2016.01.25
ユッキーナみたいに「やっぱり経膣分娩したい」ママ必見!『VBAC出産』の危険性とメリット
一人目を帝王切開で出産したモデルのユッキーナこと木下優樹菜さんが、二人目のお子さんを『VBAC出産』(経膣での出産)したことが去年ニュースになりました。
帝王切開を経験しているママなら「陣痛を経験してみたい」「帝王切開は辛かったから、できるなら自然分娩がいい」と感じることもあるのではないでしょうか。
けれど『VBAC出産』は、簡単にできるものではありません。メリットはもちろん、危険性も存在しているのです。
『VBAC出産』とは、帝王切開を経て次の出産は自然分娩すること
ユッキーナのニュースで、初めてこの言葉を知ったという人も多いのではないでしょうか。VBAC(ブイバック)とは、過去に帝王切開での出産を経験した人が、次の出産で経腟分娩(自然分娩)することを言います。
帝王切開を経験したことがある場合、一般的には次の出産も帝王切開で行われることが多いです。なぜなら、帝王切開後の経腟分娩は危険性を伴うからです。
VBACの危険性は『子宮破裂』『子宮摘出』などのリスク増大
帝王切開を経験した後の経腟分娩では「『子宮破裂』の危険性が上がる」という問題があります。そのため「破水してしまった場合でも分娩誘発剤を使えない」ことも特徴です。予定帝王切開と比べると3倍以上、分娩誘発剤を使用してしまった場合は4.9〜15.6倍ものリスク増大だそうです。出血が多ければ、稀に子宮摘出の可能性もあります。
また、胎児死亡率は1.7倍、胎児仮死の確率は約2.2倍になるとも言われています。
そもそも厳しい判断基準4点をクリアしなければ、トライできない
「ユッキーナと同じように私も!」とは、なかなか簡単に決められません。『VBAC』を行うには条件もあるのです。
- 以前に行ったのが一般的な帝王切開方法で、回数も1回のみである
- 児頭骨盤不均衡が無い
- 帝王切開以外の理由で子宮を切ったことがない
- 緊急帝王切開をするための医療設備・体制があること
以上の4点を満たしていなければなりません。
特に、お産を扱う病院・医師が減っている最近では、設備・体制への不安もあり、一律で「帝王切開経験者のお産を扱う場合は、帝王切開のみ行う」と定めている病院もあります。
メリットは陣痛経験! そしてたくさん子どもを産みたい人のリスクを下げる
「やっぱり産むからには、陣痛を経験してみたい」というのも、『VBAC』を選ぶ理由として不足というわけではありません。日本では「痛みを感じてこそ母親になれる」と考える人も多いため、ますます「陣痛の価値」が大きく感じられることもあるでしょう。けれど、それだけではありません。『VBAC』を行うことで、次に妊娠することがあった場合、前置胎盤や癒着胎盤となってしまうリスクを上げずに済むのです。
帝王切開を繰り返すと上がると言われているそれらのリスクを下げておくことは、「たくさんの子どもが欲しい!」ということであれば、とても重要になってきますね。
出産方法を決めるときに一番大切なのは『ママと子どもの安全』です。ママの状況や出産できる病院・環境によって、選択肢はまた変わってくるでしょう。どれだけ健康な妊婦生活を送っていても、何が起こるのかわからないのが出産です。状況・環境をよく見極めて、選べるようにしたいですね。
佐原チハル
2013年、無痛分娩にて出産。ハニーと二人三脚、子育て奮闘中のフリーライターです。執筆内容は、コラム・書評・ゲームシナリオなど雑多。性や恋愛に関するユースワーカー業・書店...
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