2016.11.01
「ありがとう」や「ごめんなさい」が言える子どもに育ってほしい。そのためにママが心がけたいこと。
3歳を過ぎておしゃべりも上手になってきた我が子。自分の興味のある話題だったり、調子が良いときは一生懸命にやりとりをしてかわいいのですが、人に何かしてもらったとき、悪いことをしてしまったときなど大事な場面で、なぜか固まってしまい「ありがとう」や「ごめんなさい」が言えない。
おままごとの中では言えているし、言葉を知らないわけではないのに、どうして?と疑問に思うことがあるかもしれません。
つい、人前で頭を押さえて「ありがとうは?」「ごめんなさいでしょ!」とやってしまったこともあるかもしれません。できれば自分から素直にお礼や謝りの言葉を言えるようになってほしいですよね。
筆者がこれまで多くのママたちの相談にのってきた経験から、なぜ言えないのか、どうしたら自分から言えるようになるのか、そのためにママができることは何かを考えたいと思います。
「ありがとう」や「ごめんなさい」は難しい言葉
『犬』や『飛行機』などの言葉は、いつどんな場面でも『犬』、『飛行機』です。図鑑にも載っています。それに対し、「ありがとう」「ごめんなさい」は、実態がなく、“抽象的な言葉”です。
正しい場面で「ありがとう」「ごめんなさい」という言葉を思い浮かべるには、当然それらを使うさまざまな場面を繰り返し体験し、「こういう場面、こういう気持ちのときに使うんだ」ということがわかる必要があります。
そのためには、ある程度のやりとりの経験、状況や場面を読む力、善悪の判断など、ことばの力だけでなく、“情緒”や“社会性”の成長が必要です。
自分の中で、まだ自信をもって使えない言葉は、一人でおままごとをやってる分には使えますが、相手に対して使うことは躊躇するもの。それがよく知らない大人だったりすると、なおさら勇気がいることのようです。
どうしても言えないタイプの子どもにはこんな理由が
使う場面が徐々にわかってきても、言葉として表すことができないタイプの子どももいます。その場合は以下のケースが考えられます。
対人緊張が強く、言う相手や場面によって、言いたくても言えない
元々人見知りが強かったり、緊張しやすい、間違うことが苦手なタイプの子どもは、何とか決まった場面で行うあいさつができるようになっても、さらにあらゆる状況での対応が求められる「ありがとう」や「ごめんなさい」はハードルが高いことがあります。
このようなタイプの子どもには、「なんで言えないの!?」と責めるより、「うれしいね。ありがとうだね」と子どもの気持ちを代弁したり、「本当はごめんなさいって言いたいんだよね」と子どもの気持ちを受け止めるような対応で、子どもの自信を育てていけたらいいですね。
「ごめんなさい」と言ってしまうと、自分が悪いことを認めてしまうようで言えない
「ありがとう」は言えるようになったけど、決して「ごめんなさい」は言わない子どももいます。
これまでに「ごめんなさい」と言っても、状況が良くならなかった経験を重ねる、「悪い子ね」のように行為ではなく人格を否定されるような叱られ方をした、自分が謝られたことがあまりない、間違いが許せない完璧主義といった子どもにこのケースが多いように思います。
パパやママが、“子どもに謝るなんてとんでもない”という考えであれば、子どもも当然同じようになります。
「ごめんなさいは?」と言われても、目に涙をためて睨んでいる子どももいますね。そのような子どもには、まずは周りの人が「ごめんなさい」を使い、「ごめんなさい」と言っても負けではないこと、むしろ言うと笑顔になったり、仲直りできたりする魔法の言葉だということを普段から家庭で伝えていきたいものです。
もちろん、叱るべきときには、「おもちゃを急に取られてびっくりしたんだよね。嫌だよね。でも叩くのはいけないことだよ」と、気持ちを受け止めつつ、行為がいけなかったこと、だから謝らなければいけないことを伝えましょう。