【がんを予防できる】子宮頸がんワクチンについて分かりやすく解説!【キャッチアップ】
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ここ数年、HPVワクチンのキャッチアップ接種が話題になっていますよね。結局HPVワクチンって打った方がいいの?打たないほうがいいの?と悩んでしまう人も多いと思います。
そこで今回は、実際にワクチンを打った筆者がHPVワクチンについてわかりやすくまとめられたらと思います。判断材料のひとつになれば幸いです!
参考:厚生労働省HP
病気の概要
ヒトパピローマウイルス感染症とは
厚生労働省によると、ヒトパピローマウイルス(以下、HPV)は、性的接触のある女性であれば50%以上が生涯で一度は感染するとされている、一般的なウイルスです。感染しても、免疫の力で自然と消えることが多いですが、まれに消えないままがんに進行してしまうことがあります。そのため、がんにならないためには、ウイルスの感染を防ぐことが大切になってくるということです。
HPVは子宮頸がんをはじめ、肛門がん、膣がん、尖圭コンジローマ等、多くの病気の発生に関わっており、最近では特に、若い女性の子宮頸がん罹患が増えているそうです。日本では毎年、約1万人の女性が子宮頸がんになり、毎年約2,900人の女性がなくなっています。
HPVワクチンについて
HPVワクチンって?
HPVワクチンとは、ヒトパピローマウイルス感染症を防ぐワクチンです。
HPVには200種類以上の型(種類)があり、そのなかで子宮頸がんを起こしやすい型のウイルスがあります。ワクチンを打つことで、その中の一部の感染を予防することができます。HPVに感染している可能性が低い小学6年生~高校1年生相当の女子を対象に3回接種を行うことで、ワクチンの効果がより高まります。
HPVワクチンの効果
HPVには16型や18型、31型といったさまざまな型(種類)があり、そのなかでも子宮頸がんを起こしやすい型というものが存在します。HPVワクチンは、子宮頸がんを起こしやすい型の一部の感染を防ぐことができます。現在日本で接種できるワクチンは2価ワクチン(サーバリックス)、4価ワクチン(ガーダジル)、9価ワクチン(シルガード)の3種類があります。
2価ワクチン(サーバリックス)と4価ワクチン(ガーダジル)は、子宮頸がんを起こしやすい型であるHPV16型と18型を防ぐワクチンです。このワクチンを打つことで、子宮頸がんの原因の50%~70%を防ぎます。9価ワクチン(シルガード)では、その2つの型に加え、他の5種類の型の感染も防ぎます。そのため、子宮頸がんの原因の80%~90%を防ぎます。
HPVワクチンを打つことにより、がんになる手前の状態(前がん病変)が減らすことができるほか、がんそのものを予防する効果があることもわかってきているようです。
HPVワクチンのリスク
筋肉に注射する方法で接種します。注射した部位に痛みや腫れ、赤みなどの症状が起きることがあります。これは身体がワクチンを異物だと認識しているためにおこる症状です。痛みの強弱などは人それぞれ異なり、全然腫れたりしなかったという人もいれば、一週間くらい腕を上げると痛みが生じるという人もいます。
まれに、重い症状がおこることがあります。ワクチンが原因になったものかどうかはわからないものの、接種後に重篤な症状として報告があったのは、ワクチンを受けた1万人あたり3~5人です。
接種した後に気になる症状が現れた場合、それ以降の接種をやめることができます。何か気になる症状が現れた際には、周りの人に相談しましょう。
子宮頸がん検診ってやる意味ある?
ワクチンを打ったら子宮頸がん検診はやらなくてもいいと考える人も多いでしょう。しかし、ワクチンは子宮頸がんを起こす型のすべてを防げるわけではありません。また、ワクチン接種前に性的接触がある場合、既に感染している型の進行を防いだりする効果はありません。そのためワクチンを打った後でも定期的な子宮頸がん検診は必要です。
早期に発見されれば比較的治療しやすいですが、進行してしまった場合、治療は難しいとされています。ただ、HPVに感染してもすぐにがんになるわけではありません。
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このように、子宮頸がんは数年~数十年単位で進行していきます。そのため、1年に1回など定期的に検診を受けて早期発見につなげられます。前がん病変(異形成)や子宮頸がんの段階で見つかると、手術が必要です。子宮頸がんまで進行している場合、子宮全摘手術になり、妊娠ができなくなります。しかし前がん病変の段階であれば、病変がある部分のみを切除する円錐切除手術が行われるため、妊娠の可能性を残したい場合、がんになる前に発見することが大切です。
キャッチアップ制度について
キャッチアップ制度って?
