、つい子どもやパパに当たってしまったりということもあるかもしれません。
個性か障害かで悩むよりも、その子の過ごしやすい“環境”について考えてみて
健診や療育の場で、「個性と障害の違いは何ですか?」「この子の行動は個性ととらえていいのですか?」という質問を受けることがよくあります。
私は医師ではないので診断はできませんし、実際、“ここまでは個性で、ここからは障害”という線はありません。
ただ、このまま何の支援もなく社会生活を送っていくと、ママは怒ってばかり、子どもは困ってばかりで自信を失い、よい方向にも伸びる可能性のある個性を、悪い方向に向かわせてしまう心配がある場合には、家庭での対応法を伝えながら、また様子を見せてもらう約束をしたり、親子の遊びグループをご紹介したりしています。
大人でも個性的な人っていますよね。こだわりが強かったり、空気が読めなかったり、人の話を聞かなかったり。
それが、なんとか社会に適応しつつ、良い方向に花が開くと、逆に1つの分野を極めた人だったり、独創的な人だったり、魅力的な人に見えてくるのだと思います。
そういった“ちょっとほかの子と違う子ども”が、大人になったときに、なんとか社会に順応できるようにサポートするには、周りの人に理解され、自己肯定感をもって子ども時代を過ごすことが大切。
そのために、どのような関わりをすればいいのかということを、専門家と一緒に考えていくのがいいかと思います。