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2017.07.17

そのマイ水筒大丈夫?夏に注意したい『金属中毒』から身を守る対策5つ

そのマイ水筒大丈夫?夏に注意したい『金属中毒』から身を守る対策5つ

日に日に暑さが増していくこの季節。子どもとの買い物や散歩などで、水筒を持ち歩くママ、けっこう多いのではないでしょうか?

でも、ちょっと待って! 実は、“マイ水筒”『金属中毒』が起こる危険性があるんです。

マイ水筒で起こる金属中毒って?

好きな飲み物を携帯できるマイ水筒はとても便利ですよね。でも、使う水筒や、中に入れる飲み物によっては、水筒の素材に使われている金属成分が溶け出してしまうことがあるんです。

金属成分が溶け出した飲み物を知らずに飲んでしまうと、頭痛やめまい、吐き気といった症状を引き起こす、『金属中毒』にかかる危険性が高くなります。

中でも特に注意したいのが銅成分。銅成分を多量に摂取すると中毒を起こしやすくなります。

保冷効果の高いステンレス製の水筒も注意が必要。このような水筒は、金属が溶け出しにくいように対策がされているのですが、水筒の内側に傷がついた状態で酸性の飲み物を入れると、そこから水筒構造内部に使われている銅成分が溶け出し、中毒になってしまうこともあるんです。

実際にあった金属中毒の事例

金属製の容器に酸性の飲食物を入れることによって起こる金属中毒。過去にはこんな事例があります。

見えない水筒の傷、子ども6名が水筒のスポーツ飲料を飲み金属中毒に

水筒に入れたスポーツ飲料を飲んだ子ども6名が金属中毒を起こした事例です。スポーツ飲料を朝7時頃に水筒に入れ、午後2時頃まで保管していたものを飲んだところ、苦みを感じ、頭痛やめまい、吐き気などを発症。

子どもたちが飲んだ水筒の中身を確認すると、もともと白色だったスポーツ飲料が、青緑色に変色し、さらに小さな褐色の物質もたくさん付着していたのだそう…!

水筒の内側に傷がついており、さらに酸性飲料を入れたためにその傷から水筒構造内部に使われていた銅成分が流れ出してしまったようです。

使用していた水筒はもともと銅成分が飲料に移らない構造になっていましたが、内側についた傷によって、構造内部の銅成分が溶け出してしまったのです。

ちなみに、水筒についていた傷は目で見ても分からないものでした。事故後に状況を再現したところ、傷があると分かったのだそう。

やかんに入れた乳酸菌飲料で保育園児15名が金属中毒に

保育園でやかんに入れて作った乳酸菌飲料を飲んだ子ども15人が、金属中毒をおこした事例です。子どもたちの飲み残した乳酸菌飲料からは高濃度の銅が検出されています。

このとき使ったやかんはアルミニウム製で、お茶をわかすなど園で長年使われてきたものでした。しかし、繰り返し使われてきたことで、水道水に含まれる銅がやかん内部に大量に蓄積されてしまっていたんです。

やかんの中は内側が黒く変色し、一部腐食していたそうです。そこに酸性の乳酸菌飲料を入れたため、銅が流れ出し、中毒につながりました。

金属中毒に注意  

家族の金属中毒を防ぐ対策5つ!

知らずにいると危険な金属中毒。防止策として重要なポイントをまとめました。

水筒や調理器具の説明書をチェックしよう!

水筒の説明書には、使用上の注意事項が書かれています。酸性の飲み物を長時間保管してはいけない、であったり、そもそも酸性飲料の保管には向いていなかったりなど、製品それぞれの使い方をはじめによくチェックしておきましょう。

また水筒だけではなく、やかんやお鍋といった調理器具にも同じことがいえます。

水筒に詰める飲み物が酸性かどうかを気にかけよう!

酸性の飲み物には、炭酸飲料、果汁飲料、スポーツ飲料、乳酸菌飲料などがあげられます。対して、酸性でない飲み物は、水、緑茶、麦茶、牛乳などです。

『銅製×酸性』は要注意!容器と飲食物との相性を考えよう!

特に気をつけたいのが銅製の容器と、酸性の飲食物との組み合わせです。これまでの金属中毒の事例は銅製の容器と酸性の飲食物との組み合わせで発生しています。

アルミニウムや鉄では、溶け出す金属で中毒を起こすことは考えにくいとされていますが、先の保育園での金属中毒事例のように、長期間にわたる使用での劣化による腐食から、思わぬ事故につながることもあります。

ちなみに、水筒の中には、スポーツ飲料向けに作られたステンレス水筒もあります。スポーツ飲料を冷たいまま持ち歩きたいときには、それらのような専用の水筒を使用するのも選択肢のひとつ。

専用の水筒がない場合は、保冷効果は少ないですが金属製の水筒は避けるのが無難です。保温効果のあるカバーを使ってみるのもいいですね。

容器内部にサビや傷がないかチェックしよう!

容器に傷がついていると、そこから金属成分が流れ出してしまうことがあります。使う前には傷やサビがついていないかよく確認しましょう。

ただ、傷が見た目だけでは分からなかったり、使用中に落としたりぶつけたりして破損してしまうこともあります。古くなった容器は定期的に新しいものに買い替えるのも、対策のひとつですね。

普段と違う見た目や味がすると感じたら口にしない!

いつもと味が違う、色がなんだか変、何かおかしいなと感じたら口にしないようにしましょう! “なにかおかしい”という気づきが事故防止へとつながります。

金属中毒について知ると、「飲み物は、お茶か水にするように」と学校から言われていたり、粉末タイプのスポーツドリンクがプラスチック水筒とセットで売られていたりするのも納得がいきますよね。

事例でもご紹介したように、思わぬことでも発生する金属中毒。事故防止のために、パパや子たちとも金属中毒について話し合ってみてはいかがでしょう。

TOP PHOTO/wowsty/ShutterStock
参照/ 「食品衛生の窓」東京都福祉保健局「金属製の容器の使い方にご注意ください!」
東京都健康安全研究センター「水筒、やかんなど金属製の容器の使用方法にご注意ください!~酸性飲料による金属の溶出に伴う中毒に注意~」
AERA dot.「水筒に注意! 怖い「金属中毒」」

山下 二子

山下 二子

1984年生まれ。大阪在住。学生時代に医療福祉や情報処理・経理について学ぶ。卒業後は銀行に就職したのち、大手コールセンターへ転職。採用・研修・労務管理等を務めたが転居によ...

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