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2016.05.11

その『咳』大丈夫?乳幼児の咳の原因と家庭でもできるケア

その『咳』大丈夫?乳幼児の咳の原因と家庭でもできるケア

小さな体でコンコン、ゴホゴホ。子どもがせきこんで苦しそうにしている様子は、見ている大人の方がつらくなりますよね。病院でお医者さんに診てもらうのが一番ですが、一刻も早く楽にしてあげたい!

そこで今回は、咳の種類や原因をまとめながら、子どもの咳が続くときに、自宅でもできる基本的なケアをご紹介します。

長引く場合は病院へ!知っておきたい咳の種類

乳幼児は大人に比べて咳が出やすいもの。急に冷たい空気に触れたり、ほこりを吸いこんだりするだけでも咳がでます。しかし、この場合は一時的な咳でおさまるはず。もし、咳が長引くようであれば、病気の疑いがあります。素人判断は危険ですが、それぞれの病気には特徴があるので、参考までに知っておくと良いでしょう。

普通感冒(かぜ症候群)

いわゆる“かぜ”ですね。かぜは子どもから大人まで誰でもかかります。赤ちゃんの場合、生後しばらくは母親の免疫に守られていますが、絶対にかからないというわけではありません。ウイルスに感染後、3日程度で鼻みずや鼻づまりとなり、そのあとに咳がではじめるパターンが多くみられます。

クループ症候群

犬の吠える声に似た、乾いた咳が特徴です。特に幼児に多くみられる病気で、ほとんどがウイルス性で、悪化すると入院治療が必要になります。初期症状はかぜとよく似ていますが、突然の吸気性呼吸困難を引き起こす可能性もある危険な病気です。子どもの場合、泣いても普段通りの泣き声が出ず、『ヒーヒー』と息が漏れるような音がするのも特徴です。

急性気管支炎

気管支に炎症が及んだ状態で、発熱を伴うことが多い病気です。最初は乾いた咳で始まり、徐々にたんが絡んだ湿った咳へと変化します。原因はウイルス感染によるものが多く、子どもから大人まで誰でもかかります。ゼーゼー、ヒューヒューなど、いわゆる喘鳴が聞こえるような状態のときは、小児気管支ぜんそくの可能性もあるので早めに病院へ連れていきましょう。

肺炎

咳以外にも、熱や多呼吸などの症状が3日以上みられます。子どもの肺炎の原因は年齢によって異なり、新生児期にはB群連鎖球菌や大腸菌などの腸内細菌、 1~2歳では、ウイルス性肺炎とマイコプラズマ肺炎が多いようです。基本的には抗菌薬で自宅療養ですが、悪化すると入院が必要となります。

百日咳

その名のとおり、しつこい咳が続く感染性の病気です。最初はかぜのような症状で、気がつきにくい病気ですが、息を吸い込むときに『ヒュー』という音が出たり、夜間に咳の発作が起きたりするのが特徴です。 かつては乳児に多い病気とされていましたが、三種混合(百日咳・ジフテリア・破傷風)ワクチンの接種率が向上したことで患者数は少なくなってきました。

咳がひどくて苦しそう…そんなときは自宅でもケアを

病院で診察を受けて、薬をもらっても、しばらくは苦しそうな咳が続きます。見ている方はかわいそうになってしまいますが、少しでも咳を和らげてあげられる、自宅でもできる方法があるので、ママはしっかりと押さえておきましょう。

横向きに寝かせる

小さいお子さんの場合は、ひどく咳込むことで嘔吐してしまう場合もあります。咳が続くことで、のどが刺激されてしまうためです。突然の嘔吐にも慌てず、顔を横向きに寝かせてあげましょう。

消化のよい食事を少量、複数回に分けて与える

消化のよいものを、いつもより少なめにあげましょう。1食分を少量にするかわりに、回数を増やし、こまめに食べさせてあげるのがポイントです。咳が続くと喉の炎症で、食べるのを嫌がる子どももいるので、ゼリーなど喉越しが良く、少しでも栄養になるものを用意しておくといいですね。

室内の加湿と水分補給

乾燥した部屋は咳が出やすくなるため、加湿が必要です。たんが絡んでいる場合は、水分を多く摂るようにしましょう。水分摂取を嫌がる場合は、こまめなうがいや、飴をなめて唾液を増やすなど、のどを潤してあげる対策が効果的です。

背中をさする

咳が止まらない場合は、上半身を起こして背中をさすってあげましょう。呼吸がいくらか楽になりますよ。

家族の喫煙は外で

タバコの煙は子どもの咳をひどくします。ご家族に喫煙される方がいる揚合は、分煙はもちろん、できれば吸わないであげてください。

症状を詳しくメモしておけば、お医者さんにしっかりと伝えられる

病院に行くと必ず、問診票を書きますよね。小さい子どもの場合は特に、自分の症状を言葉でうまく伝えられないため、お医者さんにとっては、ママから得られる情報がとても重要になってきます。

  • 咳以外の症状はあるか(熱、下痢、嘔吐、発疹など)
  • どんな音の咳か(コンコン、ぜほぜほ、ゴホゴホなど)
  • いつから咳をしているのか
  • たんが絡む様子はあるか
  • 一番咳がひどい時間帯はいつか

以上のことをふまえ、気がつく点をメモして病院に行くといいでしょう。

乳幼児の咳が1週間以上続く場合は、なんらかの病気が考えられます。早めにかかりつけの病院を受診し、重症化する前に対処しましょう。部屋の加湿や空気の入れ替えなど、早く治るための環境を、おうちでも整えてあげられるといいですね。

文:YUUKI
参照/ シオノギ製薬「こどもの咳のおはなし ~お子さんの咳について知っておきましょう」
中野こどもクリニック「病気・症状なんでもQ&A」

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