2016.05.25
日本は厳しすぎ?欧米妊婦のゆるーい体重管理
妊娠中についつい食べすぎてしまい、体重が一気に増えたことを産婦人科で厳しく指導された…なんて経験のあるママは多いのではないでしょうか。
当たり前のように妊婦さんが厳しく体重を管理する日本にくらべ、欧米では妊娠中の体重についてあまり指摘されないそうです。低出生体重児の増加が問題視されている日本では、妊娠中の体重増加を気にしすぎるのも、もしかしたらよくないのかもしれません。
日本の体重管理は厳しすぎ?!
日本の場合、標準体型の体重増加は7~12kgまでと指導されています。筆者も検診のたびに体重が増えすぎてしまい、甘いものを控えて8kg以内の増加に抑えるよう厳しく指導されました。
しかし調べてみると、この数値は欧米と比べてとても少ないことがわかりました。例えば、アメリカでは11kg~15kg、イギリスやカナダでは11.5~16kg、ドイツでは15kgまでの体重増加はOKとされています。
ドイツ在住のとあるママは11kgも増加してしまい、「指導されるだろうなぁ」と思いながら検診に行ったら、「あと1~2kg増やせない?」と医師にいわれ、最終的に13kg増加で出産したそうです。
日本では『小さく産んで大きく育てる』のが理想?
なぜ日本だけがこんなに体重管理に厳しいのかというと、脂肪によって産道が狭くなることで、難産になるリスクが高まるからです。また、妊娠中の高血圧や糖尿病・むくみなどのリスクも高まります。もともと日本では、『小さく産んで大きく育てる』のが理想とされていますよね。
さらに最近では「ママになってもきれいでいよう」という風潮により、産後のダイエットも視野に入れて、妊婦さん自身が厳しい体重管理をしているということも。
一方欧米では、「難産になったら帝王切開もある」という考えなので、そこまで体重管理に厳しくないのです。確かに日本はまだ無痛分娩も浸透していないですし、より自然な分娩が理想とされていますよね。
日本では低出生体重児が増加している!
日本の厳しい体重管理の結果、最近は低出生体重児が急増しており、全体の1割を占めているそうです。これは先進国の中ではトップの数値。もともと痩せ型の女性が妊娠中まで厳しい体重管理をしてしまうと、赤ちゃんに栄養が行きわたらなくなってしまい、低出生体重児となってしまうのです。
低出生体重児は、成人になってから心臓病や高血圧・糖尿病などの成人病にかかるリスクが高いことがわかっています。さらに、視力障害や脳性麻痺、精神遅延などのリスクも高くなるといわれています。
こうした問題から、最近は日本でも、妊婦の体重増加にゆるい考えを持つ病院も増えてきているそうです。
“妊婦は太るもの”と考えてみるのもアリかも…
欧米では“妊婦は太るもの”として、体重を増やすように指導されます。体重を気にするよりも、母子ともに健康で、ストレスのない生活を送る方が大切だと考えているというのも、日本との違いだと思います。もちろん、太りすぎは良くないですが、厳しい体重管理をストレスに感じてしまっている人は、欧米の考え方を取り入れてみてもいいかもしれませんね。
日本人は欧米人よりも体型が華奢だという違いはありますが、あまり体重を気にしすぎてナーバスになるよりは、妊娠中はハッピーに過ごすことに重きを置くという考え方もありなのかも。バランスよく食べて、赤ちゃんに大切な栄養を届けてあげるのも大切ですよ。
ただし、お世話になっている先生にちゃんと相談することをお忘れなく!
TOP/StephaniePetraPhoto
参照/
junglecity.com「妊娠中の体重管理」
出産準備サイト「日本の妊婦さん、ちょっと痩せすぎじゃない?~低出生体重児が急増!」
しみず
都内の大学を卒業後、青果物業界・金融業界勤務を経て、2010年に男の子を出産しました。現在は、子育ての経験を活かしながらライターをしています。健康オタクで、衣食住はできる...
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