接種後に生じうる多様な症状等について十分に情報提供できない状況にあったことから、平成25(2013)年から令和3(2021)年の間、HPVワクチンの接種をすすめる取り組みが控えられていました。そのため定期接種の対象であった方々の中には、HPVワクチンの公費での接種機会を逃した方がいます。
厚生労働省は平成9年度生まれ~平成19年度生まれ(誕生日が1997年4月2日~2008年4月1日)の女性の中で、まだ接種を受けていない人のために改めてHPVワクチンの接種の機会を設けています。それがキャッチアップ制度です。
キャッチアップ対象者
次の2つを満たす方が、キャッチアップ制度の対象者です。
・平成9年度生まれ~平成19年度生まれ(誕生日が1997年4月2日~2008年4月1日)の女性
・過去にHPVワクチンの接種を合計3回受けていない
接種を受けるための手続きは各自治体によって異なります。基本的には住民票のある市町村から接種のお知らせが届くので、それを見て手続きを行ってください。
接種を受けられる期間
令和4(2022)年4月~令和7(2025)年3月の3年間、HPVワクチンを公費で接種できます。
2024年頃から大幅に需要が増し、HPVワクチンを接種をしたくてもできない人がいる状況を踏まえ、厚生労働省は2025年3月末までに接種を開始した方が、全3回の接種を公費で完了できるように条件付きでキャッチアップ制度を延長しました。
【対象者】
キャッチアップ接種対象者のうち、2022年4月1日~2025年3月31日までにHPVワクチンを1回以上接種した方
2008(平成20)年度生まれの女子で、2022年4月1日~2025年3月31日までにHPVワクチンを1回以上接種した方
【期間】
キャッチアップ接種期間(2025年3月31日まで)終了後、1年間
HPVワクチンの予約はかなり取りづらいです。実際私も4~5つの病院に電話をしてみましたが、断られてしまいました。ワクチン公費期間が終了に近づき、接種する人が増えると思うので余裕をもって動き始めましょう。
実際接種してみてどうだった?
なぜ接種しようと思ったのか
20歳の頃にキャッチアップ制度の存在を知ってから、打つか打たないか2年ほど悩みました。友人にも聞きましたが、打った人は誰もおらず、これからも打つ予定はないという人が多かったです。重篤な副反応がでるかもしれないと思うと、とても怖かったです。
しかし副反応が出る確率と、がんになる確率を考えた際にがんになってしまう確率の方が高いと思いました。それならばワクチンと定期検査でしっかりと予防する方がいいと判断し、接種に至りました。
接種の流れって?
私が住んでいる地域ではHPVワクチンを打つのに、母子手帳と市町村から届く受診者番号が必要でした。ただ市町村によって異なるかもしれませんが、母子手帳がなくても打つことができました。
接種に必要なものが用意できたら、ワクチン接種提携している病院に電話をかけて予約を取ります。ただ、先述したとおりかなり予約が取りにくいです。初回接種の方は受け付けていなかったり、そもそもキャッチアップ対象者は受け付けていないということがあるので、早めに動きましょう。
予約が取れたら予約した日に病院へ行き、ワクチンを打ちます。利き腕ではない方の肩に注射針が刺さり、ワクチンが注入されます。針が刺さるときはそこまで痛くないのですが、ワクチンが入ってくるときに鈍い痛みを感じました。打ち終わった後は30分ほど病院のベッドで安静にし、体調に変化がないかを聞かれます。
特になければ受付等を済ませ、そのまま帰宅します。接種当日は激しい運動は控えたほうがいいですが、お風呂に浸かることは可能です。接種部位に関しては、当日と翌日は腕を動かすと筋肉痛のような痛みがします。それ以降は痛みがだんだんと収まっていきます。
副反応は出た?
接種した当日と翌日の腕の痛みくらいで、特に変わりはありませんでした。
まとめ
最後までご覧いただきありがとうございました。副反応の話を聞くと恐怖心を抱いてしまいますが、唯一がんを予防できるワクチンでもあります。打つ打たないに正解はありません。公費の期間が迫っていますが、慎重に考えて自分なりに結論を出してから判断してください。
HPVワクチンの接種について悩む人の参考になれば幸いです。
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mamaPRESS編集部
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