2017.05.20
子どものピアノの練習でいつもバトル。どうしたらいい?
子どもに人気の習い事、ピアノ。脳にも良いというし、何よりも本人がやりたいと言っている。「プロになってほしいわけではないけど、ピアノが弾けたらいいな。楽譜を読めたらいいな。何よりも音楽好きに育てばいいな」なんて願って始めたピアノのおけいこ。
ところがどっこい、ピアノには毎日の練習が必要。いつまでたっても練習を始めない子どもにイライラ。やっと始めたと思ったら、いつも同じところを間違うのに、1回弾いておしまい。ちょっとアドバイスしようものなら、親子バトル勃発…なんてこと、ありませんか? 我が家は日常茶飯事です。
どうすれば、子どもがピアノに向き合う時間を増やし、楽しく練習することができるのでしょう? 今回は、ピアノのおけいこを始めることの多い、5、6歳くらいの子どもについて考えてみます。
自分からピアノの練習をしようとする子はほとんどいない
なわとびやサッカーの練習に打ち込む子がいますね。好きだから、上手になりたいからがんばれる。でもそれだって、5、6歳で“毎日”練習できる子どもは、多くはないと思います。
ピアノも初めは「うまくなりたい」と始めるわけですが、楽譜は読むのに時間がかかる、思ったように指は動かない、ちょっと間違うと、すぐに音でフィードバックされるなど、ただでさえ意欲を減らすには十分な理由がそろっています。
その上、テレビがついていたり、おもちゃが部屋の中にある環境では、自らを律してピアノに向える子の方が、特別でしょう。
遊びはどうでしょう。
放っておいてもせっせと遊び始めます。「ママ、一緒に遊ぼう」という子どもも多いと思います。ピアノも、“一緒に練習しよう” のスタンスで遊びの延長のようにできるといいですね。
「こないだ先生のところで上手だったの、もう一回聞かせてくれる?」「ママ弾きたいんだけど、ちょっと聞いてくれる?」なんて、変化球で誘ってみるのもいいかもしれません。
ママが、“子どもにやらせなきゃ”という気持ちでいると、それはもう遊びではなくなります。一緒にピアノに向かっていても、ママがスマホをいじってるのでは、子どもの気持ちもしぼみます。
プロを目指している、発表会の前など、どうしても必要なとき以外は、“ピアノ遊びをしていたら、あれ弾けるようになっちゃった。うれしいね”なんて理想的ですね。
練習中のバトル対策
ママは先生ではありません。ピアノの先生はダメ出しをしますが、ママはホメ出し。先生に言われても素直に聞けますが、身内に言われるとつい反抗したくなる、言い訳したくなるのは大人も同じです。
他の習い事の練習でも、勉強、子育て全般でも同じですが、9回注意されると、例え1回ほめたとしても、その頃にはもう素直に聞く耳は残っていません。ところが、9回ほめて、1回だけ注意すると、「なるほど。直してみよう」と思えるから不思議です。
ここはママのがんばりどころ。「ほめるところなんてない!」なんて言わずに、1カ月前、1年前の子どもの様子を思い出せば、9個は難しいかもしれませんが、どこかに成長、ほめポイントがあるはずです。
そして、注意の場面でも、「ここがダメ!」では今までの苦労が水の泡。「ここがつっかからなくなったらもっと素敵だね」「こんなに上手になったから、ここだけもったいないよ」なんて言い方の方が、やる気につながりそうです。
ママはピアノ未経験者の方がいい?
ピアノが上手なママは、弾いて見本を見せられます。「ママみたいに弾けたらいいなあ」なんて憧れられるかもしれません。楽譜も読めるので、アドバイスも的確でしょう。
でも、こと子どものおけいこに関しては、それがあだとなることもあります。
子どもが一生懸命がんばっても弾けない部分を、ママはいとも簡単に弾いてしまう。わかるばかりに先生になってしまう。その歴然とした差に、子どもがやる気を失うことがあります。
もしこれが、ママと子どもが同じレベルだったらどうでしょう。見本はうまく見せられないし、間違ってるのはわかるんだけど、どう間違っているのかわからないかもしれません。でも、“子どもと一緒に遊ぶ”には最高のパートナーになれそうです。
「今度はママの番。負けないぞ~」、「ここママより上手だね。教えて」なんてやりとりは、ピアノを弾けるママにはできませんね。ママがある程度ピアノが弾けてしまうなら、パパを駆りだすのもオススメです。
Photo/Olga Vladimirova/ShutterStock