2016.11.05
治療方法は?病院に行くべき?『産後の腱鞘炎』発症から完治の体験談
6ヶ月たっても腱鞘炎が治らない!?夫婦で出した対策案は…
さて、自宅での治療をはじめてからです。
湿布をはって過ごしているうちに、腱鞘炎の痛みは小さくなっていきました。医師からは湿布と注射のほかにも、できるだけ手首に負担をかけないよう指導がありました。例えば、子どもを抱っこするときは手首ではなく腕全体で支えるようにしたり、買い物袋や荷物を持つときも手首には力を入れないようにしたりなどです。
また自分でも、抱っこが長くなりそうなときは家の中でも抱っこ紐を使うようにしたり、授乳スタイルに添え乳を取り入れたり、家事をできるだけ簡単に済ませたりなどの工夫をしました。
しかし、なかなか治りません。腱鞘炎になって約6ヶ月たっても、よくなったり痛くなったり、たまに整形外科で注射を打ってもらったりを繰り返している状態でした。そして最悪なことに、皮膚が湿布でかぶれるようになってしまったんです。これではもう湿布に頼ることができません…。
そこで、私の負担をもっと減らせないかを夫婦で相談。夫からの提案もあり、しばらく私は実家に帰ることにしました。もちろん子どもも一緒です。久しぶりの帰省ということもあり、約1ヶ月の予定で里帰りしました。
このとき子どもは生後10ヶ月。実家で使うベビー用品のことや、離乳食作りのこと、移動が長距離になることなど不安はたくさんありましたが、思い切って行動してみることに。
すると、あれだけ悩まされた腱鞘炎が1ヶ月のうちであっという間に治ってしまったんです! 自宅に戻ってからも順調。痛みが無くなってからさらに6ヶ月たった今も問題なし。どうやら、無事に腱鞘炎を治すことができたようです。
今回は不安を抱えての里帰りでしたが、私は家事と育児の負担が減ってラクでしたし、久しぶりに会う親友たちと子連れで遊びに出かけたり、地元のおいしい料理を楽しんだりもできました。
また、子どもは遊び相手が増えてご機嫌。実家の両親は孫と遊べて大喜び。夫は寂しさを感じながらも1人マイペースな生活を楽しめた面もあり、結果的に円満解決となったのでした。
筆者を担当した医師がおっしゃるには、産後はホルモンバランスの変化によって筋を痛めやすいのだそうです。実際に、筆者は腱鞘炎と同時に、ほかの部位の痛みにも悩まされました。筆者の場合は、幸いにも里帰りでこれらの痛みを治すことができましたが、ベストな方法は家庭によっても違うと思います。
予防ももちろん必要ですが、症状に気付いたら早めに病院で診てもらったうえで、医師や家族と相談・協力しながら乗り越えていくことが大切なのかもしれませんね。
参照/公益社団法人 日本整形外科学会「整形外科と整骨院(接骨院)」
山下 二子
1984年生まれ。大阪在住。学生時代に医療福祉や情報処理・経理について学ぶ。卒業後は銀行に就職したのち、大手コールセンターへ転職。採用・研修・労務管理等を務めたが転居によ...
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