2019.05.08
妊婦の8人に1人が発症『妊娠糖尿病』を防ぐには?

血糖値が上がりやすい妊娠中には、妊婦に8人に1人が『妊娠糖尿病』を発症するといわれています。
『妊娠糖尿病』になってしまうと、出産時や出産後において母体や赤ちゃんに影響を及ぼしてしまうことも…。発症を防ぐために、妊娠中のママはどのようなことに気をつけたら良いのでしょうか?
『妊娠糖尿病』とは?
『妊娠糖尿病』とは、妊娠時に初めて発見・診断される“糖代謝異常”のことをいいます。血糖値の数値が基準よりも高く、“糖尿病”と診断されるほどは高くない状況のことで、元々糖尿病だった人はこれに当てはまりません。
妊娠中は胎盤から出るホルモンの影響で、血糖を抑えるインスリンの働きが鈍くなり血糖値が上がりやすい状態になります。
一方で妊娠するとインスリンの分泌量自体も増えるので、ほとんどの人はインスリンが血糖値をあげないように調整してくれるのですが、一部、インスリンをたくさん出すことができない人が糖代謝のバランスを崩し、糖代謝異常を起こすというわけです。
この妊娠糖尿病にかかる妊婦の割合は8人に1人といわれているので、決して珍しくはないということが分かると思います。ちなみに、生活習慣が主な原因となる2型糖尿病は、妊娠糖尿病よりも血糖値が高く、両者は区別されています。
赤ちゃんやママへの影響
妊娠糖尿病になると、ママや赤ちゃんにも影響を及ぼす可能性があります。
赤ちゃんへの影響
ママの血糖が高いと、胎盤を通して赤ちゃんへ糖が過剰に運ばれてしまいます。しかし、母体のインスリンが赤ちゃんに運ばれることはないので、赤ちゃんは自分でインスリンを分泌します。
インスリンは赤ちゃんの成長を促進する作用があるので、結果、巨大児や新生児低血糖などのリスクが高まってしまうのです。また、呼吸障害や黄疸が強くなったり、将来的には肥満や糖尿病になったりする可能性も高くなります。
ママへの影響
妊娠糖尿病により、妊娠中に羊水が多くなってしまう“羊水過多”や流産、早産、妊娠高血圧症候群などを起こしやすくなるといわれています。
また、出産後の糖尿病のリスクもアップ。妊娠糖尿病になった母親のうち、5年で約20%、10年で約30%が糖尿病を発症しているというデータもあります。
どんな人がなりやすい?
『妊娠糖尿病』になりやすい人の特徴として、糖尿病の血縁者がいる人は、そのリスクが高まるとされています。
また、前回までのお産で4,000g以上の巨大児を出産したことがあったり、流産や早産を経験していたりする人は糖代謝異常を起こしていた可能性があり、『妊娠糖尿病』になりやすいといわれています。
他にも、高齢(35歳以上)での妊娠、肥満の人も妊娠糖尿病のリスクは高いとされているので注意が必要です。
発症を防ぐためにできること
『妊娠糖尿病』になるのを防ぐためにはどうしたら良いのでしょうか。まずは、“空腹の状態”をあまり作らないようにしましょう。
お腹が空いたな、と思ったらお菓子などではなく野菜やタンパク質(豆、豆腐、鶏のささみなど)を食べるように心がけます。食事の順番も、野菜→魚や肉などのおかず→ごはんの順に食べると血糖値が急激に上がるのを防げるので◎。
また、妊娠糖尿病になると赤ちゃんのためと思って糖質を抜く妊婦さんもいますが、これはNG。糖質が不足してしまうと、足りない糖質を補うために体内の脂肪が分解されますが、その際に発生する『ケトン体』がたくさん出て入院になってしまうケースがあるからです。
食べ物に気をつける他にも、軽いエアロビクスやヨガ、ストレッチ、水泳など軽く汗ばむ程度の有酸素運動をするのもおすすめ。マタニティ用のプログラムを実施しているジムなどもあるので、利用してみても良いかもしれませんね!
あまり神経質になりすぎるのも良くないかもしれませんが、妊娠中のマイナートラブルはできれば避けたいものですよね。自分は発症しやすい体質かも…と思ったら、日頃の食生活や運動習慣をちょっと見直すきっかけにしてみてくださいね。
PHOTO/Nastyaofly/shutterstock
参照/
ベネッセウィメンズパーク「妊娠糖尿病ってどんな病気?妊娠中の食事や運動はどうしたらいいか教えて!」
47NEWS「食事改善し血糖管理を 妊娠糖尿病と言われたら 母体・胎児ともに影響」
朝日新聞DIGITAL「妊娠糖尿病、おなかの子への影響は?糖不足に注意を」
日本糖尿病・妊娠学会「糖尿病と妊娠に関するQ&A」

mamaPRESS編集部
mamaPRESS編集部です!“「ママ」であることをもっと楽しみたい!輝きたい!”そんなママたちのために「ママ」が知りたい情報だけをお届けしています。mamaPRESSを読むことで、心に...
詳しくはこちら